稲盛和夫氏
京セラを世界のブランドに引き上げ、第二電電を設立。更にはJALの再生まで成し遂げた稲盛和夫氏。素晴らしい功績の数々ありがとうございます。
稲盛氏は常に人を雇う時に「物心ともに満足」してもらうと言う事を口にしていました。名誉や仕事だけでなく、十分な報酬をと言う事です。今、現代となってはそう言った事が失われつつあり、「善意の搾取」がそこここに散見します。
賢く生きるより 辛抱強いバカになれ
さて、この「賢く生きるより 辛抱強いバカになれ」という本は 稲盛和夫氏とiPS細胞の山中伸弥先生の対談インタビューです。このお二人の共通点、恵まれたエリートではないと言う事です。世界屈指の名門校でもなく、日本でも東大を出たわけでもない。また本社も東京ではない。そういう境遇から逆転劇とも言える成果を出されたお二人です。研究や権威の大きさはどうしても中央寄りと言う風潮が今もあります。日本で感染症の新薬の認可がなかなか降りないというのは記憶に新しい所でもあります。残念な現実です。
それでも、このお二人、やはりサクセスストーリーを築いた人と言って過言ではないと思います。ただ、その栄光への道は「努力の上の努力、謙虚」という言葉に尽きません。
一つ一つの言葉は多くの人を勇気付けると思います。また私もその一人です。
頑張らなければ、しかし高額の費用が掛かるのも現実
この本文中に、山中先生の「レジリエンス」という言葉があります。逆境から抜け出して回復するメンタルみたいなものだと触れています。東日本大震災以降、知られるようになった言葉であるとも。「そういう事に比べれば、もっと頑張らなアカン」と。
また、研究の妨げになっているのは特許や権利におけるための裁判費用や申請に掛かる費用です。その費用が国から降りるわけではなくそれも苦労の一つとも。国からの予算は「何に使うか」が明確に決められているために裁判費用までは捻出できないのです。山中先生が寄付行脚に出られるのもその為です。また、ここまで山中先生が日本の国としての特許にこだわる理由は「誰もが良い治療を受けること出来るように」なのです。どこかが独占して特許を取ってしまうと、それがお金儲けだけの為に使われて高額治療にもつながってしまうからです。
稲盛和夫氏の支援
稲盛和夫氏はその頃には既に後進の為に盛和塾、研究施設の寄付など多くの支援を行っています。ご高齢になられて自身が陣頭指揮をすることは少なくなっていましたが、最後まで稲盛さんのご人格や温かさに触れ、学びたいという人は後を絶ちませんでした。
多くの人を幸せにしてくださいました。本当にありがとうございました。