宇宙兄弟44巻~最終章・ムッタ宇宙空間へ放り出される

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グレース
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宇宙兄弟が「最終章」に入っての最新刊。
今回は44巻についてちょこっとだけ感想を書いていきます。

装丁は宇宙空間に放り出されてしまったムッタの表情だと思われます。
(内容を読んでの私の感想です)

危険な船外活動

何を書いてもネタバレになってしまいますが…。
命がけの船外活動、兄弟がその任務に就きます。
この任務にあたって兄弟の両親に連絡が行っています。
それはもし、このミッションが失敗した場合、兄弟二人の命を一気に失ってしまう可能性もあるからです。

笑顔で送りだしていた両親でしたが、さすがに宇宙に投げ出されてしまった息子の報を聞いて心配でたまりません。
陽気で元気で明るいムッタとヒビトの両親が、せりかさんから第一報を告げられた時にさすがに暗い顔をし、生きて帰れるかどうかを問うシーンは辛いものがあります。

ムッタが、死ぬかもしれない状況になったのはヒビトをかばって自分の命綱がもげてしまったからです。
宇宙空間に放り出されてしまったのは、ムッタがヒビトを救いたいと思った気持ちからでした。

ここからが、地上にいる世界中のクルーたちのバックアップが始まります。
世界中のこのミッションに参加している地上の人達が国を超えて協力し、ムッタを助けるために動き出します。

アポロ13号

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ここで、ちょっと「アポロ13号」の蘊蓄を書いて行こうと思います。

「アポロ13」は、1970年に行われたアメリカ航空宇宙局(NASA)の月探査ミッションであり、有名な宇宙船の名前でもあります。このミッションは、月面着陸を目指したが、宇宙船に重大な故障が発生し、月面への着陸を断念せざるを得なくなったことで知られています。

  • ミッション: アポロ13号は、1970年4月11日に打ち上げられました。目標は月面着陸でしたが、宇宙船オデッセイ号(Command Module)と月着陸船アクエリアス号(Lunar Module)が月に近づく前に、オデッセイ号で爆発が発生しました。
  • 故障と帰還: 爆発により、オデッセイ号の生命維持システムが大きな損傷を受け、乗組員の生命が危機にさらされました。しかし、クルーは冷静に対応し、アクエリアス号を使って月周回軌道から地球へ帰還するための手段を見つけました。
  • 地球帰還: 乗組員は数日にわたる緊急対応と作業を経て、地球への帰還軌道を計算し、無事に帰還しました。このミッションは、NASAの危機管理能力と宇宙飛行士の冷静な対応力を称賛される出来事として記憶されています。

この出来事は後に映画化され、1995年に公開された映画「アポロ13」(Apollo 13)として広く知られるようになりました。

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つまり、アポロ13号は月面着陸は出来なかったものの、重大な事故がありながら帰還できた奇跡だったのです。

ジーン・クランツの功績

宇宙兄弟のシリーズでは、注目されるのは宇宙飛行士だけではありません。
その設計やバックアップ、地上から指令を出すクルーたちにも注目されます。
彼らのバックアップがあってこそ、宇宙飛行士は宇宙に出る事が出来て地球に帰ってくることができるのです。

映画「アポロ13号」の中でも描かれますが、地上のクルーたちは精鋭ぞろいです。
狭い宇宙船の中で、あるものだけで処理をしなければなりません。
何があるかを把握して、それらを工夫し、危機を回避しなければならないのです。

アポロ13ミッションで地上から指令を行った人物の一人として特に有名なのは、フライトディレクターのジーン・クランツ(Gene Kranz)です。
彼はNASAのミッションコントロールセンターで指揮を執り、乗組員の安全な帰還に重要な役割を果たしました。

ジーン・クランツは、その時のフライトディレクターとして、冷静かつ的確な判断を下し、地上のチームをリードして乗組員を救うための緊急対応策を考案しました。
彼のリーダーシップとチームの努力が、アポロ13の成功した帰還を支えました。

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1970年のアポロ13号の事故での帰還は「ジーン・クランツの功績」としばしば称えられるのはこういう背景があります。

宇宙に放り出されたムッタ

今回、ムッタは単身、命綱が外れて一人で放り出されてしまいます。
この時点で「死」を思い起こすのは無理からぬことです。
酸素も尽きてしまえばそこで終わりです。

ここで、地上のクルーたちはNASAやJAXAだけではありません。
ムッタやヒビトに少しでも関わった人たちが助けようと動き出しています。
最終的に指示を出すのはNASAのバックアップクルーなのですが、世界中の関係者たちが知恵を絞っています。
その中にはロシアの関係者もたくさんいます。
宇宙開発には世界平和が不可欠である事を物語っていると思います。

通信も途切れてしまったムッタの現在地点を割り出すのも簡単な仕事ではありません。
ムッタの動きと軌道がどうずれるか、少しでも違うとムッタを見つけることすらできません。

今の技術では簡単と思うかもしれませんが、想像してみてほしいのです。
例えばお風呂のお湯の中に一滴の水を垂らしてみてください。
その水がどれかを見つけることが出来るでしょうか?
それほど難しい事を彼らは宇宙空間でしようとしているのです。

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ムッタの救出の是非は次巻以降に持ち越されましたが、ムッタを助けようと世界中の人達が協力するその姿を皆さんも確認してほしいです。

心のノート

特装版には心のノートが付いています。
3冊目になります。
この3冊目が最後の心のノートです。
宇宙兄弟の名言を集めたシリーズで最終巻は彩色が施されたフルカラーで登場人物ごとに分けられた仕様になっています。
今までの登場人物のおさらいになるような感覚で読んでみるのも良いと思います。

  • 1冊目が「ムッタ」
  • 2冊目が「ヒビト」
  • 3冊目が「ムッタとヒビト」

それぞれ発売された経緯が違うのでこちらに詳細を書いておきます。
よろしかったらご覧くださいね。

1冊目は一般の書籍として発売されました。
アニメ化、映画化の時期に
発売された事もあり
大ベストセラーでした。

2冊目は38巻の特装版です。
表紙がヒビトで金色の装丁
(画像がなく申し訳ないです)

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