感想と当時のスペック
第29回 | 天璋院篤姫 | 2008年7月20日初回放送 |
篤姫は時代によってコロコロ名前が変わって分かりにくいのでこちらでは「篤姫」と一貫して感想を書いていきます。
篤姫。
夫を亡くしてまだ箝口令が敷かれている中、大奥内の側室と姑に告げ、自分自身は落飾して仏門に入る回です。
何しろ、国のトップである将軍が亡くなったのですから一大事件です。
ですが、自分自身も看取る事も対面する事もかなわなかった篤姫からすると同じような思いをしているだろう人達に黙っているわけにはいかなかったのでしょうね。
夫の側室・お志賀の方
篤姫は夫の側室の「お志賀の方」にも伝えます。
お志賀の方は篤姫が輿入れ前から大奥で寵愛を受けてきたと人物です。
私は腹の底では何を考えているか分からないお志賀の方が嫌いでしたが、お志賀の方も後から来た篤姫に寵愛を奪われていると思っていたんだなと感じました。
お志賀の方から観て篤姫は「あれだけの御渡りがあって」と思うような人物でした。
後から入ってきた篤姫の身分が高いとは言っても自分よりも明らかに寵愛されていると感じたのでしょうね。
このドラマでは、将軍・家定(篤姫の夫)は篤姫の下に通います。
囲碁を楽しむのです。
囲碁と言っても五目並べです。
五目並べをしながら、篤姫との会話を楽しみ、篤姫と親睦を深めて行きます。
篤姫と夫が囲碁を楽しんでいる間、お志賀の方は会うことは出来ません。
ここで孤独感を感じていたのかもしれないなと思いました。
お志賀の方はこの大河ドラマ以外では厭味で将軍の寵愛を独占している嫌な女として描かれる事が多かったのですが、この大河ドラマではちょっと違った感じがしました。
あまり自己主張をしない女性です。
演じる鶴田真由さんの可愛らしさがそういう思いに至らせたのもかもしれません。
ただ、将軍・家定が亡くなった事を知って、何度もお渡りのあった篤姫に苦言を言ったのです。
「どうして、気が付かなかったのか?」と言いたかったのです。
自己主張をしてこなかったお志賀の方も将軍・家定への愛があったのでは?と感じられたシーンでした。
それでも側室の立場で御台様に苦言を呈したという事は変わらないのですが…。
姑・本寿院
難題はここからです。
姑に言わねばなりません。
篤姫の側近、幾島は必死で止めますが、篤姫の性格上、息子の死を知らずにいるのはあまりに辛すぎるという判断でした。
幾島の制止を押し切って広大院に知らせに行きます。
真実を知った姑は荒れ狂って篤姫に当たり散らします。
殴る蹴るの暴力です。
まわりの者が止めようとするのを篤姫は辞めさせます。
自分自身が最初に知った時に辛くてならなかった事や息子を失った姑の気持ちを考えると当たるだけ当たらせておこうという気持ちになったのです。
篤姫の心を知り、姑は息子の死が真実だと悟り泣き崩れてしまいます。
篤姫に対して暴力を振りまくった姑は酷いものでしたが、その気持ちを全部受け止めてしまう篤姫。
この心の深さが夫(将軍・家定)の心も動かしたのかもしれません。
落飾
未亡人となってしまった篤姫には落飾という課題がありました。
仏門に入ると言う事なのですが、これまでのような綺麗な着物ではなく仏門に帰依した装いになります。
地味な装いになります。
髪も切ります。
ただ、髪は長い部分を切るにとどまります。
頭を丸めるわけではありませんが綺麗に整えられていた髪を切ってしまうと今までのような華やかな髪形とは違う質素なものになってしまいます。
こういう姿が変わってしまったのを観て当時の人は「若いのに髪をおろしてしまった」と哀れに感じたのでしょうね。
ですが、篤姫は仏門に帰依する事で夫に近づけたと笑顔です。
篤姫は何となく光の人で良いなあと思います。
やっぱり若いです。
篤姫も宮崎あおいちゃんも。
実は篤姫が夫を亡くしたというのが満年齢で22歳だったと言う事で奇しくも演じる宮崎あおいちゃんの当時の年齢と同じだったのですね。
今なら大学の卒業の年です。
人生これからっていう時期です。
そう思うと、篤姫は若すぎる。
当時と今の感覚が違うと言っても篤姫は人生の前半で夫に先立たれてしまったのですね。
辛い、辛すぎる。
