光る君へ~第10回~月夜の陰謀

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(10)月夜の陰謀 - 大河ドラマ「光る君へ」
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(10)月夜の陰謀
初回放送日:2024年3月10日
兼家(段田安則)は道長(柄本佑)たち一族を巻き込んで、秘密裏に花山天皇(本郷奏多)を退位させ、孫の懐仁親王(高木波瑠)を擁立する計画を進め始める。その頃まひろ(吉高由里子)は、家に帰ってこない為時(岸谷五朗)を案じ、妾の家を訪ねてみる。そこには身寄りもなく最期を迎えようとしている妾の看病をする為時の姿があった。帰宅したまひろのもとに道長からの恋文が届く。まひろは道長への文をしたため始めるが…

https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/episode/te/1YNGJ55ZN3/

月夜の陰謀

いよいよ花山天皇出家の回。
どうやって騙されるであろうと興味津々でした。

いきなり、安倍晴明が「決行の日」を兼家に提示します。
これが真夜中に行われていて「うしこく」な訳です。
「丑の刻参り」でも名前が知られる「丑の刻」ですが、午前1時から午前3時までの2時間くらいのことを言います。
つまり、真夜中です。
この当時は外灯もないので真っ暗なんてものではないわけです。
そして、牛車(ぎっしゃ)と言って「牛が引く車」に乗ってゆっくり行くわけですから、どんなに高級であっても乗り心地は悪い訳です。
おまけに道は整備されていませんから、道中は余程の決死の思いで行ったという事が推察されています。
この辺は平安文学の「大鏡」や「栄花物語」にも書かれている事です。
物語や史実をうまく取り込んでいて話に引き込む面白い脚本ですね。

丑の刻は午前1時から午前3時までの2時間!真夜中!

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黒幕は晴明?

安倍晴明は陰陽道から政治の裏の権力を握っていた事が今回も証明されたと思います。
花山天皇を乗せた牛車が晴明の家の前を通るというのも「大鏡」にある話です。
つまり、「こんな真夜中に牛車が通る」=「花山天皇を連れ出して出家させることに成功した」という事です。
「牛車が通った」と安倍晴明の従者が晴明に報告しますが、この一言で晴明がこの計画の首謀者だったということが分かります。
この「安倍晴明の家の前を牛車が通る」という記述も平安文学の中にある話です。

平安文学のひとつ「大鏡おおかがみ」では「牛車が通った」ことを告げたのは式神しきがみ

花山天皇が内裏を脱出する時に女性の衣を被ります。
これも周りを欺くためですが、女性の衣も上等であったので道兼の手なずけた女性に用意させるという演出も面白かったです。
衣を被った花山天皇と道兼が通りがかった女性に見つかった時も「あいびき」の振りをするなんて言うのも脚本の妙ですが面白い演出でした。

花山天皇を出家させて道兼は騙した事をあっさり認めて自分は帰ってきます。
これもこの脚本では騙した事を明確にする筋になっていますが、大鏡では「出家する前に一目父に会いたい」と言って最低限の礼儀は尽くして帰ります。
(それでも騙した事に天皇には気づかれるのですが…)

闇夜の「三種の神器」強奪や東宮をさっさと即位させるというのもすごかったですね。
「あ~あ、こんな真夜中に決行されたんだ」という事がドラマとは言え、
映像で観る事が出来たのが面白かったですね。
また、こんな夜中でないと決行は不可能だったと思います。
兼家に加担にした貴族たちはこれで栄達していきます。
*正確には三種の神器の内の「けん」と「」です。
つまりは「かたな」と「天皇のハンコ(勾玉まがたま)」です。
もう一つの神器は「鏡」で、これは伊勢神宮にあります。

この時点で天皇になる詮子の息子は一条天皇です。
詮子の兄・道隆の娘の定子がこの後・入内します。
そして、道長の娘・彰子も入内します。
詮子の下には源明子みなもとのあきこも現れましたね。
この女性が道長の妾になります。
道長は源家みなもとけの重鎮の娘を二人も妻に迎える事になります。

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フィクション部分のラブシーンに衝撃!

花山天皇の出家事件の合間に、まひろと道長のラブシーンをぶっこんできました。
道長は「かな文字」まじりでラブレターを書いて
まひろの返事は「漢詩」で書かれます。
それぞれ、出典のあるものでオリジナルのラブレターではありませんでしたが、前は道長からの手紙に返事をしなかったまひろが道長に返事を書きます。
でも、漢詩なんですね。
この辺にまひろの不器用さが表現されていますね。
更には夜中に会って東屋あずまや(みすぼらしい家)でのラブシーン…。

源氏物語では「帚木」か「夕顔」と言ったところでしょうか?
身分の低い女性との話「帚木」と何処の誰とも知らぬ女性との怪しい小屋での「夕顔」。
この辺がオーバーラップしました。
先週、いきなり亡くなった直秀の事はなかった事のようにあっさり話が進みました。

東屋あずまやでのラブシーンは源氏物語の「夕顔」を彷彿ほうふつとさせました。

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感想

まひろと道長のシーンはまるっきりフィクションなので楽しみ方はそれぞれです。
でも、SNSが大騒ぎになったのも事実で私も突っ込みながら楽しんでいました。

個人的には三種の神器を強奪して新しい天皇の下に持って行く道隆(藤原三兄弟の長男)とそれに続く道綱(蜻蛉日記の息子)が面白かったです。
おまけに道綱は途中で声をあげたり、躓いたりでした。
これがまた後の暗雲を示しているようでした。

グレース
グレース

次回はとても幼い帝が即位します。

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放送リスト

第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日

登場人物が書いた本

光る君へ~登場人物が書いた本一覧

源氏物語

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キャスト一覧

主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ)   吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが)   柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき)   岸谷 五朗
ちやは   国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり)   高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ)   段田 安則
時姫 (ときひめ)   三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか)   井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね)   玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ)   吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ)   板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん)   ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら)   ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ)   黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ)   瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ)   秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう)   町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ)   金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり)   渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた)   本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ)   益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ)   石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ)   橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか)   佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ)   高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ)   見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか)   三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう)   坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう)   本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう)   塩野 瑛久
直秀 (なおひで)   毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん)   凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる)   矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ)   本多 力
いと   信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな)   上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ)   財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ)   竜星 涼
さわ   野村 麻純
絵師 (えし)   三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ)   井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか)   高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう)   木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ)   宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン)   浩歌
周明 (ヂョウミン)   松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎

スタッフ一覧

脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実

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