
唐丸、絵師として再登場!
でも、それは彼の壮絶な過去を振り返るきっかけになりました。

(18)歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)
初回放送日:2025年5月11日
蔦重(横浜流星)は北川豊章(加藤虎ノ介)の長屋を訪ねると、捨吉(染谷将太)と名乗る男に出会う。その頃、朋誠堂喜三二(尾美としのり)の筆が止まる事態が起こり…
唐丸、復活の裏にある壮絶な過去
行方不明になっていた唐丸が絵師となって復活、という素晴らしい展開かと思えば、唐丸の壮絶な過去が語られた回でした。
絵師になっている唐丸に会いに行くも、知らぬ顔をされてしまいます。
まさか、男娼にまでフォーカスするとは!
この大河、踏み込み過ぎです。
「捨丸」としての唐丸の人生
唐丸は「捨丸」という名前で呼ばれています。
江戸で有名になった絵師の代わりに描いていたのが彼でした。
名前は別の人で、その人は博打に明け暮れるほどの財を得ています。
本来、唐丸が得ることができるお金を横取りされているわけですね。
壮絶な過去と蔦重の心配
さらには、唐丸が男娼もやっていたと思われるシーンがあります。
それも、相手は女性だけでなく男性も。
かなりの「強蔵」と言われる人の相手もしているようなので、さすがの蔦重も心配するほどです。
母との関係と過酷な幼少期
唐丸は母に歓迎されずに生まれ、疎まれて生きています。
恐らく、母も体を売って生きてきた人で、父親も分からないのではないかと思いました。
母親にとって唐丸はお荷物でしかなく、子供の頃から客を取って稼ぐことを強要するような人でした。
それは、この母親が悪い人間というよりも、あまりの貧困からそうせざるを得なかったのだと思いました。
子どもに労働を――しかも体を売るようなことをさせなければ、とても生きていけなかったのです。
火事での別れと蔦重との出会い
そんな母親とも、火事で死別してしまいます。
母親を見捨てて一人生き残ったときに出会ったのが蔦重だったわけです。
ここで、第1話のオープニングの火事に繋がるわけです。
新たな名と身分の獲得
唐丸は蔦重の義理の弟として、今度は「勇助」と名乗ります。
これで人別、今で言う住民票のようなものを得ます。
そしてさらに、蔦重から絵師としてのペンネーム「歌麿」を与えられます。
この回で唐丸は「唐丸」⇒「捨丸」⇒「勇助」⇒「歌麿」と変貌を遂げることになります。
絵師としての第二の人生のはじまり
ここで、蔦重の絵師のパートナー誕生というわけです。
出版に欠かせない、当代きってのイラストレーターをゲットしたことになるわけです。
おまけ~放送後のアンケート結果
番組後、多くの人のご回答を頂いたアンケート結果です。
1位:唐丸、歌麿になった!
2位:唐丸、男娼をやっていた!
3位:唐丸、生きていた!
4位:唐丸、絵師になっていた!
番組の冒頭で「番組の一部に性に関する表現があります」というテロップがあるほど、踏み込んだ今回の大河ドラマ。
多くの人が注目した回でもありました。
皆さんがポイントと思ったのは、行方不明になっていた唐丸が見つかって絵師であり男娼であった事でした。
それでも、最終的に歌麿として新たな人生を踏み出した事に救いを感じた人も多かったのではないかなと思います。
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
第17話~乱れ咲き往来の桜
第18話「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!