100分de名著「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹

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名著148「ねじまき鳥クロニクル」村上春樹 - 100分de名著
一度は読みたいと思いながらも、手に取ることをためらってしまったり、途中で挫折してしまった古今東西の“名著”。この番組では難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていきます。プレゼン上手なゲストによるわかりやすい解説に加え、...
グレース
グレース

世界でもっとも有名な作家の一人と言っていい村上春樹。
寡作ですが、出版のたびにニュースになるので読んだことがなくても知る人は多いはず。
私自身もこの作品は今回で初めて読む事になります。
全三巻、購入してきました!
一緒に読み解いていきましょう。
各回、目次からジャンプできます。

第1回 日常のすぐ隣にある闇

「僕」こと岡田トオルがクミコと結婚して6年後、大切にしてきた飼い猫が突然失踪する。クミコに頼まれて自宅の裏路地で猫を捜索するが気配すらない。この捜索をきっかけにトオルは次々に奇妙な人物たちと出会う。過去の事件にトラウマを持つ女子高生・笠原メイ、特殊能力を持つ加納マルタとその妹クレタ、国際紛争の地ノモンハンでの悲惨な体験を語る間宮中尉……どこにでもある日常を生きてきたトオルに突如として非日常的な時空が立ち現れるのだった。第一回は、作品の執筆背景にも触れながら、村上春樹が描き出す登場人物や舞台装置を通して、私たちの日常のすぐ隣にある深い闇の存在について深く考察する。

感想

この作品のベースになる事件として、「ノモンハン事件」というものがあります。
調べてみたところ、1939年の出来事です。
戦時下の事件なので、「とりあえず聞いたことがある」という程度の人も多いと思います。
(私もその一人です)

このときの捕虜の扱いについての描写があまりに酷いため、指南役の沼野先生は「創作」であろうと推測しています。
(ただし、捕虜の扱いが正当でなかったのも事実です)

主軸となる物語は1980年代で、そこから40年ほど経っているということ。
男性が台所に立ってスパゲティを作るという表現が、「男のくせに稼いでいない」といった意図に結びついているとも言われています。

村上作品は、それぞれの登場人物の描写や時代背景が丁寧に書かれていると思います。
だからこそ長編になるわけですが……。

『ノルウェイの森』の話題にもなりました。
実は私自身、村上作品の「お初」は『ノルウェイの森』でした。
確かに気色の悪い小説で、途中何度も吐きそうになりながら読破しました。
(その初読以来、再読はしていません)

どんな思いで読んだかというと、「官能小説」と「純文学」はどう違うのか、真剣に考えさせられた作品でした。
そもそも読み進めたのも、親戚に強く「読むように」と手渡され、あの緑と赤の上下巻を一晩で読むという所業に及びました。
(今でも、あれは無茶ぶりだったと思います)

グレース
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そんなことを思い出した第1回でした。

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