
宇宙兄弟がついに完結しました。
完結を機に、第1巻からもう一度読み返しています。
この記事では、当時の思い出や時代背景、作品の小ネタなどを交えながら振り返っていきます。
「あの頃はそうだったな」と懐かしく思う方も、「そんな背景があったんだ」と新しい発見をする方も、皆さんと一緒に楽しめたらうれしいです。
ムッタとヒビト、夢の原点

宇宙兄弟の伝説の第1巻は、ムッタとヒビトの二人の誕生、そして宇宙を目指すきっかけとなったUFOを見る場面から始まります。
それにしても、この兄弟は本当に仲が良いですね。
男兄弟ならではの喧嘩もないわけではありませんが、いつも一緒に行動しています。
何だかんだ言いながらも、お互いをとても尊敬しているのです。
宇宙兄弟はアニメ化にあたってJAXAのバックアップがありましたが、原作の連載が始まった時点ではそうではありませんでした。
そのため、実在の宇宙飛行士も名前が少しだけ変えられています。
二人の兄弟と記念写真を撮ってくれた宇宙飛行士の毛利さんは、「毛莉さん」という名前になっています。
とはいえ、これはよく知られていることなので、本記事では実在の宇宙飛行士の名前で話を進めていきます。
毛利衛さんは、日本で最初の宇宙飛行士に選ばれた3人のうちの一人です。
このとき一緒に選ばれたのが向井千秋さんと土井隆雄さんでした。
そして、毛利さんはこの3人の中で最初に宇宙へ行った宇宙飛行士でもあります。
この毛利さんが、本当にそっくりなんです。
気軽に声をかけても記念写真に快く応じてくださるという話も聞いたことがあります。
宇宙兄弟でムッタとヒビトが写真を撮ってもらったとき、そっと後ろから手を添えてくれたという描写も、いかにもありそうなエピソードです。
(もちろん、ここは創作ですが。)
JAXA誕生と宇宙兄弟に隠された遊び心
宇宙兄弟の連載が始まったのは2008年でしたが、このころは「JAXA」という名称はまだ多くの人にとって馴染みの薄いものでした。
JAXAという名称になったのは2003年で、当時はまだ発足から5年しか経っていなかったからです。
(その前はNASDAでした。)
物語の序盤では、ムッタの親友となるケンジが
「JAXAの正式名称は?」と問われ、
「Japan Aerospace Exploration Agency」と正確に答えるシーンがあります。
これも、連載当時としてはかなり画期的でした。
正式名称を正確に答えられる人は、宇宙好きや関係者くらいしかいなかった時代だったのです。

私自身もこの時期にJAXAのイベントへ何度か参加していましたが、友人に「JAXAのイベントへ行ってきた!」と言うと、「新しいアイドル?」と聞き返されたほどでした。
それくらい、当時はJAXAという名称は一般的ではなかったのです。
ですが、NASDAという名称も、このコミックには面白い形で取り入れられています。
JAXAの理事長役として登場する人物の名前は「茄子田シゲオ」。
読み方は「なすだ」です。
そして、このビジュアルが向井千秋さんのご主人、向井万起男さんにそっくりなのです。
これは作者も認めており、向井万起男さんご本人も絶賛されているそうです。
実際の万起男さんも、あのキャラクターそのままのような方でした。
宇宙飛行士である向井千秋さん以上に人気をかっさらっていた印象さえあります。
私も万起男さんの著作を何冊か読みましたが、妻である千秋さんを心から愛し、その活動を全力で支える姿勢には、多くの読者が共感しました。
万起男さんは奥様のことを「千秋ちゃん」と呼ぶので、私まで宇宙飛行士の向井千秋さんをうっかり「千秋ちゃん」と呼んでしまいそうになります。
そんなユーモアとウィットにあふれた方です。
万起男さんの著作は、その後何度も再販され、宇宙兄弟の副読本のような存在にもなっています。
実は小山宙哉先生も、宇宙兄弟を描くにあたって万起男さんの著作からインスピレーションを受けたとインタビューで語っています。
まさに宇宙兄弟の原点の一つと言ってもよい作品かもしれません。
シャロン博士が教えてくれた「金ピカ」の意味
そして、この兄弟を語るうえで欠かせない存在がシャロン博士です。
世界的な天文学者でありながら、ムッタとヒビトは親しみを込めて「シャロンおばちゃん」と呼びます。
二人が幼いころ、山奥にある天文台を訪れたことが最初の出会いでした。
作中では「山奥」や「田舎」「お化けが出そう」と茶化されていますが、実際に天文台は人里離れた山奥でなければ十分な観測ができません。
街の灯りがあると天体観測に支障が出るからです。
そのため、世界的に有名な天文台ほど、驚くほど人里離れた場所に建てられています。
美しい星空は、田舎だからこそ見られるものなのです。
そんな環境で暮らすシャロン博士は、どこか俗世を離れたような生活を送っていますが、とても多才な人物です。
ピアノを弾き、ほかにもさまざまな楽器を演奏します。
ムッタとヒビトの散髪までしてしまいます。

