(26)三人の女
初回放送日:2025年7月6日
米の値上がりは蔦重(横浜流星)の生活にも打撃を与えていた。そんな中、蔦重の実母・つよ(高岡早紀)が現れる。意次(渡辺謙)は、米の値を下げる対策を講じるが…。
本当の夫婦になっていなかった???
祝言を正式に上げて、夫婦になったはずの蔦重と「おていさん」ですが、敬語で話し合うし、何となくよそよそしい感じでした。
ビジネスパートナーとしては最高のコンビなのに、寝所も別で、本当の夫婦というわけではないようでした。
この後、この二人の間には子供が生まれることになっているので、このままでは終わらないと思いましたが、最終的には結ばれたようで良かったです。
途中、おていさんは自分の価値を見失って家出をしてしまうという事態にもなりましたが、今回は本当の夫婦になって幸せに暮らしていってほしいなと思いました。
三人の女って?
三人の女って誰だったのか?
キーパーソンとなるサブタイトルにもなった「三人の女」ですが、誰のことでしょう?
公式で発表されているわけではありませんが、私の見解では
三人の女とは…
おていさん
蔦重の実母・つよ
誰袖花魁
以上の三人かなと思っています。
つよ・高岡早紀さん。
なかでも唐突に出てきた蔦重の実母には驚きを隠せません。
私は蔦重の親は分からないという設定だろうと思っていました。
なのに、実の母は分かっているという設定で、それがまさかの高岡早紀さん。
彼女のことを知らない世代の人のために、とてもグラマラスで快活な美女という印象の方です。
デビュー当時から高い演技力が評価されている方でもあります。
王道の道を進むかと思いきや、問題作やアングラな作品にも多々出演された方です。
また魔性の女と言われ、エッセイとして「魔性ですか?」というタイトルの本を出してしまうほどの潔さ!
そんな彼女が、蔦重を産んで育ててくれそうな吉原に預けて自分は自分の道を行くという女性を演じるのです。
「蔦重のおっかさん」が出てきたときに「そう、来るかあ!」と思ったのは私だけではないと思います。
そんな蔦重の実母・「つよ」は髪結いとして自活してきた女性でもあったのです。
米不足で食べられなくなったから実の息子の蔦重に当たり前のように頼ってくるのも痛快でした。
ただ、この「つよ」さん、なかなかのアイデアマンでもあります。
自分の得意の髪結いで蔦重のお店に来たお客に無料で髪を直してあげ始めます。
この無料で髪を直している間に、蔦重の妻の「おていさん」が本を渡して読んでもらう。
これでその本が気に入ったお客さんが、本を購入してくれるという仕組みです。
何も、タダで居候しようとしたわけではない蔦重の母「つよ」さん。
このアイデアが本当に蔦屋の繁盛に繋がっていくわけです。
更には蔦重の母が乗り込んでしまったばかりに蔦重とおていさんは同じ部屋で寝るしかなくなります。
蔦重とおていさんが本当の夫婦になるきっかけを作ったと言って良いかもしれません。
米不足はリンクする!
さて、時代は米不足。
また、現代とリンクしている話になりましたね。
田沼意次親子は江戸城での立場も厳しくなりました。
米不足による米価の高騰。
これが現代ともリンクしているわけです。
ここで大活躍なのが、蔦重のアイデアと誰袖花魁。
蔦重は自分の本のことを「誰でも売れるように」と言ったのを田沼意次の息子である田沼意知はコメの販売の自由化に持っていきます。
これは悪いアイデアではないのですが、「米がないのに誰でも売っていい」というのは本末転倒じゃないのかなと思いました。
ただ、田沼意知のことがマブだと思っている誰袖花魁は必死のスパイ活動を続けます。
これで彼女を身請けするのが松前藩の当主の弟(ひょうろくさん)なのか、イケメンの田沼意次の息子なのか?
大河ドラマではどんな展開をしていくのでしょう?
今後が楽しみです。
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
第19話「鱗(うろこ)の置き土産」
第20話「寝惚(ぼ)けて候」
第21話「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくらうえののへおと)」
第22話「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」
第23話「我こそは江戸一利者(えどいちのききもの)なり」
第24話・げにつれなきは日本橋
第25話・灰の雨降る日本橋
第26話・三人の女
第27話・願わくば花の下にて春死なん
第28話・佐野世直大明神
第29話・江戸生蔦屋仇討(えどうまれつたやのあだうち)
第30話・人まね歌麿
第31話・我が名は天
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!