光る君へ~第4回~五節の舞姫

(4)五節の舞姫 - 大河ドラマ「光る君へ」

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(4)五節の舞姫
初回放送日：2024年1月28日
互いに身分を偽ってきたまひろ（吉高由里子）と道長（柄本佑）だったが、まひろはついに素性を明かす。道長も真実を語ろうとするが…その頃、円融天皇（坂東巳之助）の譲位を知った詮子（吉田羊）は挨拶のために謁見するが、思いもよらぬ嫌疑をかけられる。ある日、まひろは倫子（黒木華）からの依頼で、即位した花山天皇（本郷奏多）の前で五節の舞を披露する舞姫に選ばれる。そこでまひろは驚愕（がく）の真実を知ることに…

https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/episode/te/QWJQJM8KM1/

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すべてを知った詮子様

詮子が可哀想な1話でした。
帝を夫として敬愛していた詮子。
寵愛がなくなっても、毛嫌いされるようになっても帝への思いはあった詮子。

帝から「お前が毒を盛ったのだろう」と言われ、扇を投げつけられ、頬から血が流れるほどです。
そこまでされても詮子は言い返すわけでも殴り返すわけでもありません。
ただ、察しただけです。

詮子は東三条の自宅に帰ってすぐに父と兄を詰問します。
父・兼家はとぼける。
長兄・道隆は知らない風だったが、父を庇う。
次兄・道兼の顔を見て知っていると察する。
弟・道長はまるで何も知らない。

ここで詮子の気持ちが決まったんだなと思いました。
この後、詮子の子供が皇太子(東宮)になって天皇(帝)になります。

詮子が国母(天皇の母)となった後もこの事が引っ張られたという事であろう事は史実とうまくリンクします。
脚本の妙によるものですが、これが史実じゃないかと思うくらい良く出来た話になっています。

詮子の子供が天皇になり入内したのが道隆の娘と道長の娘です。
つまり伯父甥、いとこ同士という近い縁戚の中で婚姻が結ばれた事になります。

東三条の屋敷の庭先で遊んでいた詮子の子供(当時の親王)と道隆の娘・定子が仲睦まじい夫婦になりますが、定子の産んだ子は天皇にはなりません。
紆余曲折あるのですが、国母である詮子もかなりの影響力があったという事を考えると、詮子にしても夫との仲を違えた父や兄よりも何も知らずに仲が良かった道長の孫に次の天皇をと考えるのも普通のような気がします。
道長と詮子が比較的仲の良い姉弟だっただろうという表記がありますが、この脚本の持って行き方は面白いと思いました。

花山天皇のサイコっぷり

円融天皇の後に即位したのは花山天皇でした。
この人も中継ぎの天皇で、藤原兼家にしてみれば、さっさと退位させて孫に即位させたいわけです。
この孫というのが詮子の産んだ子供です。

ここで花山天皇の人となりについて考えてみます。
花山天皇のサイコっぷりは劇中でも再現されていますが、古典の「大鏡」「栄花物語」にもこのような記述はあります。
ですが、こういった事は藤原家を正当化するためにわざと悪く書かれているんじゃないかというのが通説で私もこの説を推します。

文書にも残っているけれど、多分創作な事一覧
花山天皇のサイコっぷりは
女癖が悪かった
奇行が多い
即位の際にもその辺の侍女を押し倒した
叔父や乳母の息子の烏帽子を取った(パンツを脱がされたくらいの屈辱)
などなどです。

花山天皇が可哀想なのはこうやって「退位させられて当然」という話をつくられてしまった事です。
皇太子時代には自分の後ろ盾の貴族が早世してしまっていてその身分を保証してくれる人がいなかったからです。
次の帝である立場でいながら正式な妻が有力な貴族の中から入ってくることもなかったのです。
そんな中で自分が即位した時に入内した忯子（よしこ）の事を深く愛していたという記述があります。
これらの経緯を考えると自分に正式に嫁いでくれた忯子（よしこ）の事はとても気に入っていたという事もあながち創作ではないように思います。
それだけ信用できる人もいなかったという事なのでしょうが…。

本来の花山天皇は孤独な青年時代を過ごしてマジメな人ではなかったかと思ってしまいます。
それも、花山天皇は忯子を失ってしまいますが、その後に出家してしまうからです。
そんな純粋な人がここまで酷いサイコっぷりを発揮するのは矛盾するような気がします。
*飽くまで私見です。

