陰陽道が権力とリンクする時代
(1)約束の月
https://www.nhk.jp/p/hikarukimie/ts/1YM111N6KW/episode/te/G6K86GK7ZV/
初回放送日:2024年1月7日
1000年の時を超える長編小説「源氏物語」を生み出した女流作家・紫式部の波乱の一代記。平安中期、京に生を受けた少女まひろ(落井実結子)、のちの紫式部。父・藤原為時(岸谷五朗)の政治的な立場は低く、母・ちやは(国仲涼子)とつつましい暮らしをしている。ある日まひろは、三郎(木村皐誠)という少年と出会い、互いに素性を隠しながらも打ち解けあう。再び会う約束を交わす二人だったが…激動の運命が始まる。
いきなり出て来るのが安倍晴明。
読み方は「せいめい」ではなくて「はるあきら」
都に凶事が起きる事を予兆します。
安倍晴明がこの時期の人とは思っていなかったので違和感がありました。
全くズレているわけでもないのですが、陰陽道が政治の権力と隣り合わせだった時代の話です。
晴明を陰陽道の中心とする事で話を分かりやすくするものだと思います。
紫式部の父、藤原為時が息子の太郎に聞かている漢文は三国志だと思われます。
これを横で下働きをしながら聞いている紫式部(まひろ)がさっさと覚えてしまうんですね。
以下、紫式部をまひろとして書いていきます。
藤原家はほぼ親戚
藤原兼家の家には詮子(あきこ)を入内(じゅだい)させる祝いが行われます。
この時に連れてきた赤ちゃんの女の子が後の「定子」なんだなと思います。
ややこしい話ですが、詮子の産んだ子供が天皇になってその人にこの赤ちゃんが嫁ぐ事になるんですね。
まあ、この先の話になるんですけれど。
藤原ばかり出て来るから不思議に思う人も多いと思いますが、この人たちはほぼ親戚です。
中枢にいる人たちも従兄だったり、兄弟だったりしてほぼ一つの一族がこの時期の権勢をふるっているわけですね。
ここで詮子が天皇の妃として入内しますが、この時期に遵子という女性も入内します。
この2人も親戚で親の権力闘争の一部な訳です。
ですが、この時代の人はそれを不幸であるとか理不尽だとかは捉えておらず、むしろ積極的にこの権力闘争に励んでいます。
もちろん、感情もあるし、愛憎もあるわけですが、それが当たり前だった時代のお話です。
分かりやすい相関図
悪口三昧の宮中
入内する理由はハッキリ言って子作りです。
この明け透けな話には宮中に仕える女性たちには噂話や悪口の格好のネタです。
(以下、この女性たちの事を「女房」と呼びます)
帝がお気に入りでよく通っているのが詮子だから、きっと「やり手」であろうと口々に言われます。
勿論、子供が出来る事が何よりも重要な訳ですから詮子も房中術を心得ていたのではと思われます。
こういった記述も物語になっている「この世をば」にも描かれている事です。
「この世をば」も永井路子によるフィクションですが、詮子が帝の下に入内する前に乳母から手練手管で性の手ほどきを受けていた事が示唆されています。
道長やその周辺の女性の本音は
「こうだったであろう」という妄想が非常に面白いです
それで功をなしたのか詮子は皇子を授かり、自分は国母となります。
ですが、彼女は皇后(中宮)の地位にはなれませんでした。
代わりにその地位に就いたのは遵子でした。
遵子には子供は出来ませんでしたが、天皇のお気に入りだったのは詮子でなくて遵子だったのです。
こうなれば面白くないのは詮子です。
そして、その縁者たち。
この辺のライバル関係が昼メロのように展開されているのが面白いです。
まひろの母は殺された???
