
(14)蔦重瀬川夫婦道中
初回放送日:2025年4月6日
蔦重(横浜流星)は大文字屋(伊藤淳史)から空き店舗が出ると聞き、独立し店を持てないかと考える。そして、いね(水野美紀)からエレキテルが効果のない代物だときき…。

瀬川と検校が思いを交わし合ったと思った瞬間に奉行所からの取り調べが?
一体何の罪???
どうも、高利貸しの件だけではないようです。
感想
検校と瀬以(瀬川)が仲良くしだしたところで、まさかの手入れが入り終わった前回。
奉行所からの取り調べは検校が儲けすぎたことが一番大きな原因だったのかなあと思いました。
検校は目が見えません。
高利貸しをしても良いよという特権を持っていたわけです。
これは目の悪い人に少しでも職業をという温情から始まった制度と言ってよかったと思います。
ところが、そこに借りに来たのが武士たちだったのです。
身分は高いはずの武士たちが身分の低い目の悪い検校に頭を下げなければならなかったという点も大いに問題だったのでしょう。
お米で給料に換算していた武士たちはお米が豊作なら給料が下がり、借金をしなければ食べていけません。
他に副業を持つ事も簡単ではなかった時代に、借金をして返せなければ、利息がさらに膨れ上がって到底払い切れるものではなかったという現実もあったのが察せられました。
そうなると、それこそ武士であろうが旗本であろうが背に腹は代えられず、身分の高い女性でも女郎になって親に売られるという辛い結果になったのでしょう。
今回のドラマの中でも旗本の娘が女郎になって体を壊して、逆恨みで瀬川に斬りかかるという事件がありました。
売られて辛い思いをしているものからすれば、高値で身請けされて贅沢三昧している瀬川に異常な嫉妬があってもしかるべきだったのかもしれません。
瀬川が奉行所に呼ばれ、検校と一緒に取り調べを受けますが、この時には並ぶことさえ許されません。
奉行所のお達しは「瀬川を身請けするとは何と生意気」と言わんばかりでした。
そして離縁することを奉行所から決定されるという本人たちの気持ちは関係のないという形になりました。
離縁が決まってさっさと蔦重の元に行って一夜を過ごす瀬川でした。
このまま、ハッピーエンドかと思いきや、瀬川は自分自身で身を隠してしまいます。
そして再び「おさらばえ」と書き残して去ってしまいます。
この「おさらばえ」という言葉は瀬川が検校の元に嫁ぐ際に蔦重に向けて言った言葉でしたが、今度も蔦重に向けて言った事になります。

瀬川の手紙の筆跡の美しさや教養の高さにはほれぼれするものがありました。
ですが、これで瀬川が退場になってしまうのか?
はたまた、何かの縁で蔦重と再会できるのか?
先が楽しみです。
おまけ~アンケート結果
今回も放送終了後のアンケートにお答えいただいてありがとうございます。
やはり、瀬川が蔦重にお別れを言った「おさらばえ」が印象に残った方が多かったようです。
1位・瀬川、「おさらばえ」再び
2位・瀬川、蔦重と即ベッドイン???
3位・瀬川、離縁を奉行所から言い渡される
4位・瀬川、捕まった!
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!