進撃の巨人32巻　虐殺はダメだと言い切るハンジ。マルコの死の真相を知るジャン。アズマビトを救い飛行艇を飛ばせるのか？かつての同胞を手にかけるコニー。シャーディスとマガトは子供たちに託す。エレンの回想で見えてこなった真実も？

グレース

あらすじと感想。原作の順番に準拠します。
アニメと原作では話数や分かりやすくするために話が前後しているものが多いようです。
ここでは原作の順番を優先して、分かりにくい部分は私の解説と感想を加えて書いていきます。
多角的に読まれることも多い本作品ですので、ここでの解説も私個人の一つの解釈に過ぎない事を前提としてお読みいただけますと幸いです。

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第127話　週末の夜

ジャンの妄想から始まります。
戦いが終わった後、セントラルの一等地で妻子とすごし、朝だろうと昼だろうと上等の酒を飲んで過ごす自分の姿です。
この島の未来は自分たちが戦ったからあるんだから…。
そんな妄想をしている中、ハンジが訪ねてきます。
外に出向いたジャンはミカサから状況を聞いたと言うハンジの話を聞きます。
リヴァイは生きている事、マーレ残党と車力の巨人と手を組んだことも言います。

そして、エレンを止めたいと言うハンジ。兵団組織もバラバラ。エレンが始祖の力を継続しても後4年。その後、ずっと世界から向けられる憎悪が消えないならエレンを止めるとこの島を滅ぼすと言うジャン。

でも、ハンジは「虐殺だけはダメだ!!これを肯定する理由があってたまるか!!」と言い切ります。
死んでいった仲間たちは外の世界がある事や人類がいる事も知らずに死んでいったが、この島だけに自由をもたらせばそれで良いと言うケチな事を言う仲間はいないだろうと言うのです。

ミカサはすぐに同意しましたが、ジャンもマルコの顔を思い出し、協力することにします。

車力の巨人、マガト、アニ、ライナー、ガビ、ファルコ、イェレナ、オニャンコポン、コニー、アルミン、ミカサ、ジャン、ハンジ、そして重傷のままのリヴァイが集まります。
今まで戦ってきた人たちが一堂に会しました。
簡単に分かち合えるはずもありません。
でも、殺し合わずに話をしている事が奇跡だとハンジは言います。
アニはいざと言う時に「エレンを殺せるのか」とミカサ達に問います。
ミカサもアルミンもエレンを殺す以外の方法を優先したいのです。
アニとミカサが一触即発となった時に、マガトが止めます。
とりあえず、協力することになりました。

シチューを食べながら、アズマビトの協力が必要だと言うハンジ。
マガトと車力の巨人によってイェレナがマーレ人である事が初めて明かされます。そして、イェレナはジークの信奉者である事は揺るぎないようでした。
イェレナはそこにいる人々の暗部を突き刺していきます。ジャンの親友マルコはライナーとベルトルトに取り押さえられ、アニから立体起動装置を取り上げられそのまま巨人に食われたのです。
それが初めてジャン達に明らかにされたマルコの死の真相でした。
一時は冷静に聞いていたジャンでしたが、ライナーをボロボロになるまで殴りつけます。ライナーは抵抗せずに殴られ続けます。そこへガビがライナーを庇います。ガビはそのうえで力を貸してほしいと調査兵団に頭を下げます。
「地鳴らし」を一緒に止めてほしい。

ジャンはたまらず、その場を去り、耳をふさぎます。

次の日、ジャンはガビを起こし出発すると言います。協力することにしたのです。
そして、ライナーを起こします。怪我はもう治っています。
出発する馬車の中、ジャンはガビに謝りますが、ライナーには謝りません。ライナーもそれで良いと言います。

様子を見に行っていた車力の巨人がやってきます。港がイェーガー派に占拠されているのです。
そして、フロックはアズマビトのキヨミを捕らえていました。

第128話　裏切り者

マガトとハンジが港にいるイェーガー派やフロックの動きを調べています。飛行艇を奪う計画を立てます。

飛行艇を奪ってもアズマビトの整備士が必要です。その整備にどれくらいの時間がかかるかも分かりません。そのためにはイェーガー派を殺すくらいの覚悟は必要でした。でも、その中には今まで訓練時代から一緒に頑張ってきた同期もいるのです。
覚悟が決まっているハンジはもう調査兵団を4人殺しています。人類には時間が残されていないのです。
マガトはイェレナを拷問しますが、それでもイェレナは答えません。マガトは制止されます。そして、初めて調査兵団に頭を下げるのです。自分たちの行為に目を瞑つむってくれと。
アルミン達も覚悟が決まりました。自分達だけが手を汚さずいる事はできない。つまり、全面的に協力するのです。

フロックはヒィズルのアズマビトたちを捕らえていました。自分に思うようにいかなかった者たちは殺していきます。キヨミは冷静に対処しています。
アルミンがフロックを呼びます。車力の巨人を追うために飛行艇を使う。だから、アズマビトを連れてこいと。フロックは窓から顔を出しますが、とっさに理解できないようです。
飛行艇の近くにいたダズとサムエルに飛行艇の爆弾を取る指示をするアルミンとコニー。ダズとサムエルもアルミン達が裏切るのではという情報を共有していました。でも、アルミンの説得と元々疑いたくないダズとサムエルはアルミン達を信じ、爆弾を外します。