最後に衝撃の展開が訪れます。
まひろの母の「ちやは」が兼家の息子で道長の兄の道兼に殺されてしまうのです。
ハッキリ言っておきますが、ここはフィクションです。
脚本家がドラマチックに仕立てるためにこういう展開にしたのだと思います。
そういう事でこの話は本気にしないようにお願いしたいです。
この後、道兼がまひろの敵として恨まれていく事と思いますが、史実とは違うのでここだけは道兼に肩入れしておこうと思います。
紫式部の母が藤原道兼に殺されたというのはフィクションです
散楽が楽しかった
平安時代に「散楽」というものがあったのですね。
大河ドラマで観る限りは市井の人々の前で演技を披露して投げ銭などをもらっていたのでしょうね。
今で言う大道芸のようなものなのでしょうね。
ここでも強欲な藤原家がネタにされていて庶民の文化として成立していたんだなと思いました。
第1回目、衝撃の内容でしたが、楽しかったです。
今後も裏ネタを書きながら楽しんでいきたいです。
「さんがく」がなまって「猿楽」となった説もあるそうです。
他のエピソードも満載です。
紀行:平安神宮
平安神宮は街の中にあります。
駅の近くで散策にはちょうどいい距離です。
朱色の面影は今も昔も変わらない。
【京都市】平安神宮
京都府京都市
1000年の都、京都
今からおよそ1200年前ここに平安京がつくられました。
平安遷都1100年を機に創建された平安神宮。
平安時代の政治の場、大極殿を模した朱塗りの社殿が当時の雰囲気を今に伝えています。
平安神宮の大祭、時代祭。
(時代祭りは遷都が行われたとされる10月22日に開催)
それぞれの時代の装束をまとった人々が京都に都があった長い年月を表現しています。
平安時代中期の行列の中には「源氏物語」の作者、紫式部に扮した人も。【京都市北西部】
大河ドラマ「光る君へ」第1回~約束の月~より
平安の時代から紫野と呼ばれるこの地で紫式部は生まれたとも晩年を過ごしたとも言い伝えられています。
主人公まひろの物語はここから始まったのです。
放送リスト
第1回「約束の月」 – 2024年1月7日
第2回「めぐりあい」 – 2024年1月14日
第3回「謎の男」 – 2024年1月21日
第4回「五節の舞姫」 – 2024年1月28日
第5回「告白」 – 2024年2月4日
第6回「二人の才女」 – 2024年2月11日
第7回「おかしきことこそ」 – 2024年2月18日
第8回「招かれざる者」 – 2024年2月25日
第9回「遠くの国」 – 2024年3月3日
第10回「月夜の陰謀」 – 2024年3月10日
第11回「まどう心」 – 2024年3月17日
第12回「思いの果て」 – 2024年3月24日
第13回「進むべき道」 – 2024年3月31日
第14回「星落ちてなお」 – 2024年4月7日
第15回「おごれる者たち」 – 2024年4月14日
第16回「華の影」 – 2024年4月21日
第17回「うつろい」 – 2024年4月28日
第18回「岐路」 – 2024年5月5日
第19回「放たれた矢」 – 2024年5月12日
第20回「望みの先に」 – 2024年5月19日
第21回「旅立ち」 – 2024年5月26日
第22回「越前の出会い」 – 2024年6月2日
第23回「雪の舞うころ」 – 2024年6月9日
第24回「忘れえぬ人」 – 2024年6月16日
第25回「決意」 – 2024年6月23日
第26回「いけにえの姫」 – 2024年6月30日
第27回「宿縁の命」 – 2024年7月14日
第28回「一帝二后」 – 2024年7月21日
第29回「母として」 – 2024年7月28日
第30回「つながる言の葉」 – 2024年8月4日
第31回「月の下で」- 2024年8月18日
第32回「誰がために書く」- 2024年8月25日
第33回「式部誕生」- 2024年9月1日