五節の舞姫

このタイトルの「五節の舞姫」ですが、本来はこの五節の舞姫は未婚の女の子たちの晴れ舞台です。
この時代の未婚の女の子と言えば、小学生か中学生くらいなのでちょっと年増な感じがしますね。
この大河ドラマのフィクション部分だと思われますが、まひろが五節の舞姫となったというのもあんまり考えられない事ですしね。

まひろが仲良くなったという源倫子は道長の嫡妻となる女性です。
この女性と道長の間に生まれた彰子にまひろが家庭教師になるというのがこれからの筋がきです。
左大臣家の姫である倫子がこの時点で結婚していないのはいずれ帝の后にという考えもあったからだというのが妥当です。
（左大臣家というのは関白の次くらいに偉い家です）
ですが、最終的に道長を婿に迎えるという事は権力闘争があったという事なのです。
左大臣家としても、娘が産んだ子供を入内させてその子供が帝位に就いてくれた方が盤石だからです。

竹取物語

倫子のサロンで「竹取物語」の事が語られます。
かぐやひめのお話です。
このお話はかぐや姫が求婚者たちを振って月に帰っていくというお話です。
その求婚者の中には帝もいます。
帝からの求婚も無視して月に帰ってしまいます。
このお話にまひろは「かぐや姫にはやんごとない人々への怒りやさげすみがあったのではないかと思います」と赤染衛門の問いに答えます。
左大臣家のような高貴な人の家でこういう話をしてしまうまひろに倫子は上手に冗談で交わしますが、実はこのまひろの解答はそんなに的を外れたものではなかったのです。
竹取物語は高貴な人々が次々に振られるのは「竹取物語」を書いたのが藤原家への復讐ではないかという説があるからです。

竹取物語についてはこちらを。

紀行：岩手県奥州市 歴史公園えさし藤原の郷

【岩手県奥州市】歴史公園えさし藤原の郷

【寝殿造】
平安貴族たちの住居として知られる寝殿造（しんでんづくり）。
国風文化が発展する中で生まれたに日本独自の建築様式です。
寝殿造の建物で生活を送る貴族たちの姿を絵巻物の中で観る事ができます。
寝殿造は時代の移ろいとともに衰退。
平安時代当時の住居は今は残っていません。
岩手県奥州市にある歴史公園には寝殿造を再現した建物があります。
屋内には壁がほとんどなく開放的なスペースが広がっています。
季節の変化や行事に合わせて御簾や屏風などで空間を仕切っていました。
寝殿と呼ばれるメインの建物の前に池を擁する大きな庭がある事も特徴の一つ。
貴族たちは池に舟を浮かべる遊びを行ったり季節の儀礼を行ったりするなど庭を接待の場として活用しました。
寝殿造には自然と調和の大切にする平安の人々の心が込められているのです。

