ちはやふる・最終回

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好きになれなかった主人公

結構初期からこの作品を読んでいたと思う。ただ、どうしても登場人物、特に主人公には思い入れが出来ず、どうしてかを考えていた。最終回まで読んでわかった。この主人公、「筋金入りのテイカー」である。テイカーと言うのは自分が常に得をしたい人でその為なら、他人がどんなに損をしようが足蹴にしようがかまわない。おまけにこの主人公、それを悪気なくやってしまう。作中にもあるが、それを許されるキャラで乗り切っている。最悪である。
アダム・グラントの「ギブ&テイク」で「与える人」(ギバー)が成功するという話なのだが、この反対が「奪う人」(テイカー)である。
テイカーは自分が成功することと得をする事しか考えておらず、自分が奪える人を上手に、周りに置く。

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テイカーは嫌い

この「ギブ&テイク」の成功する順番は以下の通り。
1位・他者思考的ギバー(与える人)
2位・マッチャー(バランスを取る人)
3位・テイカー(奪う人)
4位・自己犠牲的ギバー(自分の身を削って与える人)
…となる。ギバーが二種類いて他者思考的ギバーは成功するが自己犠牲的ギバーはテイカーに搾取されるから一番損をすると言う事になる。つまりテイカーの餌食になるのは自己犠牲的ギバーと言う事になる。

そう考えていると、この主人公、テイカーであるが、自分の周りに自己犠牲的ギバーを揃えているので自分だけが一人勝ちと言う事になる。
勿論、自分は何をやっても許されると根本で思っているので、一度断った人間に告白するなんて言う事も平気でやる。当然受け入れられることを前提で。少女漫画でここまでテイカー思想をやられるとこれをマネする子供たちも出てきそうで恐ろしい。私がこの作品の事を聞かれたら、「この主人公のようにだけはなってはいけない」と口添えしたい。

最初のかるた部を作るところからそうだった。ほとんどの人が無理矢理入れられていて、その人の事情や気持ちなど考えていない。「そういうキャラだ」で済まされる。

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「かるた」が好きだからの違和感

ただ、ここまで主人公が嫌なのに読んでいた理由は「かるた」だからだ。本場と今のやり方は違うんだなと思った。裸足ではなくて白い靴下を穿くように指導されたし、「読手」は「どくしゅ」でなく濁らずに「とくしゅ」もしくは「よみて」と呼ばれ、雅なお遊びであった。

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人を搾取したうえでの成功者?

また、話は戻るが私自身がテイカーに搾取されまくった事もあり、この主人公が好きになれないのは私の経験値でもあるのだと思う。こういう経験もなければ、こういうテイカーの存在に無関心であったかもしれないし、理解も出来なかったであろうと思う。

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作者の意図

こういう人物を主人公に据え置くあたりも作者の本質が見える。元々は盗作、盗用を一度ならずやった人。それが特に何の罰もなく許されたので「自分は何をやっても許される」と思ったのかなと言うのは…飽くまで私の推測である。この感想もきちんと最終回掲載誌を購入して読了。

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人気投票も低い

キャラクター人気投票でも主人公の人気は4位。この作品のファンであっても主人公が好きになれない人はそんなに多いのか…。

ちなみに
1位・新
2位・太一
3位・かなちゃん
4位・綾瀬千早