ここで天璋院となられます
ここで、この回は終わります。
篤姫をもっと知りたい人へ
配信はこちら
映像で観たい方はこちら
大河ドラマ篤姫(2008年)は大変人気が高く、NHKでも繰り返し再放送されています。
その為にVODの配信などは期間限定になる事が多く、全編を視聴するのはDVDセットが一番良いかと思います。
どちらも装丁がとても綺麗です。
天璋院篤姫の原作はこちら
篤姫の原作は宮尾登美子先生によるものです。
大河ドラマの原作はこの宮尾登美子のものですが、大河ドラマになるにあたって随分違う趣になりました。
50話に及ぶ脚本に転じた大河ドラマなのでこの原作だけでは凌駕しえなかった事は容易に想像できますが、設定が違いすぎるのでそれも面白がって読める人には良いと思います。
上下巻の2冊で読むことが出来ます。
今は電子書籍も豊富にあるのでお好みに合わせてどうぞ。
大河ドラマ基本情報
2008年 篤姫エピソード
放送当時のスペックです。
各リンクには私の個人的な感想や思い出をつづっています。
第1回 – 天命の子 – 2008年 1月6日
第2回 – 桜島の誓い – 2008年 1月13日
第3回 – 薩摩分裂 – 2008年 1月20日
第4回 – 名君怒る – 2008年 1月27日
第5回 – 日本一の男 – 2008年 2月3日
第6回 – 女の道 – 2008年 2月10日
第7回 – 父の涙 – 2008年 2月17日
第8回 – お姫様教育 – 2008年 2月24日
第9回 – 篤姫誕生 – 2008年 3月2日
第10回 – 御台所への決心 – 2008年 3月9日
第11回 – 七夕の再会 – 2008年 3月16日
第12回 – さらば桜島 – 2008年 3月23日
第13回 – 江戸の母君 – 2008年 3月30日
第14回 – 父の願い – 2008年 4月6日
第15回 – 姫、出陣 – 2008年 4月13日
第16回 – 波乱の花見 – 2008年 4月20日
第17回 – 予期せぬ縁組み – 2008年 4月27日
第18回 – 斉彬の密命 – 2008年 5月4日
第19回 – 大奥入城 – 2008年 5月11日
第20回 – 婚礼の夜 – 2008年 5月18日
第21回 – 妻の戦 – 2008年 5月25日
第22回 – 将軍の秘密 – 2008年 6月1日
第23回 – 器くらべ – 2008年 6月8日
第24回 – 許すまじ、篤姫 – 2008年 6月15日
第25回 – 母の愛憎 – 2008年 6月22日
第26回 – 嵐の建白書 – 2008年 6月29日
第27回 – 徳川の妻 – 2008年 7月6日
第28回 – ふたつの遺言 – 2008年 7月13日
第29回 – 天璋院篤姫 – 2008年 7月20日
第30回 – 将軍の母 – 2008年 7月27日
第31回 – さらば幾島 – 2008年 8月3日
第32回 – 桜田門外の変 – 2008年 8月10日
第33回 – 皇女和宮 – 2008年 8月17日
第34回 – 公家と武家 – 2008年 8月24日
第35回 – 疑惑の懐剣 – 2008年 8月31日
第36回 – 薩摩か徳川か – 2008年 9月7日
第37回 – 友情と決別 – 2008年 9月14日
第38回 – 姑の心 嫁の心 – 2008年 9月21日
第39回 – 薩摩燃ゆ – 2008年 9月28日
第40回 – 息子の出陣 – 2008年 10月5日
第41回 – 薩長同盟 – 2008年 10月12日
第42回 – 息子の死 – 2008年 10月19日
第43回 – 嫁の決心 – 2008年 10月26日
第44回 – 龍馬死すとも – 2008年 11月2日
第45回 – 母からの文 – 2008年 11月9日
第46回 – 慶喜救出 – 2008年 11月16日
第47回 – 大奥の使者 – 2008年 11月23日
第48回 – 無血開城 – 2008年 11月30日
第49回 – 明治前夜の再会 – 2008年 12月7日
最終回 – 一本の道 – 2008年 12月14日