(8)
初回放送日: 2024年4月7日デジタルとのセット販売が決まり、「大渡海」の編集作業も大詰め。みどり(池田エライザ)は馬締(野田洋次郎)に、歴代の編集者や松本先生(柴田恭兵)が集め続ける100万枚の用例採集カードが眠る資料室を案内され、その重みを実感する。宮本(矢本悠馬)と“究極の紙”作りに試行錯誤しながら2年の歳月が流れ、刊行はいよいよ来年2020年。最後の抄造テストをむかえる中、みどりはある重大な問題に気づいてしまう…
https://www.nhk.jp/p/funewoamu/ts/GZ8RQ7PNJ1/episode/te/L8ZM9Q42KK/
いよいよ紙が完成!
ぬめり感、透け感、裏目に写らないなど様々な困難を超えて「紙」が完成します。
みどりも手にしたときに思わず涙してしまい、関わった人たちも涙するくらいの「紙」です。
この紙に関わった宮本さんとは恋の進展があるのかなと思った回でしたが、この恋の行方は最終回まで持ち越されそうです。
用例採集は100万枚以上
壮大な用例採集カードの保管庫の資料室!
用例採集のカードは全部手書きです。
これが何と100万枚以上あるというのです。
53年分。
これを整理するのも人間の手でやっているわけです。
ものすごい量です。
圧巻ですね。
更には辞書「大渡海」にされたカードには一つずつハンコが押されています。
これも手動です。
ものすごすぎますね。
三校を終了して四校に入ります。
これは校正の最終段階に入った事を示します。
すべて人力でやっていきます。
天童君の後輩による精鋭のバックアップありです。
若い力と気持ちでこの気の遠くなるような作業を始めます。
見出し語リストがピックアップするのも人力
前述のように用例採集から採用になった言葉にはハンコが押されています。
ですが、これを間違いなくデータ化されているかどうかは別問題です。
そもそも論ですが、データ化する時に見出し語そのものを抜き漏れすると言う事もあり得ない話ではありません。
データ化されたものを修正するのはそんなに難しい話ではありませんが、「ないものを探す」というのは、とんでもなく途方もない作業であるのです。
映画版の馬締さん登場
何と映画版で馬締さん役をやった松田龍平さんが出てきます。
これも粋な演出ですね。
おまけに辞書をスマホやウェブで観るための会社の人としてです。
前のアナログな感じとは真逆なはずですが、まじめな人である事は間違いないようです。
年越しをする辞書編纂部の人達
無事に年末を迎えます。
みどりは馬締夫妻と共に年越しをします。
すっかり家族の一員ですね。
みどりの母は美容師なので年末年始は着付けをするので忙しいので帰りません。
みどりの父は後妻と共に新しい生活をしています。
何と後妻には赤ちゃんが出来ています。
みどりにとって妹が出来るのです。
暖かく迎えてくれる後妻は気を使ってみどりと実父の時間を作ってあげます。
みどりも父との時間の中で「片付け」が上手になった事や辞書作りにもいかされている事を告げます。
なんか、ほっこりするシーンでした。
「星の王子さま」のエンディングって?
星の王子さまのエンディング。
本当に王子さまが死んだのか?
紙の開発の宮本さんと新年のメッセージを交わしている間に「星の王子さま」の話になるみどり。
これ、最後はどうなったかは実は明確には書かれていません。
毒蛇に噛まれて倒れた所で話は終わります。
これね、「王子さまは死にました」と明言されているわけではないんですよ。
私もこの話で「王子さまが死んだ」と当たり前に言われている事で違和感がありました。
「死んだ」って言っていない。
また、遺体がどうなったかも言われていない。
だから、私も宮本さんと同じで「王子さまって死んでいない」とずっと思っていたので、こういう着眼点がある事がものすごく面白いなと思いました。
皆さんはどう思われますか?
作者のサン=テグジュペリも実は遺体が見つかっていないのです。
これは数奇な運命のような気もします。
戦争時、戦闘機で撃墜されたのではないかと言われています。
「令和」も項目に!
2020年発売の辞書に向けて大事な項目もあります。
新しい元号です。
2019年に発表された次の新しい元号は「令和」でしたが、実はラ行である事は辞書にとって幸運だったのです。
辞書の最初の項目であれば、最初から見直さなければならなくなり、辞書の校正やレイアウトもやり直しです。
でも、ラ行である「令和」であれば項目としては最後の方です。
元号がラ行である事はクリティカルヒットだったのです。
ハルガスミさんのブックデザインは3パターン!
ブックデザイナーのハルガスミさんは3パターンも考えてきてくれます。
どれも素敵なデザインですので、辞書部では一つに決める事が出来ません。
でも、これを見て当のハルガスミさんは自分で作ってきたデザインを全部びりびりに破いてしまいます。
何も自暴自棄になったわけでもなくて「良いものなら満場一致で決まるはず」という確固たる信念を持っていたからです。
また、3パターンも持ってきた自分自身の甘さに自分で怒り始めるくらいです。
「弱い我 滅せよ!」と言いながら、辞書部を去ります。
ものすごいプロ意識です。
かなりの変人である事は間違いありませんが、彼はプロ中のプロです。
納期も守るし、仕事もきちんとする。
でも、自分が納得できない仕事は納品しない。
徹底していて非常に気持ちいくらいでした。
「ちしお」がない!