第34回「目覚め」-2024年9月8日
第35回「中宮の涙」-2024年9月15日
第36回「待ち望まれた日」-2024年9月22日
第37回「波紋」-2024年9月29日
第38回「まぶしき闇」-2024年10月6日
第39回「とだえぬ絆」-2024年10月13日
第40回「君を置きて」-2024年10月20日
第41回「揺らぎ」-2024年10月27日
第42回「川辺の誓い」-2024年11月3日
第43回「輝きののちに」-2024年11月10日
登場人物が書いた本
源氏物語
ネット配信はこちら
キャスト一覧
主要キャスト一覧
まひろ/紫式部 (むらさきしきぶ) 吉高 由里子
藤原 道長 (ふじわらのみちなが) 柄本 佑
藤原 為時 (ふじわらのためとき) 岸谷 五朗
ちやは 国仲 涼子
藤原 惟規 (ふじわらののぶのり) 高杉 真宙
藤原 兼家 (ふじわらのかねいえ) 段田 安則
時姫 (ときひめ) 三石 琴乃
藤原 道隆 (ふじわらのみちたか) 井浦 新
藤原 道兼 (ふじわらのみちかね) 玉置 玲央
藤原 詮子 (ふじわらのあきこ) 吉田 羊
高階 貴子 (たかしなのたかこ) 板谷 由夏
ききょう/清少納言 (せいしょうなごん) ファーストサマーウイカ
安倍 晴明 (あべのはるあきら) ユースケ・サンタマリア
源 倫子 (みなもとのともこ) 黒木 華
源 明子 (みなもとのあきこ) 瀧内 公美
藤原 実資 (ふじわらのさねすけ) 秋山 竜次
藤原 公任 (ふじわらのきんとう) 町田 啓太
藤原 斉信 (ふじわらのただのぶ) 金田 哲
藤原 行成 (ふじわらのゆきなり) 渡辺 大知
源 俊賢 (みなもとのとしかた) 本田 大輔
源 雅信 (みなもとのまさのぶ) 益岡 徹
藤原 穆子 (ふじわらのむつこ) 石野 真子
藤原 頼忠 (ふじわらのよりただ) 橋爪 淳
藤原 宣孝 (ふじわらののぶたか) 佐々木 蔵之介
藤原 定子 (ふじわらのさだこ) 高畑 充希
藤原 彰子 (ふじわらのあきこ) 見上 愛
藤原 伊周 (ふじわらのこれちか) 三浦 翔平
円融天皇 (えんゆうてんのう) 坂東 巳之助
花山天皇 (かざんてんのう) 本郷 奏多
一条天皇 (いちじょうてんのう) 塩野 瑛久
直秀 (なおひで) 毎熊 克哉
赤染衛門 (あかぞめえもん) 凰稀 かなめ
乙丸 (おとまる) 矢部 太郎
百舌彦 (もずひこ) 本多 力
いと 信川 清順
藤原 道綱 (ふじわらのみちつな) 上地 雄輔
藤原 寧子 (ふじわらのやすこ) 財前 直見
藤原 隆家 (ふじわらのたかいえ) 竜星 涼
さわ 野村 麻純
絵師 (えし) 三遊亭 小遊三
藤原 忯子 (ふじわらのよしこ) 井上 咲楽
藤原 義懐 (ふじわらのよしちか) 高橋 光臣
三条天皇 (さんじょうてんのう) 木村 達成
藤原 顕光 (ふじわらのあきみつ) 宮川 一朗太
朱 仁聡 (ヂュレンツォン) 浩歌
周明 (ヂョウミン) 松下 洸平
藤原賢子(ふじわらのかたこ)南 沙良
あかね / 和泉式部(いずみしきぶ)泉 里香
敦康親王(あつやすしんのう)片岡千之助
双寿丸(そうじゅまる)伊藤健太郎
スタッフ一覧
脚本 : 大石静
語り : 伊東敏恵
副音声解説 : 宗方脩
タイトルバック映像 : 市耒健太郎
題字・書道指導 : 根本知
制作統括 : 内田ゆき、松園武大
プロデューサー : 大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー : 川口俊介
演出 : 中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう、原英輔、佐原裕貴 ほか
時代考証 : 倉本一宏
風俗考証 : 佐多芳彦
建築考証 : 三浦正幸
芸能考証 : 友吉鶴心
平安料理考証 : 井関脩智
所作指導 : 花柳寿楽
衣装デザイン・絵画指導 : 諫山恵実