大河ドラマ「光る君へ」～第４回「五節の舞姫」より

かなり大きな歴史公園のようですね。
寝殿造の大きさが体感できるのが羨ましいです。
私も行ってみたいです。

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キャスト&スタッフ

大河ドラマ「光る君へ」

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キャスト

登場人物
紫式部（むらさきしきぶ） / まひろ	吉高由里子 （幼少期落井実結子）	主人公。
藤原為時（ふじわら の ためとき）	岸谷五朗	紫式部の父。
ちやは	国仲涼子	紫式部の母。
藤原惟規（ふじわら の のぶのり）	高杉真宙	紫式部の弟。
藤原宣孝（ふじわら の のぶたか）	佐々木蔵之介	紫式部の夫。
乙丸（おとまる）	矢部太郎	紫式部の従者。
いと	信川清順	惟規の乳母。
藤原家（九条流）
藤原道長（ふじわら の みちなが）	柄本佑 （幼少期木村皐誠〈三郎〉）	兼家の三男。 (異母兄を含めると五男）
藤原兼家（ふじわら の かねいえ）	段田安則	道長の父。
時姫（ときひめ）	三石琴乃	兼家の正室。道長・道隆・道兼・詮子の母。
藤原寧子（ふじわら の やすこ）	財前直見	兼家の妾。道綱の母。
藤原道隆（ふじわら の みちたか）	井浦新	道長の兄、兼家の長男。
藤原道綱（ふじわら の みちつな）	上地雄輔	道長の異母兄、兼家の次男。
藤原道兼（ふじわら の みちかね）	玉置玲央	道長の兄、兼家の三男。
藤原詮子（ふじわら の あきこ）	吉田羊	道長の姉。一条天皇の母。
高階貴子（たかしな の たかこ）	板谷由夏	道隆の妻。
藤原定子（ふじわら の さだこ）	高畑充希	道隆の長女。
藤原彰子（ふじわら の あきこ）	見上愛	道長の長女。
藤原頼通（ふじわら の よりみち）	渡邊圭祐	道長の長男。
藤原伊周（ふじわら の これちか）	三浦翔平	道隆の嫡男。
藤原隆家（ふじわら の たかいえ）	竜星涼	道隆の次男。伊周、定子の弟。
源明子（みなもと の あきこ）	瀧内公美	道長の妾。
百舌彦（もずひこ）	本多力	道長の従者。
藤原義懐（ふじわら の よしちか）	高橋光臣	花山天皇の叔父。道長らの従兄弟。
藤原顕光（ふじわら の あきみつ）	宮川一朗太	道長の従兄弟。
平惟仲（たいら の これなか）	佐古井隆之	兼家の家司。
宇多源氏
源倫子（みなもと の ともこ）	黒木華	道長の嫡妻。
源雅信（みなもと の まさのぶ）	益岡徹	倫子の父。左大臣。
藤原穆子（ふじわら の むつこ）	石野真子	倫子の母。
宮廷貴族たち
藤原実資（ふじわら の さねすけ）	秋山竜次	道長の先輩。
藤原公任（ふじわら の きんとう）	町田啓太	一条朝の四納言。
藤原斉信（ふじわら の ただのぶ）	金田哲	一条朝の四納言。
藤原行成（ふじわら の ゆきなり）	渡辺大知	一条朝の四納言。
源俊賢（みなもと の としかた）	本田大輔	一条朝の四納言。
藤原頼忠（ふじわら の よりただ）	橋爪淳	公任の父。関白。
藤原為光（ふじわら の ためみつ）	阪田マサノブ	兼家の異母弟。大納言。
源重信（みなもと の しげのぶ）	鈴木隆仁	雅信の弟。中納言。
藤原文範（ふじわら の ふみのり）	栗田芳宏	公卿、学者。中納言。
天皇・皇族
円融天皇（えんゆうてんのう）	坂東巳之助	64代天皇。
花山天皇（かざんてんのう） / 師貞（もろさだ）	本郷奏多	65代天皇。
一条天皇（いちじょうてんのう） / 懐仁（やすひと）	塩野瑛久	66代天皇。道長の甥。
三条天皇（さんじょうてんのう） / 居貞（いやさだ）	木村達成	67代天皇。道長の甥。
藤原忯子（ふじわら の よしこ）	井上咲楽	花山天皇の深い寵愛を受けた女御。 17歳という若さで早逝。 天皇の出家のきっかけとなる。
藤原遵子（ふじわら の のぶこ）	中村静香	公任の姉。
宋
朱仁聡（ヂュレンツォン）	浩歌	宋の商人。
周明（ヂョウミン）	松下洸平	宋の見習い医師。
その他
清少納言（せいしょうなごん） / ききょう	ファーストサマーウイカ	紫式部のライバル。
赤染衛門（あかぞめえもん）	凰稀かなめ	女流歌人。
安倍晴明（あべ の はるあきら）	ユースケ・サンタマリア	陰陽師。
直秀（なおひで）	毎熊克哉	散楽の一員。
さわ	野村麻純	紫式部（まひろ）の友人。
絵師	三遊亭小遊三	文や歌の苦手な者のために代筆業を営む男。

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スタッフ

脚本：大石静

音楽：冬野ユミ

テーマ音楽「Amethyst」 演奏：反田恭平（ピアノ）、朝川朋之（ハープ）、広上淳一（指揮）、NHK交響楽団

語り：伊東敏恵

タイトルバック映像：市耒健太郎

題字・書道指導：根本知

制作統括：内田ゆき、松園武大

プロデューサー：大越大士、高橋優香子

広報プロデューサー：川口俊介

演出：中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう ほか

時代考証：倉本一宏

風俗考証：佐多芳彦

建築考証：三浦正幸

芸能考証：友吉鶴心

平安料理考証：井関脩智

所作指導：花柳寿楽

衣装デザイン・絵画指導：諫山恵実

漢詩考証：赤井益久

和歌考証：高野晴代

殺陣指導：鎌田栄治

馬術指導：田中光法

雅楽指導：稲葉明徳

陰陽道指導：高橋圭也

アクロバット指導：加藤学

医事指導：星野卓之

囲碁指導：甲田明子

ネット配信はこちら

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