本編は数千ページに及ぶので
解説本がおススメです。
道長の日記
2024年大河ドラマ「光る君へ」。
平安時代、当時の記録の一つに「御堂関白記」というものがあります。
「御堂関白日記」とも呼ばれます。
実はこれ、藤原道長本人が書いた日記です。
おまけに本人の直筆の記録が今に残っている珍しい記録です。
彼は結構な筆まめであったらしく、この記録がかなり膨大な量で、現代訳に翻訳されたものでも数千ページになってしまいます。
今刊行されているのは解説本的なモノが多く、私もそういった解説本でこの話を読みました。
元々がとても長い記録です。
解説本でもなかなか読みごたえがあります。
御堂様でも関白でもなかった道長
「御堂関白記」となっていますが、道長自身は関白にはなっていなかったと言われています。
もちろん、後の世に伝わってからタイトルは付けられました。
御堂というのは道長が晩年、法成寺無量寿院を建立した事から付けられたニックネームのようなものです。
このニックネームも後の世に付けられました。
道長が生前に「御堂さん」とか「御堂殿」とか呼ばれていたという事ではなさそうです。
実はこの記録は日記という体裁ですので道長にとってもプライベートなモノだったと思われます。
道長自身もこの日記が後の世に遺る事を心良しとしていなかったらしく、処分してほしいとかなりきつく遺言しています。
ですが、いざ道長の死後、この日記を処分するという勇気がある人が一人もおらず、今に残ってしまったのです。
当時の道長の権力は誰も逆らえるようなものではありませんでした。
誰にも憚る事のない強すぎる権力を持ったまま死を迎えた道長が書いたものを手にかけるだなんて事は恐ろしくて出来なかったのです。
おまけに当時は陰陽道など強く信じられていた時代です。
「祟られるのでは?」「呪われるのでは?」と本気で思われていたことでしょう。
そんな偶然が重なってこの「御堂関白記」は現代に伝わる事になりました。
遺したくなかった日記が世界中へ
この記録が平安時代当時を知るにあたって非常に貴重な資料である事は間違いないのですが、「道長本人の肉筆」が残っている事が非常に珍しいという事で評価されています。
ユネスコ記憶遺産として登録された理由もまさに「現存する最古の本人の肉筆」である部分が評価されたと言われています。
道長本人は処分してほしいと思っていたのに1000年の時を超えて、うっかり世界中に知れ渡るという事になろうとは思いもしなかったでしょう。
平安文学が好きな人達の間では、「残したくない日記がまさか世界中に知れ渡っちゃうなんて道長も思わなかったでしょうね」と笑い話になっていました。
そんな事を想いながら、この御堂関白記を読まれると楽しいかもしれません。
道長本人は残したくなかった日記でしたが、偶然が重なり今に遺りました。
御堂関白記
本編は数千ページに及ぶので
解説本がおススメです。
放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実