番組公式ページより引用。
【司会】加藤シゲアキ(作家・タレント)・安部みちこアナウンサー 第4回 「竹取物語」 【放送時間】 2022年8月22日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ 【指南役】木ノ下裕一(「木ノ下歌舞伎」主宰) 【生徒役】本田望結 【朗読】花澤香菜 下野紘 【語り】目黒泉 誰もが子どもの頃に語り聞かせてもらう定番の昔話「かぐや姫」。その原型が「竹取物語」だ。だが、「そんな話もう耳にタコだよ」と思うなかれ。そのディテールには、びっくりするようなエピソードが満載。さまざまな人間ドラマが巧みに織り込まれているのだ。この作品をSFととらえると、その楽しみ方が何倍にもなるという木ノ下裕一さんに、古典作品のとてつもない豊かさを教えてもらう。
「竹取物語」は「かぐやひめ」
誰もが知っている「かぐやひめ」のお話です。
多分、多くの人が子供の頃に絵本やアニメなどで知ったと思います。
私も最初は絵本でした。
ですから、「竹取物語」と言う意外と長いお話だと知った時は衝撃でした。
小学生になった頃、「かぐや姫」の比較的分厚い本を書店で見つけました。それを両親にねだって買ってもらった思い出があります。
ポプラ社の「かぐや姫」―日本古典 (世界名作童話全集 45) 単行本と言う本で今は絶版になっています。(一部古書で手に入るようです)
この本のデータを見ていると154ページ。小学校に入りたての私にはあの「かぐや姫」がこれだけ長い話になるのかは興味深いものでした。
当時は読み物として楽しく読みましたし、5人の求婚者の悲喜交々や帝に召し出されてもかぐや姫自身は消えてしまう徹底ぶり。
最後に月に帰る時も一切の記憶をなくしてしまう事や、人間の力では帝をもってしても引き止められなかった事も今となってはSFチックで面白かったと思います。
最後に不死の薬を翁と媼に残すのですが、二人は生きていてもしょうがないと思い帝に献上、帝自身も飲まないとして日本で一番高い山のてっぺんで燃やす。それが今も燃えている。これが富士山ではないかとされているわけです。(明言はないですが、それ以外考えにくい)
実は政治的な物語?
実はこの根本になる「竹取物語」は政治的な怨恨を描いた物語であるとも言われ、随所に政治的な嫌味や恨みが織り込まれています。かぐや姫に求婚した5人の貴公子は自分の欲や嘘で最終的に碌な目に遭いません。これも政治的な恨みをそのモデルとなった人物に物語上で晴らしていると言えなくもないのです。
モデルには諸説ありますが、この中で「石作皇子」(いしつくりのみこ)は藤原不比等ではないかと言う説が面白いです。この「石作」という名前が藤原不比等の母親の姓だからというのです。この説を唱えていたのは古代作品の著書も多い杉本苑子先生によるものです。ちょっとこの説は珍しいので記憶に残っています。
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重ねて言いますが、モデルには諸説あります。
作者不詳?
また、作者が不詳となっていますが、あまりに政治的な事なので匿名で出したのではないかと言う事も考えられます。私もこれに賛同です。
源順、源融、遍昭、紀貫之、紀長谷雄、菅原道真などの名前が挙がっていますが、最終的に紀貫之か紀長谷雄に絞られると思います。
私自身は紀貫之説を大いに押したいです。
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紀貫之は「土佐日記」を書いた人です。
竹取物語の全編を読むにあたって良い現代語訳に星新一先生の「竹取物語」をおすすめします。星先生はショートショートの神様と言われるくらい短編作家として有名ですが、意外や意外、現代語訳もなさっています。
この現代語訳も私は自分が書店で目にするまで知りませんでした。「竹取物語」を手に取った時も星先生風にアレンジした別のお話だと思って読み進めていたので現代語訳だと知って本当に驚きました。
星先生らしい軽快なタッチなので読みやすくてとてもリズム感があるので読んでみたい人にはこちらをおすすめします。文庫本で安価で手に入るので是非。
竹取物語後の話も?
余談となりますが、竹取物語の後日談的な話は結構あります。その中でも宇宙皇子(うつのみこ)「天上編」はまさになよ竹のかぐやひめの後日談なのですが、この「なよ竹」がわがまま放題で(笑)私はこのイメージで上書きされてしまったのか、かぐや姫に対して「こんなのでよく天上人と言えたものだ」と思ったものでした。
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宇宙皇子(うつのみこ)は藤川桂介先生によるもので本編が48巻、拾遺伝(外伝)が4巻の長編小説です。今となっては入手困難本ではありますが、図書館では閲覧可能なところも多いです。挑戦してみたい人は頑張ってみて!
【参考までに】下記リンクのように非常に高価なものになっています。読みたい人は図書館で探すことをお勧めします。
著作リスト
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星新一の著作はとても多く今もたくさん発行されています。
新潮文庫、角川文庫の一部をピックアップしています。
もちろん、これ以外にもたくさんあります。