平安時代の3人の女性作家にフォーカス!
新春スペシャル 百花繚(りょう)乱! 平安・王朝文学 女性作家たちの“リアルな生き方”
初回放送日: 2024年1月8日紫式部だけじゃない!清少納言に藤原道綱母…平安時代にはきら星のごとく女性作家たちが登場した。ハラス メント、恋愛、結婚、子育て、生きがい…彼女たちの人生には千年の時を超えて今の女性たちにも響く知恵が詰まっていた。作家・高樹のぶ子、大河ドラマ「光る君へ」に出演するファーストサマーウイカが自在に語り尽くす。一見すると難しそうな作品も実は「暴露本」だった?古典の楽しみ方も見えてくる。
https://www.nhk.jp/p/chieizu/ts/R6Z2J4WP1Z/episode/te/WPKPKW15PY/
元日に放送予定でしたが、延期になって1週間後の1月8日が初放送です。
3人の平安女性作家とは「紫式部」「清少納言」「藤原道綱の母」の3人です。
3人の代表作
紫式部「源氏物語」
清少納言「枕草子」
藤原道綱の母「蜻蛉日記」
女性文学に共通するもの
かな文字が普及し、女性が気軽に書けるものになった。
紫式部
2024年大河ドラマの主人公「紫式部」は越前と縁があります。
それは父親の赴任先が越前で同行していたからです。
政変で父は無職になる→姉の死→越前へ同行
漢文が出来るからと言って発音まで分かっていたかは微妙ですし、そもそも越前に赴任したのは「下国の淡路」が嫌だと帝に奏上してその時の和歌が評価されて「上国の越前」に行ったというのが通説だと思います。
まあ、ほかにも説があるんですけれどね。
紫式部が源氏物語を書き始めたのがこの頃なのです。
ちょっとずつ書いて友達に見せて回し読みしたのがきっかけで時の権力者・藤原道長の目に留まって宮中にスカウトされるわけです。
越前の風土や風習、都を離れたことで客観的に「都」を観る事が出来たので物語が書けたと言います。
清少納言と紫式部の共通点
父親が文学に通じている
受領階級(*)である
宮中に出仕する(バリキャリ)
*「受領」(ずりょう)とは今で言う都道府県知事みたいなものです。
貴族から選抜されて各地に派遣されました。
清少納言の枕草子
清少納言はあけすけに枕草子を書いた女性です。
「枕草子」は今で言うエッセイですね。
「春はあけぼの」という出だしが有名ですが、これも独特です。
「春は桜」と言いそうなところを、「春はあけぼの」なのです。
「お坊さんはイケメンが良い」とか「知ったかぶっている人は最悪」などです。
「春はあけぼの」の魅力に初めて気が付きました。
清少納言は和歌が上手なお父さんがいます。
清原元輔と言って「六歌仙」という「六人の歌の上手な人」という意味です。
そのお父さんの下で自分も文学に触れて和歌も上手で文章の達人で賢い女性であった清少納言。
最初は宮中にうまく打ち解けられなかった所に「香炉峰の雪は」と定子(ていし)に訊ねられてすだれをあげた事で一気に打ち解けます。
(すだれをあげたのは清少納言自身ではなくてそばの女官に指示したもの)
これで清少納言にとって定子はもうキラキラした尊敬のアイドルのような存在になります。
定子の事は終始ベタボメですが、本当にそう思っていたのだろうなと思います。
でも、定子は清少納言よりも10歳も年下だったのです。
そんな定子が「香炉峰の雪」の下りを知っているのが、知的で教養が豊かであると言えますね。
ちなみに「香炉峰の雪」というのは中国の白楽天です。
*白楽天は白居易の事です。
紫式部は清少納言の才能に嫉妬していた?
清少納言と紫式部が同じ時期に対面していたとは考えにくいと思われています。
清少納言が宮中から退いた後に紫式部が入ったと言われています。
ですから、紫式部はとっくに宮中にいない清少納言の名声がそこにあるので嫉妬していたのではないかというのが番組の趣旨です。
紫式部日記には清少納言の悪口が結構書かれています
藤原道綱の母って誰?
藤原ばかりで誰が誰かさっぱり分からないのでここで整理しておきます。
「蜻蛉日記」を書いた「藤原道綱の母」はその名の通り、「道綱の母」なのですが、「道綱って誰やねん」って思いますよね?
道綱は「光る君へ」の主要人物の一人、藤原道長の異母兄になります。
つまり、道綱の母にとって夫は「兼家」な訳ですね。
道綱の母は美人で頭が良くて裁縫や染め物も上手。
この時代の条件の整った女性です。
めちゃくちゃモテたし、自分も自意識過剰なくらい自信があったのです。
自分を高く評価しているようですが、これでは人には嫌われます。
蜻蛉日記は自分は最高級の女だったのに本妻(嫡妻)にはなれなかったボヤキのような日記が綴られます。
「道綱の母」が本妻になれなかったのはまさに道綱が男の子だったからです。
藤原家は女の子を帝の后にしてその子供を帝位につかせることで権力を保っていたので女の子に恵まれなかったので本妻にはなれなかったのです。
この番組の中では「高貴な女性が体験した話」として他の人が興味を示すと思って「人が興味を持ちそうな部分だけを抜き出していたのでは?」という結論になりました。
タダのぼやきの日記だと思っていましたが、意外に商魂たくましい話でこれの説は意外でした。
感想
平安文学が花開いた女性文学には随分親しんできたと思っていましたが、着眼点が違えば楽しめる方向がまだまだありそうに思いました。
この先も「光る君へ」が楽しみになってきました。
放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実