フロックはアズマビトに銃を突き付けて殺そうとします。キヨミがフロックを抑えます。その瞬間、ミカサが飛び込んできました。そして、イェーガー派を次々に攻撃していきます。
キヨミとアズマビトを地下室へ誘導します。
フロックはミカサもアルミンも裏切ったと号令します。イェーガー派はどんどん襲ってきます。ミカサも応戦します。マガト、ハンジ、ジャンも合流し、アズマビトを助けます。

ダズとサムエルはおかしいと気が付いて飛行艇を爆発させようとします。そして、アルミンはサムエルに撃たれ重傷を負います。

アニとライナーが巨人化します。そしてイェーガー派と戦います。

アルミン、コニーがダズとサムエルと格闘し、コニーは泣きながらダズとサムエルを殺します。

第129話　懐古

殺してしまった仲間が海中に沈むのを思わず手を伸ばすアルミン。コニーも殺した仲間の前にいます。
巨人化したアニとライナーは戦っています。

アズマビトと話すハンジは飛行艇を飛ばすために半日以上の時間が必要な事を知ります。ここでは無理です。整備が出来るオディハという場所まで曳航する必要がありました。
計画は変更です。この知らせはすぐに伝達され、アズマビトも飛行艇に向かいます。鋼の巨人のライナーがアズマビトを守ります。
アズマビトが飛行艇に到着する前にアニとライナーの二人の巨人はイェーガー派の総力戦にも対抗しきれないくらいになってきます。
イェーガー派の増援は列車ごと爆破してしまいます。（シャーディス教官が爆破）

動けなくなったアニとライナーを助けるべくコニーも対抗し始めます。ジャン、ミカサ、ピーク（車力の巨人）も対抗します。

ファルコはその時、巨人化するために手を傷つけていました。巨人化した瞬間、イェーガー派を吹っ飛ばすファルコ。
フロックは雷槍を持って船に穴をあけようとしますが、それをガビが船上から撃ち抜きます。
イェーガー派は総崩れとなったのですぐに出発しようとしますが、初めて巨人化したファルコが自分を制御できていません。ピークが何とかファルコを抑え、マガトがうなじからファルコを切り出し。マガトはファルコを託し、自分は残ります。

一人残ったマガトを襲おうとしたイェーガー派を襲ったのはシャーディス教官でした。
イェーガー派の増援を食い止めたのもシャーディスだと察したマガト。即座に協力することになります。マガトとシャーディスは弾薬庫を爆発させます。その直前にお互いを名乗ります。

出発する船上から港が爆発するのを見る一行。ガビは泣き叫びピークはガビを抱きしめながら港を凝視しています。

グレース

マガトとシャーディスは子供たちを戦場に送るための教育をしていました。一瞬の出会いでお互いを認めました。名前以外の自己紹介はなかったのですが、同じ境遇を察して死に場所を決めたようなシーンでした。

第130話　人類の夜明け

アニとライナーの故郷レべリオはもう救えず、船もオディハへ曳航することをハンジは話します。
レべリオを救いたいから戦ってきたアニはもう戦いたくないから降りると言います。
アニはもうかつての仲間たちともエレンとも戦いたくないのです。

ある回想が始まります。
誰かは言明されていませんが、おそらくはエレンの記憶です。
・エレンが大きな樹の下で眠っていた時にミカサが見つめていた事。
・グリシャ（エレンの父）の若い頃。
・ヒストリア女王の手に触れて進撃の巨人の道（過去と未来の記憶）を観た時。
・イェレナに安楽死計画を話された時。
・フロックにジークの計画に従うフリをするからフロックにもそうするように言った時。
・ヒストリアを巨人化してジークを食べさせる計画を憲兵団が進めている事を告げたらヒストリアは堅実な方法に従うと言います。
・エレンはすべての敵をこの世から一匹残らず駆逐すると言うのです。ヒストリアは「それは間違っている」と反論し、なんとしてでもエレンを止めたいのです。
・ジークとエレンが収容所で会った時にアッカーマン一族の特有の疾患は巨人学のクサヴァーからも聞いておらず、ただエレンが好きなだけだろうと言われます。
・ヒストリアは自分から「私が…子供を作るのはどう？」と提案します。
そして、エレンは自分が死んだ後も仲間たちには幸せでいてほしいと願っている事で回想は終わります。

グレース

ヒストリアが妊娠したのはヒストリアからの提案で計画的なものでした。特に相手は障りがなければ良かったのです。ヒストリアが相手を選ぶときに特に愛情もなく、表情もなかったのはこの辺に理由があったのです。ヒストリア自身が妊娠すれば、巨人化すると言う憲兵団の思惑から外れる事が出来ます。これで憲兵団の計画を一つ潰す事が出来たのです。

「地鳴らし」を止めるために「世界連合艦隊」が出動します。ですが、巨人たちの前に全く歯が立ちません。
そして、「地鳴らし」をする巨人たちの後方に巨人たちを覆う程の骨格の「進撃の巨人」が登場します。

エレンの意識が目の前で母親巨人に食べられた事を思い起こします。
それを見て「駆逐してやる」と思った事。
「この世から一匹残らず」

次巻に続く。