地方から有名になることを夢見て上京した女性はある謎の男に声を掛けられます。
「テレビに出てみないか」という魅力的な誘いに彼女はどうするでしょうか？
内容（ドラマに準拠します）
地方から出てきて都会で一人暮らしをしている女性。
有名になりたいという願望を心に秘めながら、ＳＮＳで自分の日常を発信している。
ある日、謎の男から「テレビに出てみる気はないか？」と声をかけられる。
その夜、自宅のテレビ画面の中に…
いつか有名になりたいという思いを秘めながら派遣バイトをしている女性。
地方から出てきたその人はSNSで日常を晒してフォロワーを増やしながらテレビに出る事を夢見ています。
そんなある日、喫茶店で「テレビに出てみる気はないか？」と声を掛けられます
家に帰って自分の部屋でテレビを見ていると勝手に見も知らぬ女性が出てきています。
白い服を着て「助けて」という女性を演技が下手な女優で自分の方が演技がうまいくらいに思います。
また「テレビに出てみないか」という男に遭います。
今度は何とも胡散臭い謎の男についていきます。
裏口のような怪しいところでも、「自分は選ばれた」と思う彼女は全く異変を感じません。
そして、暗い部屋閉じ込められてしまいます。
分厚い扉は開きそうにありません。
自分は騙されたと初めて気がつきます。
そして、分厚いドアは開かない。
自分はここで死ぬことを悟り、もう、窓の向こうのカメラのカメラに気が付いた彼女はカメラに向かって叫びます。
その叫びは自分の部屋で見ている女性のテレビ画面にうつりました。
その叫びはかつて自分が思ったように「下手な演技」とか思われれず、スルーしてしまいます。
画面（窓）の向こうで自分が鼻で笑われている事を見て絶望してしまいます。
ここで物語は終わります。
オチ
謎の男は自分を悪魔だと言いました。
その証拠に分厚いドアもスルーっと抜け出してしまいます。
この悪魔の思いは「勘違いしている人間を懲らしめる為」と言ったような様相です。
ですが、悪魔としてもそうやって何の得があるのかよく分かりません。
主人公は自分より売れている女性を卑下したり、自分だけは別だと思っています。
時代は変わりました。
SNSで発信するなんて言うようなことは星新一の世界にはありません。
令和の時代に即した発信方法になっています。
謎の男もドラマでは40代くらいの男性という事になっていますが、原作では老人です。
この辺にも注目点があるかもしれません。
女性がついて行く事であってもドラマではいかにも「怪しい謎の男」と言った感じになっていますが、原作では「お爺ちゃんなら仕方ないかな？」というような感じも受け取れるからです。
また主人公の女性も18歳のかなり魅力的な女性という設定になっていてドラマではもう少し大人なのでその辺の違いも面白いと思います。
最終的に「窓」というのは画面に取り付けれたカメラの事だという解釈で良いと思います。
その、「窓」に向かってわめき叫んでいた女性が自分の前の犠牲者で今泣きわめいているのが今の犠牲者である女性自身なのです。
原作では「これ以上犠牲者を出したくない」という思いの元に叫びますが、ドラマでは最後まで自分の言事しか考えていないような感じでこれもドラマと原作で随分違うなと感じました。
皆さんのお考えはどうでしょう？
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ(2022年）感想一覧
＊放送日時はBSで放送された初回放送日です。『○○○』は収録されている原作巻です。
第1話 ボッコちゃん (2022年4月5日放送) 『ボッコちゃん』
第2話 生活維持省 (2022年4月12日放送)『ボッコちゃん』
第3話 不眠症 (2022年4月19日放送)『ボッコちゃん』
第4話 地球から来た男 (2022年4月26日放送) 『地球から来た男』
第5話・第6話 善良な市民同盟 前・後編 (2022年5月3日・10日放送) 『なりそこない王子』
第7話 逃走の道 (2022年5月17日放送) – 『エヌ氏の遊園地』
第8話 見失った表情 (2022年5月24日放送) 『ようこそ地球さん』
第9話 薄暗い星で (2022年5月31日放送)『悪魔のいる天国』
第10話 白い服の男 (2022年6月7日放送)『白い服の男』
第11話 ものぐさ太郎 (2022年6月14日放送) 『なりそこない王子』
第12話 窓 (2022年6月21日放送) 『宇宙のあいさつ』
第13話 凍った時間 (2022年6月28日放送) 『ちぐはぐな部品』
第14話 夜と酒と (2022年7月5日放送)『凶夢など30』
第15話 ずれ (2022年7月12日放送) 『ようこそ地球さん』
第16話 もてなし (2022年7月19日放送) 『地球から来た男』
第17話 鍵 (2022年7月26日放送) 『妄想銀行』
第18話 買収に応じます (2022年8月2日放送) 『さまざまな迷路』
第19話・第20話 処刑 前・後編 (2022年8月9日・16日放送) 『ようこそ地球さん』
もちろん、全話収録
ドラマの原作巻リスト
ドラマの原作になったタイトルを抜き出してみました。
この機会に読んでみた人は是非参考になさってください。
今回のドラマ化だけで12冊の本が底本になっています。
それぞれのお話は読み切りのショートショートなのでお好きな順序でお読みください。
『ボッコちゃん』
第1話 ボッコちゃん 第2話 生活維持省 第3話 不眠症
『地球から来た男』
第4話 地球から来た男 第16話 もてなし
『なりそこない王子』
第5話・第6話 善良な市民同盟 前・後編 第11話 ものぐさ太郎
『エヌ氏の遊園地』
第7話 逃走の道
『ようこそ地球さん』
第8話 見失った表情 第15話 ずれ 第19話・第20話 処刑 前・後編
『悪魔のいる天国』
第9話 薄暗い星で
『白い服の男』
第10話 白い服の男
『宇宙のあいさつ』
第12話 窓
『ちぐはぐな部品』
第13話 凍った時間
『凶夢など30』
第14話 夜と酒と
『妄想銀行』
第17話 鍵
『さまざまな迷路』
第18話 買収に応じます
著作リスト
星新一の著作はとても多く今もたくさん発行されています。
新潮文庫、角川文庫の一部をピックアップしています。
もちろん、これ以外にもたくさんあります。
入手可能なものを並べてみました。
