べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜第29話・江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)

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(29)江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち) - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
蔦重(横浜流星)は政演(古川雄大)が持ち込んだ絵を使い黄表紙を作りたいと戯作者たちに提案する。鶴屋(風間俊介)は大当たりを条件に、京伝(政演)を貸すと申し出る。

(29)江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)
初回放送日:2025年8月3日
蔦重(横浜流星)は政演(古川雄大)が持ち込んだ絵を使い黄表紙を作りたいと戯作者たちに提案する。鶴屋(風間俊介)は大当たりを条件に、京伝(政演)を貸すと申し出る。

呪い続けた花魁と土山邸

笑わない誰袖花魁。白い着物で、呪い続けていましたね。
実はこの時、花魁は身請けされたはずの土山様のお屋敷にいたのです。
つまり、妾として迎えられながらも、殺された自分の好きな人のことを思って呪っているという構図になります。
さらに、そのお屋敷には女将である「志げ」も通っています。
花魁として、女郎として客を取る必要がないのに、土山邸には部外者であるはずの吉原関係者が通っていたという設定になります。
そこに蔦重も、花魁を慰めるために戯作を持ってくるのですから、この土山様というのは、ずいぶん太っ腹な人だなあと思いました。

グレース
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このあたりは私の勝手な推測なので、もし設定上違っていたら申し訳ありません。

飢饉が生んだ悲劇と江戸の現実

冒頭では、浅間山の噴火によって農作物が育たなくなり、飢饉へと至る様子が描かれました。
これもよく考えると、飢饉の因果関係が順を追って描かれたのは初めてかもしれません。
その飢饉に巻き込まれていく新之助とおふくも、その場にいたことがわかります。
ここから、飢えて江戸に流れ着いたのです。

蔦重は面白い戯作を書くことに注力していたので、こうした「世間」をあまり見ていなかったということになります。
最初の原案は「一攫千金を夢見て江戸に来た男の笑える話」だったのです。
その場にいた多くの人は大笑いし、面白いと思ったのですが、「否」と答えたのが二人。
命からがら江戸に帰ってきた新之助と、蔦重の妻「おていさん」でした。
新之助は、飢饉で苦しみ、江戸の多くの人が飢えている時にそんな話では笑えないと言います。
おていさんは、人を侮蔑してあざ笑うような話には笑えないのだと言います。

戯作に込められた「笑い」と希望の光

ここで戯作者たちは「素人の言うことなんて」と話をぶった切ろうとしますが、「本を読むのはその素人である」とたしなめられます。
また、太田南畝は「ワハハ」ではなくて、「ガハハ」と笑えるものがいいと語ります。

結局は、江戸にやってきたものの女性にうつつを抜かし、女郎にお金を払って豪快に駆け落ちするという、ありえないけれど笑える話に舵が切られます。
この話で、呪い続けていた誰袖花魁ですら笑いを取り戻したのです。

グレース
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地獄回が続いた大河ですが、ここでやっと明るさが出てきました。
次回が楽しみです。

各話リスト

グレース
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今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄うんちくも追加しています。
よろしかったらどうぞ。

第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
第19話「鱗(うろこ)の置き土産」
第20話「寝惚(ぼ)けて候」
第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」
第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」
第23話「我こそは江戸一利者(えどいちのききもの)なり」
第24話・げにつれなきは日本橋
第25話・灰の雨降る日本橋
第26話・三人の女
第27話・願わくば花の下にて春死なん
第28話・佐野世直大明神
 

関連書籍一覧

グレース
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ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!

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