みどりはとうとう「無い項目」を見つけてしまいます。
「ちしお」がないのです。
最初にみどりが辞書を引いて知った言葉「ちしお」
それは「血潮・血汐」と漢字で書かれ、「情熱」という意味もあるのだと。
見つけてしまった「無い言葉」に向き合うしかなくなります。
膨大な資料と向き合う中で、「ちしお」がない事を見つけてしまったみどり。
言うか言わないかのものすごい葛藤の中で、「ちしお」がない事を馬締に告げます。
言葉に真摯に向き合う辞書編纂の素晴らし過ぎるこだわりと逃げない姿勢に今回も感動しました。
辞書って良いですね!
BSドラマ概要(各話感想)
各話感想を書いています。
話数をクリックしてください。
サブタイトルは特にありません。
話数 | 概要(公式サイトの説明より) | 初回放送 |
第1話 | 辞書づくりに13年かけるとは | 2024年2月18日 |
第2話 | “恋愛”の語釈をどう考える | 2月25日 |
第3話 | 水木しげるは辞書に収まるか | 3月3日 |
第4話 | 辞書に載せる河童の絵の謎 | 3月10日 |
第5話 | 「からかう」って何? | 3月17日 |
第6話 | 紙の辞書は廃止? | 3月24日 |
第7話 | ブックデザイナー登場 | 3月31日 |
第8話 | 用例採集は100万枚以上! | 4月7日 |
第9話 | 全項目チェック開始 | 4月14日 |
最終話 | ついに「大渡海」刊行 | 4月21日 |
配信
用語集
用語 | 読み方 | 意味 |
舟を編む | ふねをあむ | 「辞書」を「作る」 |
大渡海 | だいとかい | 辞書のタイトル |
玄武書房 | げんぶしょぼう | 出版社の名前 |
月の裏 | つきのうら | 馬締の妻・香具矢の小料理屋 |
からかう | からかう | 山梨の方言「手を尽くす」という意味 |
用例採集 | ようれいさいしゅう | 初めて知った言葉と意味をコレクションしていく(膨大な作業) |
典型的な例 | てんけいてきなれい | 多くの人が納得する例(但し、時代による変遷も) |
俗語表現 | ぞくごひょうげん | 最初は間違った表現をしていたが世間に広まって正しい表現に逆転する |
キャスト変遷
原作は2011年に発表されましたが、様々なメディア展開がされています。
原作、映画、アニメでは主人公は馬締光也ですが、ドラマでは岸辺みどりに変更されています。
赤文字が主役です。
読み方 | 映画 (2013年) |
アニメ (2016年) |
ドラマ (2024年) |
概要 | |
馬締 光也 | まじめ みつや | 松田龍平 | 櫻井孝宏 | 野田洋次郎 | 辞書編集部員→主任 |
林 香具矢 | はやし かぐや | 宮﨑あおい | 坂本真綾 | 美村里江 | 馬締の思い人→妻 |
荒木 公平 | あらき こうへい | 小林薫 | 金尾哲夫 | 岩松了 | 辞書編集部ベテラン |
西岡 正志 | にしおか まさし | オダギリジョー | 神谷浩史 | 向井理 | 宣伝広告 |
佐々木 薫 | ささき かおる | 伊佐山ひろ子 | 榊原良子 | 渡辺真起子 | 契約社員 |
タケ | たけ | 渡辺美佐子 | 谷育子 | 草村礼子 | 香具矢の祖母 |
岸辺 みどり | きしべ みどり | 黒木華 | 日笠陽子 | 池田エライザ(主役) | ファッション誌→辞書編集 |
宮本 慎一郎 | みやもと しんいちろう | 宇野祥平 | 浅沼晋太郎 | 矢本悠馬 | 辞書用紙の開発 |
三好 麗美 | みよし れみ | 池脇千鶴 | 斎藤千和 | 西岡と交際→結婚 | |
松本 朋佑 | まつもと けいすけ | 加藤剛 | 麦人 | 柴田恭兵 | 国語学者 |
BSドラマキャスト
主要キャスト
役名 | 役者 | 概要 |
岸辺みどり | 池田エライザ(幼少期:宮崎莉里沙、矢野朔子) | 主人公:読書モデル→ファッション誌編集部→辞書編集部。 |
馬締光也 | 野田洋次郎 | 苗字が「まじめ」なので「主任」と呼ばれる |
五十嵐十三 | 堤真一 | 玄武書房の代表取締役社長に就任。死神と呼ばれる? |
西岡正志 | 向井理 | 宣伝部 |
渡瀬凛子 | 伊藤歩 | ファッション誌「VIVIAN」編集長→ウェブ編集長へ |
荒木公平 | 岩松了(43年前:加治将樹) | 馬締を辞書編集部にスカウトした張本人 |
