おとうとものがたり
やなせたかし先生の『おとうとものがたり』という本を購入。
この本は、やなせ先生が生前、ご自身の弟・千尋さんとのことを綴った18篇の詩集です。
この度の朝ドラで大きく増販され、手に入ることになりました。
発売当初は、やなせ先生が「プライベートすぎることだから」との理由で、あまり大きく宣伝されていなかったため、私も購入できなかったのです。
この中でも書かれていますが、先生自身も自分の心を抉られるような思いで書いたものです。
18篇の詩は時系列で書かれています。
- 実の父の死
- 実の母との別れ
- 伯父夫婦に引き取られる
- 養子となったのは弟
- 兄弟は共に同じ場で育てられる
- 弟は優秀、兄はそうでもなかった
- 戦争に行く2人
- 弟は戦死
ここで終わります。
朝ドラの時系列と同じなので、今回の朝ドラがいかに忠実に作られているかを考えさせられます。
この『おとうとものがたり』は、一部の詩が公開されている珍しい本でもあります。
一つは先生の故郷で、壁伝いに詩とイラストが展示され、版元のフレーベル館では朗読付きで3篇も無料公開されています。
これらは、やはり戦争の記録や悲しさを知ってほしいという気持ちがあったからではないかと思います。
この中に、弟の千尋さんが幼い頃に女の子の格好をさせられていたという詩があります。
当時は「男の子は弱いから女の子の格好をさせると健康に育つ」という迷信があり、そうさせていたのですが、やなせ先生自身も「ちひろが女の子だったら、戦争に行かずに済んだのでは」という思いもあったのかなと思います。
18篇の詩はイラストとともに綴られています。
あなたの思いはどうでしょうか?
絵本のようにサッと読める本ですが、それぞれの詩がとても深く、深く考えさせられます。
短い詩ですが、朝ドラの千尋さんとの経緯は、この『おとうとものがたり』で網羅されているのではないかと思います。