
源内先生亡き後、蔦重は新たな一歩を踏み出す――。
耕書堂の成長と再登場キャラの意外な展開に目が離せません。
第17話、感情も笑いも詰まった見どころ満載の回でした。

(17)乱れ咲き往来の桜
初回放送日:2025年5月4日
蔦重(横浜流星)は新之助(井之脇海)と再会し、子どもが読み書きを学ぶ本、“往来物”に目を付ける。一方、意次(渡辺謙)は落成した相良城を視察するためお国入りする。
第17話は“雑談会”を挟んでスタート
源内先生の獄死を描いた第16話の次は、キャストたちの「雑談会」をはさみ、後半の第17話となった今回。
やはり、源内先生は帰らず……。
残された蔦重は、今度はプロデューサーとしても能力を発揮します。
モテ期到来!?蔦重の人気ぶり
人気になった芝居の主役が蔦重ということで、女の子に「キャ〜キャ〜」言われ出していましたね。
蔦重役の横浜流星さんは、ものすごい男前で起用されたはずなのですが、第17話にしてようやくその男前っぷりを発揮したと思います。(イケメンという意味で)
耕書堂、急成長と圧力のはざまで
芝居のモデルのイケメンがやっている本屋ということで、「耕書堂」も吉原の外部から女の子のファンたちがやってくるような人気っぷりです。
これに蔦重は喜ぶものの、調子に乗らないところがプロです。
耕書堂として急成長していきますが、そうなるとやっぱり外部からの嫌がらせは相変わらずでした。
江戸市中の本屋さんたちは、彫師が蔦重の仕事を受けないように圧力をかけるという卑怯なやり方をします。
足抜けカップル再登場!新之助とおふく
そんな中でやってきたのが、まさかの新之助です。
確か、女郎の「うつせみ」との2回目の駆け落ち以来、見つかっていなかった人です。
なんと百姓として働いているというのです。
「吉原の足抜け」は、男は博打打ちになるか、女はまた身を売るような終焉を迎えるものですが、彼らは意外に真っ当な人生を歩んでいることになります。
女郎の「うつせみ」は「おふく」という名前で、普通に百姓の妻をやっているというのも面白い演出でした。
この新之助と「おふく」は大河のオリジナルキャラなので、ストーリーなどはまったくのオリジナルだと思いますが、足抜けした女郎でもこんな幸せな人生があったら良いなと思いました。
「往来物」の発見が次のヒットに?
新之助が江戸にもどってきたのも、源内先生の墓参りに来たということだったのですが、源内先生は罪人として獄死しているので、この時点では墓もなかったというのが史実です。
ですから、新之助は江戸に来たのに本来の目的は果たせなかったということです。
ただし、馴染みの蔦重に会いに来て、江戸で噂になっている蔦重の本を土産に妻の元に戻ろうとしていたのでした。
この時に、百姓たちの間でも貸本屋が流行っていることや、新之助自身も子供たちに読み書きを教えていることを知ります。
ここで「往来物」というジャンルの本が出てきます。
私もこの言葉は初めて知りました。
今で言うと「教科書」くらいの意味で使われる本のジャンルだそうです。
新之助が子供たちに読み書きを教えているということで、「この本は売れる!」と蔦重が直感的に思ったということなんでしょうね。
女将の制裁!?吉原ルールの厳しさ
山村紅葉さん、またも登場です。
その画面の破壊力もさらなることながら、蔦重に絡む女郎を引きはがす役目が面白かったです。
蔦重は吉原の女郎には一切手を出さないわけです。
それを分かっていて女郎側はちょっかいを出すわけですが、おかみさんの山村紅葉さんは許しません。
(注:山村紅葉さんが演じる女将さんが、という意味です。念のため)
それに、吉原の中で何か男女問題があがった場合は、罰せられるのは男性側だけだったと言います。
これは、女性側が女郎で大事な商品だったためです。
だからこそ、山村紅葉さんも蔦重にきつく当たるわけです。
「うちの商品に手を出すな!」くらいの意味があったのだと思います。
唐丸、ついに復活の兆し!
さて、第5話で行方不明となっていた唐丸が、絵師になって戻ってくるのでは?というようなエンディングで終わりましたね。
無事だったんですね。
良かった!
どんな大人になっているでしょう。
次回が楽しみです。

巷の噂ではこの唐丸が喜多川歌麿と関係があるのかもとも???
各話リスト

今までのお話の感想を書いています。
たまに蘊蓄も追加しています。
よろしかったらどうぞ。
第1話「ありがた山の寒がらす」
第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸」
第3話「千客万来『一目千本』」
第4話「『雛形若菜』の甘い罠」
第5話「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」
第6話「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」
第7話「好機到来『籬(まがき)の花』」
第8話「逆襲の『金々先生』」
第9話「玉菊燈籠恋の地獄」
第10話「『青楼美人』の見る夢は」
第11話「富本、仁義の馬面」
第12話「俄(にわか)なる『明月余情』」
第13話「お江戸揺るがす座頭金」
第14話「蔦重瀬川夫婦道中」
第15話「死を呼ぶ手袋」
第16話「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」
関連書籍一覧

ドンドン追記していきます。
私も精読中。
また、感想の方も上げて行きますのでお楽しみに!