
(23)雪の舞うころ
初回放送日:2024年6月9日朱(浩歌)は三国(安井順平)を殺していないと日本語で主張する周明(松下洸平)に驚くまひろ(吉高由里子)と為時(岸谷五朗)。周明が連れてきた下人が、光雅(玉置孝匡)に朱が殺したと言えと脅されていたと証言する。ほどなくして解放された朱は、為時だけに越前に来た本当の狙いを語り出す。一方で周明も、まひろに自分の過去を語り出す。ある日、宣孝(佐々木蔵之介)がまひろと為時に会いに越前にやってきて…
https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/episode/te/DWJVK7776V/

フィクションてんこ盛りのこの回でしたが、面倒なのでドラマの感想を純粋に書いていきます。
通事(通訳)死亡事件
前回の終わりで宋人の医師だったはずの周明がいきなり日本語を話し、宋人の長が冤罪である事を為時に訴え出ます。
犯人とされたの早成という日本の商人でした。
ですが、よくよく聞いてみると宋との商いをしたいために通事に賄賂を渡したものの額面が少ないと揉みあっているうちに転んで死亡してしまったのです。
事故死だったわけですね。
それでも真相を隠していたわけですから、良くないわけです。
何故、宋人の長を冤罪に仕立て上げようとしたかというと商魂たくましい宋人を野放しにすれば朝廷が損をする。
だから、この機に乗じて冤罪で陥れようとしたのです。
何とも陳腐な真相でした。
ですが、冤罪が晴れた朱も為時には真実を話します。
実は自分は宋の官吏である事を。
遭難したのではなくて交易をするためにやってきたことを。

通事の死亡の真相。
朱が日本にやってきた真相も明らかになります。
日本を攻めにやってきたわけではない事だけは良かったです。

周明、なぜ日本語が???
さて、ここで問題はもう一つ。
周明は日本語を話ししました。
まひろにも真実を話します。
実は日本で生まれて親に口減らしの為に海に捨てられて宋人の船に救われた事を。
その後、牛馬のように働かされて脱走。
宋人の医師の元に拾われて今に至る事を。
まひろと周明は心を通じ合わせたかのように感じますが、まひろの口から「左大臣」の名前が出た事で周明の眼が変わります。

終盤で周明は宋の長の朱に対して「まひろと左大臣」が何やら関係があることを示唆します。
そして、まひろに働きかけて朝廷とパイプを作るように動くことを進言します。
うまくいけば宰相の侍医に推挙してほしいと申し出ます。
でも、これらの事も何処まで本心かどうかは分かりません。

都では帝は定子を思い…。
出家してしまった定子には二度と会えない帝の元に二人の女御が入内します。
ですが、この2人の女御に会っても思い出すのは定子の事ばかり。
おまけに自分の子供にも会えません。
地団太を踏む、帝の実母の女院・詮子。
道長に愚痴ってみるものの、道長自身に「好きな人」がいた事を察し面白がります。
「やっぱり、誰かいると思っていたのよね!」と詮子は弟・道長を茶化すように言うのです。
でも、困った状況には変わりありません。
また、定子が帝の子供を身ごもっている事も事実なのです。
そして、定子には女の子が生まれます。
とうとう、帝も今までの慣例を破り、定子と娘を迎え入れます。

帝の定子がいないと悟る時の表情。
無事の出産を聞いて「会いたい」と取り次いでくれた行成に言いますが、行成は何も答えません。
「寒いから絹を送るように」の言葉にだけ行成は従います。
帝の定子への思いが変わらないのが分かるエピソードです。
ただ、こうなれば可哀想なのは帝に入内した2人の女御です。

居貞親王って?安倍晴明の呪詛?
白い装束を着て子供を抱く「親王」が出てきます。
この人は現時点で「皇太子」です。
(東宮という呼ばれ方をします)
今の帝の一条天皇のお兄さんなのに年下の弟が先に帝位につきます。
更に弟が帝の時点で自分が皇太子なのですから、年齢的に逆転していています。
非常に屈辱的な事であったと思われます。
この居貞親王は道長や詮子の姉の子供でもあります。
何とも近しい親族で覇権争いをしている事が分かると思います。
居貞親王が道長に「叔父」と呼ぶのは本当に血縁上も叔父であるからです。
恨みはあっただろうと推察されますが、この大河ドラマではここでも安倍晴明です。
一条天皇の中宮・定子が「男子」ではなく「女子」を産んだことを居貞親王が安倍晴明に依頼して呪詛した結果であるかのような演出がありました。
尼になった定子が子供を産むことを「おぞましい」とか「男が生まれなかったら自分の子供が次の帝」であるとかかなりの恨みをこの時点で持っています。
安倍晴明は男子が生まれる事やその男子は中宮定子の間に生まれる事も居貞親王にハッキリと告げます。

安倍晴明の予言はまたも的中していきます。
中宮定子と清少納言
ききょう(清少納言)が定子の為に書き始めた「枕草子」
書いた順番から、御簾の中に差し入れし、いつの日か定子もそれを楽しみにしていました。
定子自身も生きていられたのはききょうのおかげだと直々にお礼を言う程です。
ききょうも初めて定子に会った時の感動や定子の両親や兄弟の事を話します。
こういった思い出話も定子にとっては心強い事だったようです。
宣孝おじさん、まひろにプロポーズ!
とうとう、宣孝おじさんはまひろにプロポーズします。
まあ、分かっている事ですけれどね。
このタイミングである事も面白いです。
宋人に取られるよりも自分のモノにしたい。
ついでに言えば、左大臣の道長にもマウントを取りたい。
そんな感じが受け取られるプロポーズでした。

宣孝おじさんは「道長とまひろ」との事を知っているわけですから、それを飲み込んでプロポーズしたわけです。
まひろを気に入っているのも本当の所ですが、その後の事を考えると、もうちょっとまひろを大事にしてほしいなあ…と思ってしまいます。
今日のビックリポイント!
放送終了後、アンケートにお答えいただいた皆様。
ありがとうございます。
ダントツで宣孝おじさんがまひろにプロポーズした!でした。
今日のビックリポイントは
1位・宣孝おじさんがまひろにプロポーズした!
2位・周明が日本人だった!
3位・定子さまが女の子を産んだ!
4位・宋人の長(朱)が官吏だった!
紀行:藤原行成の文字
紀行では藤原行成の文字が紹介されました。
とても字が上手だった行成はその書を奪い合われるくらいの人気でした。
何とその書のひとつは本能寺に所蔵されています。
また、石清水八幡宮の看板となった文字も行成の文字ではないかと伝わっているそうです・
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放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
第44回「望月の夜」-2024年11月17日
第45回「はばたき」-2024年11月24日
第46回「刀伊の入寇」(といのにゅうこう)-2024年12月1日
第47回「哀しくとも」-2024年12月8日
第48回(最終回)「物語の先に」-2024年12月15日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実
