天皇に譲位を促すほどの権力を持つ道長。
権力闘争の結果は?
三条天皇の運命は?
望月の夜とは?
(44)望月の夜
初回放送日:2024年11月17日
道長(柄本佑)は公ぎょうらにも働きかけ、三条天皇(木村達成)に譲位を迫るも、代わりに三条の娘を、道長の息子・頼通(渡邊圭祐)の妻にするよう提案される。しかし頼通はすでに妻がいるため、その提案を拒否。道長は悩んだ末、皇太后の彰子(見上愛)に相談したところ…。一方、まひろ(吉高由里子)は父・為時(岸谷五朗)から予期せぬ相談を受ける。さらに源氏物語の執筆を続けていると、ある決意を固めた道長が訪ねてきて…
https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/episode/te/QWXNN81PW4/
三条天皇への譲位の働きかけと提案
道長は三条天皇が目も耳も悪くなる病気になっている事を良い事に譲位を迫るようになります。
三条天皇にすると25年待ってやっと天皇になったのです。
そうそう譲位なんかできるわけはありません。
勿論、簡単に譲位はしません。
三条天皇は自分の娘である内親王を道長の息子の頼通に嫁がせることを提案します。
既に頼通には嫡妻がいました。
この女性も天皇の娘でしたが、村上天皇の内親王です。
夫婦仲が良く、うまく行っているのに新たな妻を得るつもりが頼通にはなかったのです。
更に一人の男性に二人の内親王が妻となるのは妻同士の立場も難しいものになります。
それでも政権を維持したのは道長
政権に破れ、三条天皇は譲位。
三条院となった三条天皇は失意の中、愛する皇后娍子(すけこ)と第一皇子である敦明親王に見守られて死の床にありました。
涙を流しながら死へ旅立つ三条院。
東宮であった第一皇子の敦明親王は道長の権力に屈服し、東宮である事を辞退します。
敦明親王はこの後、准太上天皇という地位を得ますが、これは皮肉な事に源氏物語の主人公・光源氏が到達した地位でもあります。(大河ではこの時点では語られていません)
驚きの三后を道長の娘が独占
道長の三人の娘はそれぞれ位のある「后」になります。
通常、この「后」は三人までなので「三后」が道長の娘という事は道長が帝をも凌ぐ権力を持ったと言っても過言ではありませんでした。
この時点の三后
太皇太后・彰子 天皇の祖母と言う意味(後一条天皇の母)
皇太后・妍子 天皇の母という意味(実際には皇子には恵まれず天皇の母ではない)
中宮・威子 天皇の皇后という意味(9歳年下の天皇の妃になる)
上記の一覧を観ていても分かると思いますが、道長の権力だけでその地位に付いたと言っても過言ではありません。
皇子を産んだ彰子でさえも太皇太后という地位にあるこの時点で天皇の母で国母であるのは間違いありませんが、天皇の祖母ではありません。
皇太后の妍子は男皇子にも恵まれていませんから皇太后という地位も不思議に思います。
中宮・威子は9歳年下の元服したばかりの帝に入内したばかりです。
(威子もまた男皇子には恵まれません)
道長のごり押しで三后が?
望月の歌
道長は自分の三人の娘が立后した宴のその時にかの有名な「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば」の歌を詠みます。
返歌を求められた藤原実資は「白楽天」に倣う事を提案し、返歌はせずに「唱和すること」を提案します。
唱和とは「みんなで一緒にこの歌を唱えましょう」という意味です。
そこで、みんなで道長の歌を唱える事になります。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の かけたることも なしと思へば
管理人の意訳:この世の中は自分のモノになった。満月がかける事なないように、自分の人生も安泰だ。
この有名な「この世をば」の歌は何と藤原実資の「小右記」以外では観られない和歌でもあります。
そこで実資はこの道長の娘の三人の立后に良い感情を抱いていない事になります。
大河ドラマでは実資のうまい切り替えしが演出されましたが、当時の実資自身は良く思っていなかったのかもしれません。
放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実