ネットの嫌がらせは最初からあった話
インターネット黎明期からネットを使っている一人として当時の「荒らし」やネットストーカーの被害を思い出したので書いておきます。
1990年代、インターネットというものが一般人に普及し始めました。
家庭用のパソコンが多く導入された事により、少し機械に強い人や新しいものが好きな人たちの間で少しずつ広まっていきました。
当時はまだスマホはありません。
インターネットはパソコンでのやり取りがほとんどの状態でした。
インターネットを通じての交流が始まりました。
多くは趣味などを通じてでした。
ネットでは、いろんな垣根が取り払われます。
海外であっても人種も宗教も文化も飛び越えてしまいます。
普段の生活では出会えない人たちとの素敵な交流であると言う点は今も当時も変わりません。
当時はそれぞれがサイトを立ち上げてBBSと呼ばれる掲示板に書き込むと言う方式が多かったように思います。
そこで仲良くなるとメールアドレスを交換して個人的に交流していきます。
私自身もそうでした。
この当時、知り合った人たちと今も交流があります。
そうなると、30年近いお付き合いになります。
勿論、そういった人たちとは今もリアルでも行き来があります。
良い時も悪い時もありましたが、支え合える人と出会った事は今となっては奇跡的な出会いだったと思います。
ネットがなければ一生知らずに終わっていたであろう人達と仲良くなれたのです。
でも、「荒らし」と呼ばれる人もいたのも事実です。
「荒らし」に遭った被害
「荒らし」は今で言うネットストーカーや異常な書き込みをして損害を負わせる人の事です。
これらの事を何と手動でやっていたのです。
今のようにbotやプログラムでするわけではありません。
「手打ち」で毎日、粘着されたのです。
おまけに同時進行で何人にもやっていました。
加害者はたった一人。
被害者は複数。
何だか、今の感覚とはあべこべな感じがしませんか?
被害者はご苦労な事に手打ちで嫌がらせ行為を続けていました。
そこで私が疑問に思ったのは「なぜそこまで時間があるのか?」でした。
学生であっても、社会人であってもそこまで時間に余裕があると言うのは考えにくかったからです。
時間帯も平日の昼間、夜中と関係なかったのです。
特に粘着されたのは私ともう一人でした。
加害者はマウント思考の人間でした。
特に年下と女性に対しては「自分よりも下」という位置づけで「俺の命令を聞け!」というタイプの人間でした。
同性愛者と位置付けられた男性
年下の男性に対しては、その人が独身であった事で「同性愛者」と決めつけました。
今でも、そういった事は非常にセンシティブな話です。
当時はもっとそういった事に理解がなく、「同性愛者」と人を揶揄して呼ぶことは侮蔑しているとしか思えませんでした。
おまけに、そう言われた人は「離婚歴」があり、愛する子供と離れて暮らしていたのです。
離婚した理由は明らかにしていませんでしたが、お子さんがいると言う事で彼が同性愛者である事は考えにくい事でした。
そんな事情を持っている人がネットの見も知らぬ人から罵倒されるのはどれだけの屈辱だったでしょう。
そして、また彼が本当に同性愛者であってもたくさんのスレッドで彼を揶揄するようなことは今も当時もあってはならない事です。
そう言う人に加害者は罵倒し続けました。
「同性愛者」と言われた男性は直接加害者に抗議し、謝罪を取り付けました。
ネット上で謝罪文を出させ辞めさせたのです。
それで、終わると思っていました。
ですが、そのストレスが私には更に倍増して、のしかかってきたのです。
女の癖に
「年下の癖に」よりも「女の癖に」が加害者の言い分でした。
つまり、「年下で女の癖に俺様に従わない生意気な人間」という事なのです。
今でも、この理念は全く理解できませんが、当時の私も理解出来ませんでした。
先述したように加害者の行動時間は変です。
これだけの時間が普通の一人の人間にあるものでしょうか?
そこで、私は何らかの支援を受けているか、引きこもりの人間ではないかと仮定しました。
IPアドレスやログで個人情報を特定することに成功しました。
この方法は今でも使える方法ですが、弁護士などは通さず、自力で調べました。
実は、この時、警察も充てになりませんでした。
サイバー犯罪に関して、警察は門外漢だったのです。
個人的な攻撃も意に介しておらず、相談窓口もなく被害届を受理する事すらなかったのです。
こうなれば、民事で戦うしかありません。
住所、氏名、生年月日、電話番号を特定し、本人に通知。
これ以上続けるならば、訴訟を起こす旨を通達しました。
急に大人しくなる加害者
今まであれだけ横柄な態度を取ってきた加害者が一変しました。
土下座をせんばかりの謝罪の言葉を連ねてきたのです。
それまで匿名でバレないと思っていたのでしょうね。
匿名だったら何をやっても許されると思っていたのでしょうね。
加害者は色んな人に泣きついたようです。
私の所にも「許してやってほしい」というメールが山のように来ました。
加害者は行政の支援を受けて生活をしている人でした。
(この点だけは真実です)
私もこれ以上関わり合いになりたくないと言う思いがあり、加害者からパソコンとネットを取り上げる事を条件に私は訴えないと言う事にしました。
まあ、この約束も反故にされるとは思っていましたけれど。
事実、その一週間後には加害者は意気揚々とネットに復帰。
ターゲットを他にうつしただけでした。
ですが、これで終わりではなかったのです。
加害者は新たな罪を犯す。そして…。
私の泣き寝入りで一連の騒動は終わりませんでした。
相変わらず、加害者は嫌がらせ行為を繰り返していました。
ターゲットが私から他の人へ移ったのです。
被害は拡大していきます。
でも、とうとう法律の方がこの行為に追いつく日が来ました。
私が泣き寝入りした日から数年たったある日、ニュースがながれます。
嫌がらせ行為でこの加害者は捕まる事になったのです。
「責任能力あり」との判断が下されたのです。
加害者がとうとう刑罰を受ける事になりました。
ですが、それまでに私以外の被害者が出た事だけは否めません。
これを読んでくださった方には匿名だからこそ「誠実に」対応すると言う事を心掛けてほしいです。
さらっと書いてきましたが、10年くらい掛かっているんです。
結構大変なものですよ。
関わらないのが一番だけれど。
恐ろしい事に私が被害を受けた同じ頃に「桶川ストーカー殺人事件」って言うのがありました。
本当に一歩間違ったら殺されていたんだろうなと思うとゾッとします。
相談窓口
各都道府県のサイバー犯罪の窓口一覧です。
今、困っている人がいらっしゃったら、一度相談してみても良いと思います。
私が被害に遭った時とは違って警察も動いてくれるようになりました!