光る君へ~第39回~とだえぬ絆

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(39)とだえぬ絆 - 大河ドラマ「光る君へ」
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(39)とだえぬ絆
初回放送日:2024年10月13日
中宮・彰子(見上愛)が二人目の皇子を出産。次期皇位をめぐり公卿たちの思惑が交錯する中、道長(柄本佑)は自身の血を引く天皇の誕生を意識し始める。そして道長と敵対していた伊周(三浦翔平)の体調悪化の噂が宮中で広まる。一方、帰省中のまひろ(吉高由里子)が久々の家族団らんを楽しんでいると、賢子(南沙良)の父親が道長であることを、惟規(高杉真宙)が為時(岸谷五朗)にバラしてしまう。真実を知った為時は…

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ショックすぎて感想を書くのも憚られる回でした。
人を呪い続けた伊周にもとうとう終焉の時が!
そして、まひろ最愛の弟・惟規もこの世を去ってしまいます。
今回はこの二人に絞って書いていきます。

伊周の死

一条天皇の皇后定子の兄で栄耀栄華を極めていた伊周。
ですが、関白であった父・道隆がこの世を去って以来、没落の一途をたどってきました。
ただし、官職もある程度は復帰したし、一条天皇も伊周を優遇したい素振りを見せてきました。
トップに返り咲く事は叶わず、彼自身は不遇の中で叔父の道長を呪いまくって自分も死を迎えます。

大河では長い間、彼が呪っていたかに思いますが、実は没落して数年の期間です。
彼も思えば不遇の人生です。
若くてイケメン、文武両道とは彼の事です。
清少納言の枕草子にも彼は絶賛される宮廷人でした。
ただ一つ彼に足りなかったのは「謙虚さ」だったのかもしれません。

伊周が自分の地位に死ぬまで不満であった事に対して弟の隆家は自分の境遇を受け入れてそれなりに生きて行きます。
また、隆家は左遷先でも豊かさを満喫し、都に帰ってきてからも完全に受け入れていたなかったにせよ呪ったりもせずに現状を受け入れて行きます。
隆家はこの後、日本の救世主となるほどの人物になっていきますが、同じ境遇の兄と弟で随分な差が出てしまいました。

大河の中でも清少納言(ききょう)が伊周の死後も都人としての美しさや尊さを絶賛します。
政治的に不遇であったとは言え、一条天皇に漢詩や漢文の素養を与えたのは伊周だと言わるほどの才覚の持ち主です。
学者肌の高階家の母を持つ伊周は文字通りイケメンで才能豊かな人間であった事は間違いないと思われます。

伊周と隆家は決定的に別の道を進みますが、兄の死に悲しんだ様子が大河ではよく描かれていたと思います。
兄の死後、鈍色(にびいろ)の衣装を着て道長の前に出る姿も、かつてのやんちゃな隆家とは違い、やはりそれでも兄や家族を愛していたと受け取れる演出でした。

惟規の死

まひろの弟、惟規も死んでしまいます。
一貫して「姉に比べて劣る」ような描写が多かった惟規ですが、和歌の達人で歌集が残るほどの人物です。

彼の辞世の句は「みやこには恋しき人のあまたあればなほこのたびはいかむとぞ思ふ」というものです。
意味は「都には大好きな人がいっぱいいる。もう一度会いたいな…」という感じにとらえたら良いです。

この辞世の句を読むときに父の為時は「紙」を所望した自分の息子が「いよいよ辞世の句を書くのか」という事を思ったと言われています。
辞世の句の末尾の「思ふ」の「ふ」の字が涙でにじんで書けなかったとか、ここで力尽きて「ふ」の字が書けなかったというのが残っている文献から分かります。
このシーンを高齢の為時パパがどう演じるのかと思いましたが、やはり自分の息子を見送らなければならなかった父の悲哀が伝わってきます。

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惟規の死はまひろにも大きなショックを与えました。
そんな惟規が道長には生前に「姉の事をよろしく」と言えるような描写があったのも大河ならではでっても興味深いモノでした。

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放送リスト

第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日

源氏物語一覧リスト

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紫式部の書いた「源氏物語」

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キャスト一覧

主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ)   吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが)   柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき)   岸谷 五朗
ちやは   国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり)   高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ)   段田 安則
時姫 (ときひめ)   三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか)   井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね)   玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ)   吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ)   板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん)   ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら)   ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ)   黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ)   瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ)   秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう)   町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ)   金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり)   渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた)   本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ)   益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ)   石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ)   橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか)   佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ)   高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ)   見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか)   三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう)   坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう)   本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう)   塩野 瑛久
直秀 (なおひで)   毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん)   凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる)   矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ)   本多 力
いと   信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな)   上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ)   財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ)   竜星 涼
さわ   野村 麻純
絵師 (えし)   三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ)   井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか)   高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう)   木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ)   宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン)   浩歌
周明 (ヂョウミン)   松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎

スタッフ一覧

脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実

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