三条天皇と道長の覇権争いは更に悪化します。
道長はとうとう病に倒れ、まひろは道長を見舞う事になります。
その場所は「宇治」
「源氏の物語」最終章へ突入???
(42)川辺の誓い
初回放送日:2024年11月3日
宮中で、道長(柄本佑)と三条天皇(木村達成)が覇権争い。道長は娘・妍子(倉沢杏菜)を三条天皇の中宮にするも、三条天皇は長年付き添った東宮妃・すけ子(朝倉あき)を皇后にすると宣言。そこで道長は権力を誇示するため、ある計画を立てる。しかし体調に異変が…。一方、まひろ(吉高由里子)は里帰り中に、娘の賢子(南沙良)がケガをした双寿丸(伊藤健太郎)を連れているところに出くわし…
道長と三条天皇の覇権争い続行中
三条天皇は引き続き、道長との覇権争いを実行中です。
道長にとっても三条天皇は「甥」なのですが、道長は自分の思い通りにならない三条天皇よりも「孫」を帝位に付けて政治を思い通りにしたいという思惑が強いのです。
一方で三条天皇は25年の長い間、東宮として我慢してきたのですから、道長の思い通りにされてなるものかという意地もあります。
まさかの「一帝二后」再び
道長の娘の妍子を中宮にすることを同意します。
そして、中宮彰子を皇太后に格上げする事にもしました。
*彰子も妍子も道長の娘です。
そんな中で三条天皇にとって長年寵愛してきた娍子を皇后にすると言い出します。
娍子には道長のような大貴族の後見はありません。
その地位にあっても、惨めな思いをするだけでしたが、三条天皇はそれを決行します。
一条天皇の時代にも「一帝二后」を実行したのは道長です。
この時には皇后定子と中宮彰子が二人が后として立ったのです。
そして三条天皇には皇后娍子と中宮妍子の二人が后となる事になりました。
ですが、立場としては皇后の方が一番上なはずですが、道長の権力を恐れて主だった貴族は皇后の儀式には来ません。
やっと来たのが大納言の藤原実資だけでした。
三条天皇は儀式をするために実資に頼み込んで上卿(じょうけい)になってもらいます。
それほど、皇后娍子には後ろ盾がなかったのです。
*上卿(じょうけい)とは朝廷の会議や儀式の責任者
本来なら内大臣か右大臣が行う。
実資はその下の大納言なので異例であった事が伺える。
中宮妍子にはお渡りがない
中宮となって内裏にも入った妍子でしたが、相変わらず三条天皇はお渡りになりません。
何しろ、親子ほどの年の差の二人です。
何の感情もないというのが現実的な事でした。
三条天皇にとっても道長の娘だから仕方ない。
中宮妍子にとっても、天皇だから仕方ない。
当てこすりのように中宮妍子の毎日のような宴は続くのでした。
三条天皇は道長に罰が当たると言いたげで…。
政権争いで負けっぱなしの三条天皇。
道長に対してはその息子が出家した事も嫌味のタネです。
道長の息子は父に出世を阻まれたと思い、出家してしまいます。
貴族にとってそれは「死」を意味するほどの重いものです。
ただし、経済的には貴族のお坊ちゃまが出家した場合、世俗を離れて責任はなくて良い生活が出来たと言われています。
道長も出家してしまった息子の顕信に何かと差し入れをしていましたね。
まひろは「源氏の物語」を書き終える???
まひろは源氏の物語の「雲隠」を書きます。
これは源氏物語の第2部の最終回と言われています。
源氏物語は大体3部に分かれると言う考えが通常です。
第1部:主人公が頂点に立つ日まで
第2部:主人公が死ぬまで
第3部:主人公の子どもと孫の話
今回は第2部の最終回と言ったところです。
「雲隠」というのは死ぬことを意味しますから、タイトルだけで主人公が死んだという事が分かります。
ここでまひろは「源氏の物語」を終了したはずなのですが、道長の見舞いに宇治に行くという事になります。
第3部の物語は「宇治十帖」とも言われる京都の宇治に舞台を移しての話になりますが、まひろが宇治十帖を書き始めたきっかけが道長の見舞いに行ったことだという演出がとても興味深いと思いました。
「雲隠」で「源氏の物語」の主人公の死を想起させ、「宇治」に行く事で続きの「宇治十帖」を書いたという設定になっていくようですね。
放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実