池田理代子 聖徳太子(1992年)

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グレース
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断捨離をしていたら出てきた本。
池田理代子の聖徳太子。
読みかしたら面白かったのでこちらで紹介。
現在も読むことが可能なリンクも貼っておきます。

池田理代子の聖徳太子

みなさんは「ベルばら」といわれた「ベルサイユのばら」や「おにいさまへ…」なんかはご存じ?
池田理代子は華麗で流麗な美しいキラキラした漫画を描く人です。

池田理代子の「聖徳太子」はマニアックな作品で少し説明が必要かなと思います。

内容紹介を参考にしてちょっと蘊蓄を書いておきます。
聡明でリーダーシップに優れた偉人である聖徳太子の生涯を、池田理代子が詳細に描いた作品。

あらすじ

物語は西暦574年、敏達天皇びたつてんのうの時代に生まれた厩戸皇子うまやどのおうじ(後の聖徳太子)。
彼は天皇家と蘇我家そがけの血を引く王族の家系に生まれ、幼少期からその非凡な才能を示し始める。
成長するにつれて、彼は日本を「日出ひいずる国」として隋に国使を送るなど、外交面でも優れた手腕を発揮。

小野妹子との出会い

ざっと読み進めて面白いのが後に遣隋使になる小野妹子との出会い。
もちろん、創作なのですが、一般人の振りをした聖徳太子がまだ子供の小野妹子に出会い、将来の予言をするシーンです。
乳母に抱かれるくらいのまだ小さな小野妹子が聖徳太子になる前の厩戸皇子の手を取ります。
むしろ、小さな小野妹子の方が厩戸皇子に諭すような感じです。

小野妹子が厩戸皇子が心酔していた日羅にちらという僧の化身か生まれ変わりであるような描写も観られ、創作パートもなかなか面白いです。

ちなみに小野妹子は男性です。
妹子なんて言うから女性と思う人も多いようですが、男性です。
(ここは結構ビックリポイントのようです)

聖徳太子は伝説的な人物なので本来どうであったかとか、今となってはいなかったのではないかと色々言われますが、そういうことは無視して一つの時代漫画としてよくできているなと思いました。
もちろん、時代背景などはしっかりしています。

推古天皇が美女

聖徳太子は推古天皇の摂政として活躍した事が知られていますが、とにかくこの推古天皇が色っぽいのです。
超絶な美女で官能的。
多くの人の推古天皇のイメージとはまるで違います。

聖徳太子が「謎の人物」とか「伝説な人物」と言われる理由の一つに彼の子孫がいないという事があげられます。
彼の子供たちは蘇我入鹿そがのいるかによって殺されてしまったというのが実情だからです。

聖徳太子の主な偉業(伝説的なモノも含める)

  1. 冠位十二階の制定 (603年)
    冠位十二階は、官僚の位を6段階に分け、さらにそれぞれを大小に分けて12階級とした制度。
    個人の能力に基づいて序列を決定する画期的なシステム。
  2. 十七条憲法の制定 (604年)
    日本初の成文法とされ、官僚の心得や国家運営の基本方針を示した。
  3. 遣隋使の派遣 (607年)
    中国の隋に使節を送り、国際的な外交関係を築く。
    「日出処の天子」として対等な立場を主張。
  4. 仏教の普及
    法隆寺などの寺院を建立し、仏教の普及に尽力。
  5. 天皇中心の政治の推進
    これらの改革を通じて、天皇を中心とする中央集権的な政治体制の基礎を築く。

本当かウソか微妙なところもあるようですが、この辺を頭に入れてから読むと一層分かりやすいと思います。

入手困難本と思っていましたが、デジタルコンテンツでも人気の作品のようです。
無料ページも多くあるために最初の部分だけでもどうぞ。

蘊蓄:最初は創隆社という所から出ていますが、今は講談社で紙の本も入手可能です。