100分de名著~「社会分業論」デュルケーム

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名著147「社会分業論」デュルケーム - 100分de名著
一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の“名著”。この番組では難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。プレゼン上手なゲストによるわかりやすい解説に加え、...
グレース
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「社会学の祖」と言われるデュルケームの社会分業論です。
社会学と言えば、ドイツだというイメージがあった私にとって社会学の素地を作ったのがフランス人であるデュルケームだということを知って意外に思ったのがスタートです。
皆さんはどうですか?
一緒に勉強していきましょう。各項目、目次からジャンプできます。

第1回 個人化/孤立化の時代に向き合う

エミール・デュルケーム(Émile Durkheim)プロフィール

  • 生年月日:1858年4月15日
  • 没年月日:1917年11月15日
  • 出身地:フランス・エピナル(ヴォージュ県)
  • 職業:社会学者・哲学者
  • 学歴:高等師範学校(École Normale Supérieure)卒業
  • 主な業績
  • 社会学を独立した学問分野として確立
  • 「社会学的方法の規準」を提唱
  • 社会的事実の概念を導入
  • アノミー(社会的混乱)の理論を提唱
  • 機械的連帯と有機的連帯の概念を提唱
  • 主な著作
  • 『社会分業論』(1893年)
  • 『社会学的方法の規準』(1895年)
  • 『自殺論』(1897年)
  • 『宗教生活の原初形態』(1912年)
  • 影響を受けた人物:オーギュスト・コント、モンテスキュー、ジャン=ジャック・ルソー
  • 影響を与えた人物:タルコット・パーソンズ、ピエール・ブルデュー、アンソニー・ギデンズ

デュルケームは、社会学の基礎を築いた重要な学者の一人であり、現代社会学の発展に大きな影響を与えました。

ドレスコードはないのに実はある?

人は社会というなかで生きています。
現代社会は会社でもスーツやネクタイを強要される事も少なくなりました。
ですが、カジュアルコーデやアースカラーであっても、やはり同じような格好をするというのです。
普段の通勤に羽織袴を着ていっても怒られないはずなのにそういう服装で通勤をする人はまずいないでしょう。

グレース
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ドレスコードや規則があるわけでもないのに暗黙の中でルールはあるものです。

社会的事実=特に拘束されているわけでもないのに外的な圧力があるようなこと?
(空気を読むなどか?)

道徳的関係

デュルケームは「道徳」という言葉をよく使う。
これは「人間の良心に働きかけるような力があるもの」という意味で使われます。

「モラル」なんていう言い方の方が近い。

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学校で習った道徳とはちょっと違うようです。

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19世紀は科学技術の発達が顕著に

ダーウィン:進化論
コッホ:結核菌やコレラ菌の発見
キュリー夫人、レントゲンなども

社会の目に見えないものを客観視し、科学技術と同じように「社会学」を観ると視点が違ってくる。

社会学にもデータが必要である。

「ガラスの天井」という言葉に代表される。
実際にガラスの天井そのものがあるわけではないが、女性たちの出世や躍進が邪魔されている何かがあると感じている。
それがガラスの天井というモノとして客観的に観る事が出来る。

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村社会から個人社会へ~貧富の差が広がる

かつて、親族や血縁や宗教などでつながっていた社会が個人化に進んでいる。
この個人化が近代化につながっていく一方で個人の能力で貧富の差が広がってしまうという新しい問題を生み出してしまった。

離婚や離職も簡単にできるようになる⇒個人の自由化
頼れるのは自分だけ⇒厳しい競争社会に投げ込まれてしまう
競争が嫌で離脱⇒孤独になり孤立してしまう

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優秀な人やうまくやっていける人たちがどんどんうまく行っていく一方で、うまくその潮流に乗れなった人たちは離脱して貧しくなってしまいます。
そこで社会が助けてくれるわけではありません。
「あなたが勉強しなかったんでしょ?あなたが選んだんでしょ?」という自己責任論になっていくというのは恐ろしい事です。

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第2回 自律的個人はこうして生まれた

自由になってしまった?

フランス革命のように市民が悪政から勝ち取った自由とは違うというのです。
革命で共和制に変わると激動の変化へつながった自由ではありません。
「近代の自由」は時代の変遷で求めていなくても勝ち取ったものでもなく、人々が生まれた時からあったということなのです。

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「近代社会」の我々は「自由」という概念が生まれた時からあります。
「自由」の為に戦うという必要もありませんでした。

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個人が生まれるメカニズム

古い社会では集団生活を守る事が出来ない人たちを罰する「刑法」などの法律が多く、新しい社会では個人賠償や個人間取引の民法が多くなる。

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古い社会と新しい社会の概念の違いも面白いです。
集団を乱すものが罰せられた古い時代。
新しい時代では個人の権利が重要視されるというように変異しているのです。

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古い社会は個人では生きていけなかった

古い社会からすると「自由」というのは「共同体」から放り出される「追放」のようなものだったのです。
たった1人では生きていけない。
社会の仕組みがそうだったからです。

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自由はたくましく生きざるを得ない

自由をうまく使いこなせない人も出てきます。
ここでデュルケームはこれを二つに分けます。

エゴイズム: 利己主義ではなく自由な個人がそれぞれの目標や行つ意味を見いだせず何をすればいいのか分からなくなって身動きが取れなくなる状態
アノミー :さまざまな規制がない状態で何をしても良いので色々な事をしてみるも何をどこまで求めたら満足できるのかガイドラインが与えられないために何をしても不満に感じられ焦っている状態

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どちらも行き詰っています。

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独裁者を求めてしまっている?

自由に行き詰った人たちは自分たちで判断する事が出来なくなってしまいます。

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自由が行き過ぎてしまって他責的になっていくということでしょうか?

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無限の欲求

いつになっても満足させられることはない

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既に自由でいるのに更に上を目指してしまいます。
これはいつまで経っても「満足」は出来ません。

第3回 「連帯」とそれをはばむもの

第4回 「個人の自律」と「連帯」の両立