
2025年・大河ドラマ
べらぼうです。
サブタイトルの「蔦重栄華乃夢噺」
「つたじゅう えいが の ゆめばなし」と読みます。

(1)「ありがた山の寒がらす」
初回放送日:2025年1月5日
大河ドラマ「べらぼう」いよいよ放送開始!主演は横浜流星。写楽、歌麿を世に送り出し、江戸のメディア王にまで成り上がった蔦重こと蔦屋重三郎の波乱万丈の物語が始まる。
「べらぼう」とは?

そもそも「べらぼう」とは何でしょう?
時代劇の江戸っ子が「べらんめえ」なんていう言葉を聞いた事があると思います。
まさにこれが語源です。
「べらぼう」とは「たわけ者」「バカ者」という意味だったのが「甚だしい」とか「桁外れな」という使われ方をするようになったそうです。
また、海外向けのタイトルが「UNBOUND(アンバウンド)」こちらは「しばられない」「とらわれない」の他「未製本」の意味もあります。
本の制作に関わっていく主人公の蔦屋重三郎を表していてなかなか小粋な英語タイトルではないかなと思います。
皆さんはどう思われますか?
吉原炎上

すごいです。
オープニングは何と吉原炎上!
吉原は本当に火災が多く発生しました。
夜の街であった吉原の照明に問題がありました。
今のような電気ではなくて「火」そのものだったからです。
行燈やロウソクなどもすべて「火」です。
火災が多かったのは仕方のないことでした。
吉原炎上というそのもののタイトルの小説や映画もあります。
1987年の古い作品となりますが、当時の美人女優の決定版であり、また美しい映像美で高い評価をされています。
興味のある方はどうぞ↓
遊女でなく女郎?

吉原で働く女性たちを遊女ではなくて女郎という事にNHKの本気を感じました。
遊女というとギリギリ差別的な表現をクリアできるかと思いましたが、そんな事で話を濁してもどうしようもないのです。
やはり、その時代の吉原にいる女性たちが決して望んでその場に来たわけでもないことが如実に表現されていてとても良いと思いました。
また、女郎と限定する事で性的な生業を主にしている事を示唆しています。
(遊女となると広義で芸を売るという事になります)
幕府公認の売春???

「吉原」が幕府公認と聞いて驚いた人も多かったと思います。
旗本のお坊ちゃまが通うシーンもありましたが、これも意外にあった事で本来は身分の高い人たちがお忍びで通う事もあった場所です。
幕府公認だから秘密も守られるという事ですが、実質的には身なりも良くお金の払いの良い人たちという事であれば、何処の誰かは分かっていたというのが通常です。
*旗本は徳川将軍家に直属していている武士
大河ドラマ内ではその顧客の中に鬼平犯科帳の長谷川平蔵もいる事が紹介されました。
実在の人物です。
女郎たちの最期

主人公もお世話になったという女郎の朝顔は病気になり収入もない中、食べるものにも苦労します。
朝顔という女郎は元花魁です。
花魁というのは女郎の中でトップの稼ぎ頭です。
ですが、元トップであっても病気になって稼げなくなれば食べるものにも事欠きます。
病気は性病であり、梅毒であろうと推測されます。
(敢えて梅毒である事は指摘されませんでしたが、梅毒は現代は治療可能な病気である事も付け加えておきます)
食べられず、病気になり、最終的に火災の元である付け火をしてしまう朝顔。
付け火というのは「放火」の事です。
大きな火災になり、被害が出てしまう事から重罪である事は今も昔も変わりません。
朝顔もその命で償うという形になってしまいます。
罪に問われ、死に至ってしまった際に身ぐるみはがされてしまいますが、これは死に立ち会った人たちがお金になりそうな着物をはぎ取ってお金にしてしまうからです。
また、「女郎」ならそういうことをしても良いという倫理感もあってまとめて穴に埋められてしまうという事もあったと言われています。
出版界のランキング雑誌の先駆け?

田沼意次に直接取りあったり、吉原の人達に樽の中に押し込められたりと散々でしたが、ここで吉原の情報を本にする事を思いつきます。
これが、出版界のランキング雑誌の先駆けとなるようですね。
この先が楽しみです。

オープニングの人物テロップに「厠の男」
何とこの人が平賀源内だそうです。今後が楽しみです。
ちなみに「厠」とは「トイレ」の事です。
おまけ~皆様からのアンケート結果
放送後のアンケート結果です。
みなさん、やはり花魁が罪に問われて死罪になった後に身ぐるみはがれた事に衝撃を受けたようです。

この辺も史実に基づいています。
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
第19話「鱗(うろこ)の置き土産」
第20話「寝惚(ぼ)けて候」
第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」
第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」
第23話「我こそは江戸一利者(えどいちのききもの)なり」
第24話・げにつれなきは日本橋
第25話・灰の雨降る日本橋
第26話・三人の女
第27話・願わくば花の下にて春死なん
第28話・佐野世直大明神
第29話・江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)
第30話・人まね歌麿
第31話・我が名は天
第32話・新之助の義
第33話・打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく)
第34話・ありがた山とかたじけ茄子(なすび)
第35話・間違凧文武二道(まちがいだこぶんぶのふたみち)
第36話・鸚鵡(おうむ)のけりは鴨(かも)
第37話・地獄に京伝
第38話・地本問屋仲間事之始
第39話・白河の清きに住みかね身上半減(しんしょうはんげん)
第40話・尽きせぬは欲の泉
第41話・歌麿筆美人大首絵
第42話・招かれざる客
第43話・裏切りの恋歌
第44話・空飛ぶ源内
第45話・その名は写楽
第46話・曽我祭の変
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!


