
「大河の一滴・最終章」が発表されました。
今回はそのお話ではなくて、前作の「大河の一滴」のお話になります。
映画化もされました。その時の思い出話を綴っています。
93歳の五木寛之先生がテレビにご出演。
画面にお名前が出た瞬間、正直どきりとしてしまいました。
年齢が年齢だけに「まさか…」と一瞬よぎったのですが、杞憂でした。
お元気そうなお姿に、まずはほっとひと安心。
しかも代表作『大河の一滴』の最終章を発表されたとのこと。
長く読み継がれてきた作品が、こうして新たな形で締めくくられるのは感慨深いですね。
前作は映画にもなりました
私はこの前作品、映画化されたタイミングで読みました。
当時はタイトルを「たいがのひとしずく」と読んでいたのですが、正しくは「たいがのいってき」で良いそうです。
映画版は、新藤兼人監督の最晩年の作品。
あとから思えば、あの静かな力強さは円熟の境地だったのかもしれません。
DVDの副音声で語られる監督の解説が本当に素晴らしくて、作品世界への理解がぐっと深まりました。
ただ、原作と映画を前後して体験してしまったため、私の脳内では物語が混乱しています。
それもそのはずで、五木寛之先生の原作はご本人のエッセイが主体。
映画はまるっきりの脚色だったのです。
当時はあまりに違う話だったので批判もあった事を覚えています。
映画は原作から大きく脚色された作品でした。
映画は美しい映像
それでも鮮明に覚えているのは、物語の骨格。
恋を求めてロシアまで渡ってしまう女性。
そして、彼女に同行してしまう幼なじみの男性。
恋に破れた彼女が最後に選ぶ道とはその幼なじみの男性なんですね。
ロシアに行くのに一人で行くのは心細いから、幼なじみの男性を連れて行く主人公。
ここの押し問答も面白くて、主人公の女性はロシアに自分の好きな人を追っかけて行くのだけれど、それに同行させるわけです。
厚かましいやら図々しいやら。
ここで幼なじみの男性は「厚かましいぞ」と言いつつも、ついて行ってしまう訳なんですね。
主人公は安田成美さん。
幼なじみの男性は渡部篤郎さん。
この二人の掛け合いが一番のツボでしたね。
切なさと潔さが交錯するラスト。
そして何より、映像の美しさが強く印象に残っています。ロシアの風景が、まるで心情そのもののように広がっていました。
久しぶりに、原作を読み返してみたくなりました。
皆さんも、ぜひ一度。
活字でも、映像でも。
きっとそれぞれの「一滴」が心に残るはずです。