佐々木薫 | 渡辺真起子 | 用例採集などをデータ化する契約社員。息子も辞書オタク??? |
天童充 | 前田旺志郎(8歳時:眞島煌芽) | アルバイトの現役大学生。辞書に対して体育会系のノリ |
松本朋佑 | 柴田恭兵(43年前:細田善彦) | 日本語学者 |
宮本慎一郎 | 矢本悠馬 | 辞書の紙を制作する会社の社員 |
馬締香具矢 | 美村里江 | 馬締の配偶者。みどりの大家。「月の裏」の料理長。 |
秋野蘭太郎 | 勝村政信(子供時代:藤田要) | 明峰文化大学 教授。水木しげるの信奉者。ヲタムちゃん。 |
ハルガスミツバサ | 柄本時生 | 中身が白紙でも売れるブックデザイナー。ヲタムちゃんの友達。 |
松本千鶴子 | 鷲尾真知子 | 松本朋佑の妻 |
中村昇平 | 鈴木伸之 | 岸辺みどりの彼氏 |
みどりの家族 | ||
若葉 | 森口瑤子 | みどりの母 |
慎吾 | 二階堂智 | みどりの父 |
萩原さつき | 金澤美穂(幼少期:安田世理) | みどりの姉 |
その他 | ||
岸辺真帆 | 野呂佳代 | 慎吾の再婚相手、妊娠中。みどりに優しい。 |
ゲスト
話数 | 役名 | 役者 | 概要 |
第1話 | 市川真由子 | 木越明 | みどりのファッション誌編集部時代の同僚。みどりをハブる |
松戸明日菜 | 中村加弥乃 | ||
美浜恵梨香 | 西野凪沙 | ||
第2話 | 男性 | 飛田一樹 | 辞書部アルバイトの天童充のパートナー |
第3話 | タケおばさん | 草村礼子 | 香具矢の祖母。「早雲荘」の大家。故人 |
少年 | 村上秋峨 | 秋野教授の空想シーンの少年。水木しげるを図書館で調べる。 | |
島崎義久 | |||
第4話 | 夏川実 | 肥後克広 | 辞書の挿絵画家。2年前に死去。挿絵の赤ちゃんの頭は天パ。 |
(息子が天パ) | |||
夏川颯太 | 戸塚純貴(幼少期:白鳥廉) | 夏川の息子。イラストレーター | |
学生アルバイト | 澤奈央、六車勇登、北澤響、田村魁成、上川拓郎 | 天童の後輩たち。アルバイトに駆り出される。ノリは体育系。国文科。 | |
客 | 望月寛子、羽野敦子 | みどりの母の美容院の客(回想) | |
客 | 市川理矩、星川祐樹 | 松本、荒木がいたお蕎麦屋さんに来た客 | |
リポーター | 田中宏美 | お蕎麦屋さんでつけられていたテレビに出ていたリポーター。「睡眠負債」という言葉を発する→用例採集へ | |
見習い | 曽根翔斗 | 香具矢の店の見習い | |
第5話 | 小林愛斗 | 阿久津将真 | 「うむん」が何かを調べる少年。人と関わるのが苦手。 |
小林恵美 | 村川絵梨 | 愛斗の母。 | |
萩原杏、萩原桃 | 山本紗々萊、室伏凛香 | みどりの姉のさつきの娘たち | |
女の子 | 木村日鞠 | 愛斗に辞書を取られそうになって泣き出してしまう女の子 | |
第6話 | 小堺、安田 | 師岡広明、古川順 | 辞書の紙を作る現場スタッフ。 |
りょんぴー / 如月涼太郎 | 遠藤健慎 | アイドル、読者モデル時代のみどりが付き合っていると匂わせたと誤解され炎上。(炎上したのはみどり) | |
役員 | 中野剛、世志男、潟山セイキ | 玄武書房の役員、辞書のデジタル化を推し進めようとする | |
女性 | 兼安愛海 | みどりと天童の「ジーションズ」の写真を投稿。 | |
飯田智明 | 安藤広郎 | 八国堂国語辞典の辞書編集者。SNSのフォロワーが10万人を超えている。 | |
中澤実子 | |||
第7話 | 編集長 | 大場泰正 | シニア向け雑誌・悠々楽々の編集長。紙の雑誌にこだわる |
秘書 | 新上貴美 | 五十嵐社長の秘書。 | |
車椅子バスケ | 米田敬、齋藤尚徳、渡部創 | 車椅子バスケをしていた | |
第8話 | 山目満治 | 松田龍平 | 株式会社サイバーブレス システム開発部 チーフエンジニア(名刺の肩書) |
辞書のデジタル化する会社の人。映画版の馬締さんがこの役に! | |||
アナウンサー | 住田洋 | 「令和」という新元号を伝えた時のアナウンサー | |
伊藤海月、長野天音 | |||
最終話 | 医師 | 西野大作 | 松本先生に副作用の症状を説明する |
女子高生 | 安達木乃、山本藍 | みどりとすれ違いざまに「キャパい」と話す二人の女の子 | |
野上絵理、涼凪、源田愛莉那 |