光る君へ~第28回~一帝二后

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(28)一帝二后 - 大河ドラマ「光る君へ」
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(28)一帝二后
初回放送日:2024年7月21日

年の暮れ、まひろ(吉高由里子)は道長(柄本佑)との子を出産。宣孝(佐々木蔵之介)は子を賢子と名付け、約束通り我が子として育て始める。一方、道長は入内させた娘の彰子(見上愛)を中宮にし、定子(高畑充希)と后を二人にする「一帝二后」を、国家安寧のためにもくろんでいた。詮子(吉田羊)や行成(渡辺大知)が一条天皇(塩野瑛久)の説得にあたるが、当の彰子が一条天皇の心を捉えられる気配はなく…

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まひろ不義の子を出産

まひろは左大臣・道長との不義の子を出産します。
夫である宣孝おじさんはすべてを知っていてスルーです。
すべてを飲み込んだ懐の大きさではなくて、道長に恩を売っておいて更にのし上がってやろうという野望も見え隠れします。
生まれた娘の名前を「賢子」(かたこ)と名付けて宣孝おじさんはご機嫌なくらいです。

少し、逸話を。
このまひろの娘が「賢子」という名前だというのは記録にも残っている史実です。
自分の娘を「賢い子」と名付ける時点で「何とも彼女らしい」と言ったのは作家の田辺聖子さんです。
この事は田辺聖子さんの著作「光源氏ものがたり」の上巻でも表記されており興味深い発想です。
大河ドラマでは夫の宣孝が名付けた事になっていますが、紫式部本人が考えた名前であろうというのが多くの人が支持する考えで私もこの説を推しています。

いよいよ一帝二后へ

タイトルにもあるように一帝二后になっていきます。
帝の中宮・定子は出家した身でありながら中宮の位にいます。
それは一条天皇(帝)の思いが強いからです。
本来なら、髪を切った女性が帝の中宮であり続けることなど考えられないからです。
出家するというのは「死」と同等であった平安時代。
高貴な帝の命令だと言っても、本来ならあり得ない事でした。

この時期に、困った事は中宮としての神事や祭事が一切行われなくなったことです。
災害が続き、民が苦しむのは本来、中宮の名のもとに行われる神事が出来なくなったという事が多くの人に信じられていました。
陰陽道などが深く信じられたこの時代です。
今でも「縁起が悪い」という考え方がこれに類するものだと思いますが、この時代はこういった事が国の一般の行事な訳です。
貴族だけではなくて民衆からも「祟りだ、呪いだ」という考えが蔓延してもおかしくないという事です。
現代では荒唐無稽に感じる方もいるかもしれませんが、こういった現象が深く信じられているという前提が更に不安をあおるのです。
つまりは、民衆だけにあらず、貴族や公卿、果ては帝自身もこういう信仰があるわけです。

中宮・定子の悪評に繋がってしまう
(災害が起こるは中宮のせいと思われてしまう)

帝にとっても屈辱でもある

「一帝二后」は帝にとっても屈辱的な措置です。
自分の皇后が二人いるという事になってしまうからです。
皇后と中宮と言いながら、実は「皇后と中宮」は同じ意味だからです。
マジメな帝にとっても二人の皇后がいるという何とも不誠実な形になるからです。

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それでも寵愛を受ける定子

皇后となった定子はその位にふさわしい安定された地位が確立されたのではありません。
この時点で帝の跡継ぎの親王を産んでいますが、内裏に呼び戻されたわけではありません。
今まで通り内裏の外の職御曹司(しきのみぞうし)と言われるところにいます。
今で言えば「離れ」に住まわされていると言った感覚が近いと思います。

ここで定子さまは三人目のお子様を懐妊します。

中宮となった彰子は英才教育を受ける事になります。
彰子の実家からついてきた赤染衛門が「古今和歌集」を教える事になります。

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清少納言は最後まで定子さまの下に

皇后となった定子は3人目のお子様を出産します。
今度は女の子でした。
清少納言は定子さまを励まし続け「青ざし」という麦のお菓子を持ってきます。

*この「青ざし」というお菓子はどういうものかは正確に伝わっていませんが、笹団子のようなものではなかったかという説が有力です。

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ですが、間もなく定子さまは希望を見いだせない中、この世を去ってしまいます。
25歳。

定子さまの辞世の句
「よもすがら契りしことを 忘れずば 恋ひむ涙の 色ぞゆかしき」
意訳:一晩中愛し合った事を忘れないでください。
私を思い出してくれて泣いてくれた時のその恋の涙の色はどんな色なのでしょう?
私はそれを知る事は出来ないけれど。

かなり意訳しましたが、定子は最期まで帝を愛していたという事なのです。

道長は倒れる。伊周は左大臣を呪う

激務のために道長は倒れています。
でも、嫡妻の倫子さまは妾に世話を任せて、娘の彰子の為にせっせと働きます。
自分の妹で権力の地盤であった皇后・定子を失った兄の伊周はその怒りを「呪い」という形で一気に左大臣・道長にむけていくことになります。

グレース
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定子さまは3人のお子様を授かりましたが、不遇の中で死んでいく事になりました。

紀行:定子さまのお墓

定子さまのお墓は何と「鳥辺野」にあります。
この鳥辺野は大河のシリーズでは第9話で直秀が鳥葬に処せられたところで定子さまが亡くなっても本当の意味で敬意を表されていないように感じました。
不遇で哀れな最期だった定子さま。
でも、清少納言は最期まで仕えました。
その近くの寺で清少納言が晩年を過ごした事も紹介され、定子さまと清少納言の深い絆を感じずにはいられませんでした。

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放送リスト

第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日

源氏物語一覧リスト

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キャスト一覧

主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ)   吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが)   柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき)   岸谷 五朗
ちやは   国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり)   高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ)   段田 安則
時姫 (ときひめ)   三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか)   井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね)   玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ)   吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ)   板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん)   ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら)   ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ)   黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ)   瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ)   秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう)   町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ)   金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり)   渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた)   本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ)   益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ)   石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ)   橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか)   佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ)   高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ)   見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか)   三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう)   坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう)   本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう)   塩野 瑛久
直秀 (なおひで)   毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん)   凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる)   矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ)   本多 力
いと   信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな)   上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ)   財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ)   竜星 涼
さわ   野村 麻純
絵師 (えし)   三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ)   井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか)   高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう)   木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ)   宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン)   浩歌
周明 (ヂョウミン)   松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎

スタッフ一覧

脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実

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