
何とか2次試験に通過したムッタですが、試験はまだまだ続きます。
3次試験は、閉鎖環境で2週間過ごすというものです。
たまたま一緒になった5人の中から、自分たちで宇宙飛行士にふさわしい人物を2人選ぶという試験でもあります。
幼き日の南波兄弟とシャロン博士
この巻の冒頭には、幼き日の南波兄弟が初めてシャロン博士の天文台を訪れるエピソードがあります。
私はこのエピソードが大好きです。
シャロン博士は今よりもちょっと若く、可愛らしい印象です。
幼い二人は、「まん丸の月」が見られるかもしれないと思い、天文台へやって来ました。
男の子二人とはいえ、まだ小学生です。
街灯もない暗い森を抜けてやって来た兄弟を、シャロンは快く迎え入れます。
思えば、この頃にはシャロンはすでに夫に先立たれていたのでしょうね。
ムッタとヒビトが目の前に現れたときは、純粋にうれしかったのではないかと思います。

この何気ない思い出が、物語全体を通しても大切な場面になっているように感じます。
いよいよ閉鎖環境での3次試験へ
そんなシャロンとの思い出を胸に、ムッタは3次試験へ向かいます。
JAXAが用意した閉鎖環境の施設は、まるで映画のセットのようでワクワクします。

ここでムッタは、親友のケンジとは同じチームになれませんでしたが、憧れのせりかさんとは同じチームになります。
チームは全部で5人。
性格はバラバラですが、それぞれ個性があって面白いのです。
しかも、実は全員がエリートぞろいです。
個性豊かな5人のメンバー
特に面白いのが、何かとムッタに挑戦的な「やっさん」です。
古谷やすしという小柄で京都弁の彼は、なんと京都大学霊長類研究所でチンパンジーの研究をしている人物です。
京都大学霊長類研究所は世界的にも高く評価されています。

つまり、この「やっさん」はスーパーエリートなんですね。
こういう人が宇宙飛行士候補になるというのが現実です。
相当な知識と実績がなければ、宇宙飛行士になるための最初の一歩すら踏み出せないのだと実感します。

宇宙飛行士になりたい子どもたち!
しっかり勉強しないとだめだぞ!
ムッタ、せりかさん、やっさんのほかにも、あと二人います。
新田零次は筑波大学でスポーツ心理学やメンタルトレーニングを学んでいます。
さらに剣道五段の腕前で、ムッタよりも高身長です。
この剣道五段というのが本当にすごく、相当な稽古と実績がなければ20代で取得できる段位ではありません。
筑波大学剣道部は大所帯としても有名ですが、その中でもトップクラスの実力者だと言っても過言ではないでしょう。
ムッタを敵視し、「お兄ちゃん」と揶揄するような呼び方をしますが、実は彼には引きこもりの弟がいて……という話は、もう少し後になって描かれます。
最年長の福田さんは、なんと54歳でこの試験に挑戦中です。
実は若い頃にも宇宙飛行士試験に挑戦しており、そのときもこの3次試験まで進んでいました。
ロケット開発の第一人者で、この方もまたスーパーエリートです。
チームワークが試される試験
しかし、ふとした不注意から福田さんの眼鏡が壊れてしまいます。
それでも、このチームらしい発想でそのピンチを乗り切ります。

私はこのエピソードが大好きです。
宇宙飛行士に求められるのは知識や技術だけではなく、仲間を思いやる心や柔軟な発想なのだと感じさせてくれる場面でもあります。
その方法は、ぜひ原作を読んで確かめてみてください。
テレビアニメ『宇宙兄弟』まとめ

NASA・JAXAの全面協力で制作された伝説的な作品です。
JAXAの宇宙飛行士は実名で登場します。
宇宙飛行士本人の登場も話題になりました。
エンディングテーマの後には宇宙関係の写真が紹介されるお楽しみ企画もありました。
| 話数 | 放送日 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1~13話 | 2012年4~6月 | 宇宙飛行士選抜試験編 |
| 第14~31話 | 2012年7~11月 | 二次試験・閉鎖環境試験編 |
| 第32~51話 | 2012年11月~2013年4月 | 宇宙飛行士候補生編 |
| 第52~75話 | 2013年4~10月 | NASA訓練・ヒビト編 |
| 第76~99話 | 2013年10月~2014年3月 | 月ミッション・帰還編 |
放送期間
- 放送開始:2012年4月1日
- 放送終了:2014年3月22日
- 話数:全99話
- 放送局:読売テレビ・日本テレビ系列

約2年間にわたって放送されました。
大人気作品でした。
原作では19巻までです。
また、アニメ化されて原作の最終回まで制作してほしいです。
皆さんのエールをお願いしたいです。
最後に宇宙兄弟の歴史をチェック
| 年月日 | 出来事 | 備考 |
|---|---|---|
| 1969年7月20日 | アポロ11号が月面着陸 | 『宇宙兄弟』の物語全体の原点となる歴史的出来事。 |
| 1993年10月28日 | 南波六太(ムッタ)誕生 | さそり座。同日、ドーハの悲劇が起こる。 |
| 1996年9月17日 | 南波日々人(ヒビト)誕生 | おとめ座。同日、野茂英雄投手がMLBでノーヒットノーランを達成。 |
| 2006年7月 | 幼いムッタとヒビトがUFOを目撃 | 「二人で宇宙飛行士になる」と約束した運命の日。 |
| 2025年5月 | ムッタが会社を辞め、JAXA宇宙飛行士選抜試験へ挑戦 | 『宇宙兄弟』本編が本格的に始まる。 |
| 2026年(作中) | ヒビトが日本人初の月面着陸を達成 | ムッタも宇宙飛行士として宇宙へ飛び立つ。 |
| 2026年(現実) | 『宇宙兄弟』連載完結 | 約19年間続いた連載が幕を閉じる |

原作が完結した2026年がムッタがJAXAの宇宙飛行士になってヒビトが月面着陸した年になりました。
現実の世界では2026年時点では日本人の月面着陸はまだですが、近い将来実現することを願っています。

