内容(ドラマに準拠します)
原作は「ブルギさん」
ドラマに準拠した話で行きます。
うだつの上がらないある男が酒場で「ブルギさん」になりませんかと声をかけられバッジを渡されます。
その場の酒代を奢られた男は特に何も考えずにバッジを受け取ります。
このバッジを付けていれば、良い事ばかりが起きました。
また、奢られます。
女性に声をかけられて思い通りになります。
少し老人に親切にしたらお礼をもらえます。
今までうまくいかなかった会社の営業も大口の取引をしてもらえます。
暴漢に遭ったら命がけで助けてくれる人がいます。
こんな良い事ばかりが起きていて男は疑う事もなく、良い事を享受し続けます。
2か月ほどたったある日、ある宗教団体の本部に連れていかれました。
そこには、男に尽くした人たちが祈っていました。
そして、盃に入ったものを飲んだ瞬間、男は倒れてしまいます。
89年前に出来たこの宗教は1年ずつ、この犠牲者を出してきたのです。
男が享受したのは2か月でしたが、最初に酒場でバッジを渡した男が逃れるためにこの男にブルギさんと言う生贄になることをこの男に託したのです。
そして、この男は「まだ2か月しか…」とも言えず気が遠のいてしまいます。
ここで物語は終わります。
感想
星新一先生の作品はこうやって読者に後の事を想像させるという形で終わるものも多くあります。
この作品は人気があって何度かメディア化されています。
このブルギさんもある宗教がブルギさんにこの世の快楽を信者たちによって達成させるものの、すべての罪をブルギさんに被せて生贄にするという恐ろしい話です。
最初にブルギさんだった人からバッジを受け取りますが、ちょうど1年目にブルギさんだった人がすべての罪をかぶるのでおそらく10か月は良い思いをしたであろう男にバッジを渡した「前ブルギさん」が一番いい思いをしたであろう事は想像に難くありません。
原作
地球から来た男に収録。
この本の装丁もとても綺麗です。
私も持っています。
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ(2022年)感想一覧
*放送日時はBSで放送された初回放送日です。『○○○』は収録されている原作巻です。
第1話 ボッコちゃん (2022年4月5日放送) 『ボッコちゃん』
第2話 生活維持省 (2022年4月12日放送)『ボッコちゃん』
第3話 不眠症 (2022年4月19日放送)『ボッコちゃん』
第4話 地球から来た男 (2022年4月26日放送) 『地球から来た男』
第5話・第6話 善良な市民同盟 前・後編 (2022年5月3日・10日放送) 『なりそこない王子』
第7話 逃走の道 (2022年5月17日放送) – 『エヌ氏の遊園地』
第8話 見失った表情 (2022年5月24日放送) 『ようこそ地球さん』
第9話 薄暗い星で (2022年5月31日放送)『悪魔のいる天国』
第10話 白い服の男 (2022年6月7日放送)『白い服の男』
第11話 ものぐさ太郎 (2022年6月14日放送) 『なりそこない王子』
第12話 窓 (2022年6月21日放送) 『宇宙のあいさつ』
第13話 凍った時間 (2022年6月28日放送) 『ちぐはぐな部品』
第14話 夜と酒と (2022年7月5日放送)『凶夢など30』
第15話 ずれ (2022年7月12日放送) 『ようこそ地球さん』
第16話 もてなし (2022年7月19日放送) 『地球から来た男』
第17話 鍵 (2022年7月26日放送) 『妄想銀行』
第18話 買収に応じます (2022年8月2日放送) 『さまざまな迷路』
第19話・第20話 処刑 前・後編 (2022年8月9日・16日放送) 『ようこそ地球さん』
もちろん、全話収録
ドラマの原作巻リスト
ドラマの原作になったタイトルを抜き出してみました。
この機会に読んでみた人は是非参考になさってください。
今回のドラマ化だけで12冊の本が底本になっています。
それぞれのお話は読み切りのショートショートなのでお好きな順序でお読みください。
『ボッコちゃん』
第1話 ボッコちゃん 第2話 生活維持省 第3話 不眠症
『地球から来た男』
第4話 地球から来た男 第16話 もてなし
『なりそこない王子』
第5話・第6話 善良な市民同盟 前・後編 第11話 ものぐさ太郎
『エヌ氏の遊園地』
第7話 逃走の道
『ようこそ地球さん』
第8話 見失った表情 第15話 ずれ 第19話・第20話 処刑 前・後編
『悪魔のいる天国』
第9話 薄暗い星で
『白い服の男』
第10話 白い服の男
『宇宙のあいさつ』
第12話 窓
『ちぐはぐな部品』
第13話 凍った時間
『凶夢など30』
第14話 夜と酒と
『妄想銀行』
第17話 鍵
『さまざまな迷路』
第18話 買収に応じます
著作リスト
星新一の著作はとても多く今もたくさん発行されています。
新潮文庫、角川文庫の一部をピックアップしています。
もちろん、これ以外にもたくさんあります。
入手可能なものを並べてみました。