滝沢馬琴登場。25歳。津田健次郎さん。
(40)尽きせぬは欲の泉
初回放送日:10月19日(日)
蔦重(横浜流星)は、瑣吉(さきち)(津田健次郎)を手代扱いで店に置く。歌麿(染谷将太)が描いた絵から女性の大首絵を思いつき、早速、歌麿に会いに栃木へ向かう。
予告でチラッとありましたが、声優でものすごくエエ声の津田健次郎さんが滝沢馬琴として登場しました。
滝沢馬琴という呼び名は後年の誤った言い方で、本来は「曲亭馬琴」と言うのが正しいのだそうですが、慣れ親しんでいるのでここでは「滝沢馬琴」で統一していきます。
ちなみに大河ドラマでは曲亭馬琴、瑣吉(さきち)など本来の名前で進行していくようです。
エエ声なので、すぐに分かりました。
滝沢馬琴は身分上は武士ですが、それだけでは生きていけず、副業が必要だった家柄のようですね。
おまけに初登場時の年齢は25歳!演じる津田健次郎さんが50代ということを考えると、ちょうど半分の年齢ということになります。
ドラマの中でも同僚から「老け顔!」と突っ込まれるシーンもあり、25歳という設定をうまく演出しているなあと思いました。

津田健次郎さんが54歳。
25歳の役を演じるので敢えて「老け顔!」というセリフがあったのは面白い脚本ですね。
京伝先生、結局乗せられる
また、倹約令や幕府からの規制によって、ほとんどの戯作者がビビって新しいものを書かなくなった時に彼は登場します。
山東京伝先生をなだめすかしても、なかなか筆を取らない中、なんと「代筆」という形で京伝先生よりも良い作品を書いてしまい、バカ売れします。
書き方の違いに気づいたのは、里見浩太朗さん演じる須原屋さん。
なんと老練で目利きでもあるわけですね。素晴らしいです。
さらに須原屋さんも、代筆である滝沢馬琴の作品をべた褒めです。
当の京伝先生は、お株を取られた形になります。
蔦重にはうまい具合に乗せられて「これで良いんですか?あなたの株が奪われて、もっと良い戯作者が出てきますよ」と言われてしまいます。
おだてに弱い京伝先生は、真人間としてうまくやっていくつもりだったのですが、蔦重にファンミーティングまでセッティングされ、ファンたちに囲まれて自分の似顔絵付きのサイン会まで始める始末。
またも気を良くした京伝先生は、今回も乗せられて書くことになったようです。

滝沢馬琴と京伝先生は今後は良いライバルになって行くのかな?
生田斗真くん、またも黒幕に?
幕府側は倹約令を続行し、越中守は自分に苦言を呈する人を遠ざけてしまいます。
イエスマンしか周りに配置しなくなったので、倹約令は暴走モードと言って良い状態になります。
先週は、極度の倹約で職を失った人たちが徳川家の関係者を名乗って犯罪に及ぶこともありました。
今週は、その際に使われたとみられる葵の御紋入りの破れた提灯を見せておどけるシーンも冒頭にありました。
生田斗真くん、将軍の父としての権勢を今回も余すことなく面白がって利用しているということです。

生田斗真くんはものすごい悪役でもするっとこなせてすごすぎます。
里見浩太朗さん、本当は黒幕だったのか?
さらに最後には「須原屋さんが?」というシーンで終わってしまいます。
演じる里見浩太朗さんは、この大河の冒頭からずっと蔦重の味方であり続けた人物です。
古参の本屋として多くの知識を持ち、客観的な判断もできる方。
この方だけは最後まで蔦重側でいてほしいと思っていたのですが、来週はとうとう違う形になってしまうのでしょうか?
来週が楽しみです。

里見浩太朗さんだけは、最後まで「善」であり続けてほしいです。
実は黒幕なんて設定は昔からあるパターンだと思いますが、それだけは「辞めて!」と思います。
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
第19話「鱗(うろこ)の置き土産」
第20話「寝惚(ぼ)けて候」
第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」
第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」
第23話「我こそは江戸一利者(えどいちのききもの)なり」
第24話・げにつれなきは日本橋
第25話・灰の雨降る日本橋
第26話・三人の女
第27話・願わくば花の下にて春死なん
第28話・佐野世直大明神
第29話・江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)
第30話・人まね歌麿
第31話・我が名は天
第32話・新之助の義
第33話・打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく)
第34話・ありがた山とかたじけ茄子(なすび)
第35話・間違凧文武二道(まちがいだこぶんぶのふたみち)
第36話・鸚鵡(おうむ)のけりは鴨(かも)
第37話・地獄に京伝
第38話・地本問屋仲間事之始
第39話・白河の清きに住みかね身上半減(しんしょうはんげん)
第40話・尽きせぬは欲の泉
第41話・歌麿筆美人大首絵
第42話・招かれざる客
第43話・裏切りの恋歌
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!