明るく優しく、そして名言だらけの素敵な人です。
第1巻を代表する名言は、「今のあなたにとって……一番の金ピカは何?」でしたね。
この言葉は、第1巻を読み終えたあとも心に残り続けます。
皆さんにとって、一番の金ピカは何でしょうか。
テレビアニメ『宇宙兄弟』まとめ

NASA・JAXAの全面協力で制作された伝説的な作品です。
JAXAの宇宙飛行士は実名で登場します。
宇宙飛行士本人の登場も話題になりました。
エンディングテーマの後には宇宙関係の写真が紹介されるお楽しみ企画もありました。
| 話数 | 放送日 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1~13話 | 2012年4~6月 | 宇宙飛行士選抜試験編 |
| 第14~31話 | 2012年7~11月 | 二次試験・閉鎖環境試験編 |
| 第32~51話 | 2012年11月~2013年4月 | 宇宙飛行士候補生編 |
| 第52~75話 | 2013年4~10月 | NASA訓練・ヒビト編 |
| 第76~99話 | 2013年10月~2014年3月 | 月ミッション・帰還編 |
放送期間
- 放送開始:2012年4月1日
- 放送終了:2014年3月22日
- 話数:全99話
- 放送局:読売テレビ・日本テレビ系列

約2年間にわたって放送されました。
大人気作品でした。
原作では19巻までです。
また、アニメ化されて原作の最終回まで制作してほしいです。
皆さんのエールをお願いしたいです。
最後に宇宙兄弟の歴史をチェック
| 年月日 | 出来事 | 備考 |
|---|---|---|
| 1969年7月20日 | アポロ11号が月面着陸 | 『宇宙兄弟』の物語全体の原点となる歴史的出来事。 |
| 1993年10月28日 | 南波六太(ムッタ)誕生 | さそり座。同日、ドーハの悲劇が起こる。 |
| 1996年9月17日 | 南波日々人(ヒビト)誕生 | おとめ座。同日、野茂英雄投手がMLBでノーヒットノーランを達成。 |
| 2006年7月 | 幼いムッタとヒビトがUFOを目撃 | 「二人で宇宙飛行士になる」と約束した運命の日。 |
| 2025年5月 | ムッタが会社を辞め、JAXA宇宙飛行士選抜試験へ挑戦 | 『宇宙兄弟』本編が本格的に始まる。 |
| 2026年(作中) | ヒビトが日本人初の月面着陸を達成 | ムッタも宇宙飛行士として宇宙へ飛び立つ。 |
| 2026年(現実) | 『宇宙兄弟』連載完結 | 約19年間続いた連載が幕を閉じる |

原作が完結した2026年がムッタがJAXAの宇宙飛行士になってヒビトが月面着陸した年になりました。
現実の世界では2026年時点では日本人の月面着陸はまだですが、近い将来実現することを願っています。

