べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~第39話・白河の清きに住みかね身上半減(しんじょうはんげん)

記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

地本問屋の株仲間を発足させた蔦重(横浜流星)は、改めを行う行事たちをうまく丸め込み、山東京伝(政演/古川雄大)作の三作品を『教訓読本』として売り出した。一方、きよ(藤間爽子)を失い、憔悴(しょうすい)した歌麿(染谷将太)は、つよ(高岡早紀)とともに江戸を離れる。年が明け、しばらくの後、突然、蔦屋に与力と同心が現れ、『教訓読本』三作品について絶版を命じられ、蔦重と京伝は牢(ろう)屋敷に連行されてしまう…。
初回:2025年10月12日(日)

蔦重、ついに捕まる

まさか、これでお咎めなし――なんてこと、あるわけないですよね。
ついにこの時が来ました。蔦屋重三郎(蔦重)、とうとう捕まってしまいました。
しかも、相棒・京伝先生も一緒に!

グレース
グレース

とは言え、京伝先生はあんまり信頼できそうにないなあ

京伝先生、まさかの裏切り!?

序盤から怪しい空気を漂わせていた京伝先生。
「まさか裏切らないよね…?」と思っていた矢先、案の定、蔦重にすべての罪を被せようとします。
越中守(松平定信)からの圧に屈したのか、それとも保身か――ああ、あの恨めしい表情が忘れられません。

そして驚くべきは、越中守が直々にお白洲に姿を見せたこと。
えっ、こんなこと本当にあったの?と視聴者としても驚愕です。

グレース
グレース

お白洲で越中守が直々に取り調べたかどうかは分からないのですが、
それくらいの勢いであったということは否めない様子です

「水清ければ魚住まず」――蔦重の信念

今回、印象的だったのは蔦重の口にした言葉、「水清ければ魚住まず」。
水が綺麗すぎると魚は餌がなく、生きられない――つまり、少しの濁りがあってこそ、人も社会も健全でいられるという教訓です。

越中守は好色本を排除しようとしますが、蔦重はそれを「教本」として認めるべきだと考えます。
善悪を知るためには、まず知識が必要なのだと。
ただの好色本ではなく、風俗を理解するための書としての意義を主張する姿に、彼の信念が感じられました。

グレース
グレース

飄々とした蔦重ですが、出版人としてのプライドはちゃんとあるんですね!

江戸一番の本屋を潰してでも正義を通す越中守

幕府側――特に越中守は、どうしても蔦重を裁きたい。
江戸一番の本屋・蔦屋を潰してでも、自分の「正しさ」を貫こうとします。
先週の「上方に先を行かれては困る」という発言から一転、今週は完全に弾圧モード。
「正義」と「支配」の境界線が、どんどん曖昧になっていくようです。

グレース
グレース

でも、越中守の中では勧善懲悪と言って良いほど境界線はキッチリしているんですね。
それが犯罪率を上げてしまう結果になります

さりげなく豪華キャストが登場!

今週はなんと、島本須美さん(ナウシカ)と松田洋治さん(アスベル)がシレッと登場!
ファンにはたまらない声優的サプライズ回でした。

グレース
グレース

いわゆる風の谷のナウシカです。
同じシーンで出る事はありませんでしたが、同じ回に出たのは初めてだったんじゃないかなと思います。

おていさんの知性が光る!栗山先生との対話

栗山先生(りつざん先生)は将軍様に学問を教えるほどの大先生。
そんな彼が驚いたのは、おていさんの“論語理解”。
さわりどころか全文を理解したうえで会話していることを見抜くあたり、さすが。
そして、独学で儒学をマスターしたおていさんの知識量も圧巻でした。
この時代に、女性がここまで学んでいるとは…感動すら覚えます。

グレース
グレース

おていさん、すごい!

裁きは“温情判定” 蔦重、身上半減の刑

お白洲での最終判断は「温情の裁き」。
蔦重は財産の半分を失う身上半減という前代未聞の裁定に。

金銭だけでなく、本の在庫、畳、看板までも半分。
徹底した罰ですが、民衆は「きちんと罰を受けたなら、それでいい」という感覚。
むしろ物見遊山ついでに蔦屋を訪れ、本を買っていく人々もいて――
この状況すら商機に変えてしまう蔦重のしたたかさ、さすがです。

グレース
グレース

身上半減と言うのは前代未聞の初の裁きだったそうです

重罰では世は安定しない――江戸の現実

論語にもあるように、重い刑罰を乱発すれば、人は生活できず、かえって犯罪が増える。
今回の事件の背景にも、職を失った人々が犯罪に手を染める姿が描かれます。
「それは自己責任だ」と切り捨てる越中守。
しかし、民の生活を顧みぬその姿勢こそが、江戸の乱れを招いているのではないか――
そんな問いを突きつけられた回でもありました。

グレース
グレース

江戸市中では、過度の倹約令によって職を失った人たちが犯罪を犯していく様子が描かれます。
贅沢品もそれを職にしている働く人たちがいるわけでその人達の生活を保障もせずに働く場を奪われたわけです。
犯罪は許されませんが、その土壌を作ってしまったのが越中守だということになってしまいます。

まとめ:蔦重は罰されても、信念は曲げない

身上半減という罰を受けても、蔦重は知を広める信念を曲げませんでした。
「人は知らねば、善悪さえ判断できない」
彼の言葉が、今の時代にも響きます。

グレース
グレース

来週はいよいよ、新たな局面へ。
蔦重の「べらぼう」な生き様は、まだまだ続きそうです。

おまけ~アンケート結果

今回も放送後のアンケートにご協力いただきありがとうございました。
蔦重の前向きさと、おていさんの知識に皆さん感動したようです。

1位:身上半減、本当に半分持って行かれた!
2位:おていさん、栗山先生も一目おく

スポンサーリンク

各話リスト

グレース
グレース

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄うんちくも追加しています。
よろしかったらどうぞ。

第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
第19話「鱗(うろこ)の置き土産」
第20話「寝惚(ぼ)けて候」
第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」
第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」
第23話「我こそは江戸一利者(えどいちのききもの)なり」
第24話・げにつれなきは日本橋
第25話・灰の雨降る日本橋
第26話・三人の女
第27話・願わくば花の下にて春死なん
第28話・佐野世直大明神
第29話・江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)
第30話・人まね歌麿
第31話・我が名は天
第32話・新之助の義
第33話・打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく)
第34話・ありがた山とかたじけ茄子(なすび)
第35話・間違凧文武二道(まちがいだこぶんぶのふたみち)
第36話・鸚鵡(おうむ)のけりは鴨(かも)

スポンサーリンク

関連書籍一覧

グレース
グレース

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!

タイトルとURLをコピーしました