再放送の篤姫
篤姫 | ||
第28回 | ふたつの遺言 | 2008年7月13日初回放送 |
今回は父と夫がいっぺんに亡くなってしまう回。
辛すぎる篤姫。
やっと夫との距離が縮まって心のつながりはあるようになった篤姫。
(正確には御台様なんだけれど、篤姫で通します)
夫側(将軍)は跡取りを家茂にしたい。
妻側(篤姫)は跡取りを慶喜にしたい。
後の世から考えると家茂は14代将軍。
慶喜は15代将軍なので、後先の話くらいなのだけれど、当時はこれが大問題だったわけです。
自分の妻(篤姫)として送り込まれた人物が、恐らくは政治的に「次の将軍」を決めるためであろうと言う事も夫側は分かっていたであろうが、この夫婦、意外に心を通じ合わせる事になります。
史実では13代家定は暗愚であったのではとか、言われるけれど、この大河ドラマの「実は暗愚の振りをしていた」という設定であった。
これは結構あり得るのではないかと思っている。
将軍はお飾りと言えばそれまでかもしれないが、いくらかの統率力は必要だし、権威も必要。
それこそ、大奥からあらぬうわさが流れたらその方が困るわけです。
ここから、この回の感想。
サブタイトルが「ふたつの遺言」ってなっているから、夫と父がいっぺんに死んでしまうのです。
おまけにすぐに訃報が聞けたわけでなくて、父の訃報を聞いた後に夫の訃報を聞く篤姫。
更に亡くなった順番は「夫→父」なのです。
夫は江戸城のすぐそばにいるのに半月以上も亡くなった事すら教えてもらえなかったのです。
また、父は遠く離れた薩摩の地から早馬で知らされます。
ですが、駆け付けられる事もないのです。
大切な人達を次々と亡くし、その葬儀にもいけない篤姫。
劇中では、亡くなった夫とは対面しますが、これも切なすぎます。
(史実では対面できたかは分かりません)
亡くなった事すら半月も知らせてもらえず、強行突破して夫・家定の下へ駆けつける篤姫。
亡きがらに向かって笑顔で愛を語る篤姫は切なかったです。
篤姫の養父、斉彬が臨終の際、小松帯刀との話も辛かったです。
小松帯刀が篤姫に思いを寄せていた事を知っていてそれでも将軍家へ輿入れさせたことを詫びるのです。
もう、そういう事はどうにもならない事は分かっているのですが、思いを知っていた斉彬に深い愛情を感じました。
これで篤姫は今で言う未亡人になってしまいます。
夫を亡くした年齢がものすごく若くて、ちょうど篤姫を演じる宮崎あおいさんとの若さと通じます。
実際、篤姫は満年齢の22歳で未亡人となっています。
将軍家定の妻だったのはたったの2年弱。
「公方さまは日本一!」そう言って夫婦愛を深めた篤姫。
日本で偉い人だからでなくて「自分にとって日本一」であると。
そうきちんと伝えられた篤姫は素敵だなと思った回でした。
篤姫をもっと知りたい人へ
配信はこちら
映像で観たい方はこちら
大河ドラマ篤姫(2008年)は大変人気が高く、NHKでも繰り返し再放送されています。
その為にVODの配信などは期間限定になる事が多く、全編を視聴するのはDVDセットが一番良いかと思います。
どちらも装丁がとても綺麗です。
天璋院篤姫の原作はこちら
篤姫の原作は宮尾登美子先生によるものです。
大河ドラマの原作はこの宮尾登美子のものですが、大河ドラマになるにあたって随分違う趣になりました。
50話に及ぶ脚本に転じた大河ドラマなのでこの原作だけでは凌駕しえなかった事は容易に想像できますが、設定が違いすぎるのでそれも面白がって読める人には良いと思います。
上下巻の2冊で読むことが出来ます。
今は電子書籍も豊富にあるのでお好みに合わせてどうぞ。
大河ドラマ基本情報
2008年 篤姫エピソード
放送当時のスペックです。
各リンクには私の個人的な感想や思い出をつづっています。
第1回 – 天命の子 – 2008年 1月6日
第2回 – 桜島の誓い – 2008年 1月13日
第3回 – 薩摩分裂 – 2008年 1月20日
第4回 – 名君怒る – 2008年 1月27日
第5回 – 日本一の男 – 2008年 2月3日
第6回 – 女の道 – 2008年 2月10日
第7回 – 父の涙 – 2008年 2月17日
第8回 – お姫様教育 – 2008年 2月24日
第9回 – 篤姫誕生 – 2008年 3月2日
第10回 – 御台所への決心 – 2008年 3月9日
第11回 – 七夕の再会 – 2008年 3月16日
第12回 – さらば桜島 – 2008年 3月23日
第13回 – 江戸の母君 – 2008年 3月30日
第14回 – 父の願い – 2008年 4月6日
第15回 – 姫、出陣 – 2008年 4月13日
第16回 – 波乱の花見 – 2008年 4月20日
第17回 – 予期せぬ縁組み – 2008年 4月27日
第18回 – 斉彬の密命 – 2008年 5月4日
第19回 – 大奥入城 – 2008年 5月11日
第20回 – 婚礼の夜 – 2008年 5月18日
第21回 – 妻の戦 – 2008年 5月25日
第22回 – 将軍の秘密 – 2008年 6月1日
第23回 – 器くらべ – 2008年 6月8日
第24回 – 許すまじ、篤姫 – 2008年 6月15日
第25回 – 母の愛憎 – 2008年 6月22日
第26回 – 嵐の建白書 – 2008年 6月29日
第27回 – 徳川の妻 – 2008年 7月6日
第28回 – ふたつの遺言 – 2008年 7月13日
第29回 – 天璋院篤姫 – 2008年 7月20日
第30回 – 将軍の母 – 2008年 7月27日
第31回 – さらば幾島 – 2008年 8月3日
第32回 – 桜田門外の変 – 2008年 8月10日
第33回 – 皇女和宮 – 2008年 8月17日
第34回 – 公家と武家 – 2008年 8月24日
第35回 – 疑惑の懐剣 – 2008年 8月31日
第36回 – 薩摩か徳川か – 2008年 9月7日
第37回 – 友情と決別 – 2008年 9月14日
第38回 – 姑の心 嫁の心 – 2008年 9月21日
第39回 – 薩摩燃ゆ – 2008年 9月28日
第40回 – 息子の出陣 – 2008年 10月5日
第41回 – 薩長同盟 – 2008年 10月12日
第42回 – 息子の死 – 2008年 10月19日
第43回 – 嫁の決心 – 2008年 10月26日
第44回 – 龍馬死すとも – 2008年 11月2日
第45回 – 母からの文 – 2008年 11月9日
第46回 – 慶喜救出 – 2008年 11月16日
第47回 – 大奥の使者 – 2008年 11月23日
第48回 – 無血開城 – 2008年 11月30日
第49回 – 明治前夜の再会 – 2008年 12月7日
最終回 – 一本の道 – 2008年 12月14日