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https://www.nhk.jp/p/funewoamu/ts/GZ8RQ7PNJ1/episode/te/9RJLN9J48X/
初回放送日: 2024年4月14日
「大渡海」に“あるべき言葉”が入っていないことを見つけてしまったみどり(池田エライザ)。他にも漏れがないか調べるには、100万枚の用例採集カードを全て見直す必要がある。途方もない作業だが、馬締(野田洋次郎)らの選択はただ一つ「大渡海を穴のあいた舟にはしない」。西岡(向井理)が刊行発表会の準備を進める中、天童(前田旺志郎)らバイトも結集し地獄の日々が始まる。一方、松本先生(柴田恭兵)に病が見つかり…
「ちしお」が抜けていた膨大なチェックへ!
前回の終わりに「ちしお」という項目が抜けていた事が分かりました。
「血潮」「血汐」「千潮」…。
「ちしお」と言っても色んな漢字や意味があります。
ここで入れたかったのは「血潮/血汐」で「情熱」という意味もあるみどりにとっても大切な言葉でした。
他に抜けていないか膨大なチェックが始まります。
100万語のデータを何と手作業です。
謝罪の言葉
とにかく「ちしお」が入っていないことは事実です。
そこにいた人々は自分自身の責任をそれぞれ痛感しています。
誰も人を責めません。
謝罪に言葉が大体出た後で監修者の松本先生が「ごめんなさい」と言います。
さすがに先生に頭を下げさせたことに同席した全員が恐縮する事になりますが、松本先生はこれで謝罪の言葉は一通り出たと言います。
更に謝罪の言葉もたくさんあると先生はどんどん例を挙げて行きます。
すみません
すいません
ごめんなさい
悪かった
謝罪いたします
お詫びします
申し訳ありません
ご海容ください
多謝
懇謝
鳴謝
万謝
まだまだ他にもあるという松本先生。
でも、それよりも「抜け」が見つかった事が重要であるというのです。
先生は血潮の項目を執筆するために自宅へ。
残りのスタッフは100万語のチェック開始です。
限りある人数でチェックしなければならない上に労働基準法が厳しくなって毎日徹夜で仕事に当たる事も不可能です。
どう考えても2か月かかると思っていた時に天童君の後輩たちが話を聞いていたので自分たちも手伝わせてほしいと言ってくれます。
「乗りかけた船」だという天童君の後輩たち。
頼もしい助っ人導入です。
相変わらず体育会系のノリで気合を入れて取り組みます。
初版本には三浦しをんさんによる辞書作りのルポが
特典冊子としてついていました
今も大切にしています。
チェック方法
100万枚のカードと採用になった25万語の照らし合わせのチェックです。
採用が決定したカードには「大渡海」のハンコがあります。
このハンコ付きのカードがきちんと採用されているかをチェックしなければならないので100万枚すべてをチェックする事が必要になるわけです。
こちらの辞書も素敵なモノばかりです。
思いを伝えるのも難しい
みどりはあけぼの製紙の宮本さんと食事の約束をしていた事を思い出します。
とても楽しみにしていたのに、すっかり忘れるくらいだったのです。
即、SNSで連絡します。
受け取った宮本は花束を抱えて準備していましたが、余程の事だと察し、何度も返信メールを推敲しているうちに時間が経ちます。
「既読」になっているのに返信が来ないので、みどりも怒らせたかと思ってしまいますが、宮本からの返事は動画での「ファイトです!」という言葉でした。
みどりも「がんばります」と動画で返信。
何とかお互いに誤解せずに済んだようです。
地道すぎる作業の裏で
宣伝部の西岡さんはこの巻も宣伝に勤しんでいます。
チェックをし直しているという事情を知りながらの作業ですから、精神的にもギリギリの作業ですね。
追い込みで終電になる中、誰かが来た気配をみどりは感じます。
天童君は人影を観たと言って幽霊じゃないかと気が気ではありません。
この人影はブックデザイナーのハルガスミさんでした。
チェック終了、ハルガスミさんも参加!
「ん」の項目まで終了したその瞬間、拍手が沸き起こります。
その場に満面の笑みで拍手をするハルガスミさんがいました。
あのブックデザイナーのハルガスミさんは夜に自分のデザインを持ってきたときにスタッフたちの熱気に押されていたのです。
自分のデザインではダメだとその場でその時に持ってきたデザインを「滅せよ!」と破ってしまいます。
この時の「滅せよ!」と思ったのは自己顕示欲だと言います。
ハルガスミが装丁をすれば白紙でも売れるのです。
それにスタッフの熱意が加われば売れないわけがないのです。
熱意の「激流」です。
ハルガスミの装丁は「朝日」と「舟」と「波」がありました。
「波」はよく見ると文字です。
文字が「波」になるという素晴らしい装丁です。
随分趣が違いますが、この落ち着いた色合いも私は好きです。
宮本さんとデート
宮本さんとやっとのことでデートをして告白されるみどり。
泣きながら「ごめんなさい」と言ってしまいますが、幼い頃の自分を思い出して嫌われて知らずに離れられてしまう事が怖いと正直に言います。
宮本さんも同じ経験があるので自分は絶対にしないと言われ、みどりは安心して「好きです」と言って二人は思いを確かめ合う事になりました。
良かった!
みどりが「ごめんなさい」と言ったのは交際を断るためではなくて、自分自身の過去を振り返っての事でした。
知らず知らずに「言葉で」相手を傷つけてしまったり、心が離れてしまったり…。
何で相手が離れて行ったか理由も分からずに自問自答し、ずっと後悔し続けていたのです。
また同じ事になってしまうかもしれないという思いで出てしまったのが「ごめんなさい」という言葉でした。
「謝る事はない。思いを伝えたかっただけ」と笑顔でその場を去ろうとする宮本さんをみどりは止めます。
きちんと事情を話し、みどりも自分の思いを伝える事が出来ました。
表面的な「ごめんなさい」ではなくて、きちんと言葉にして理由を伝える事の大切さがこの2人の会話で身に沁みました。
刊行発表…そして松本先生は病気発覚
刊行発表も何とか無事に出来ました。
でも、ここで松本先生の病気が発覚しました。
食堂にガンが見つかったいうのです。
入院中も原稿をチェックするためにタブレットを購入します。
タブレット購入はグッジョブです!
そのタブレット購入に付き添った天童君は松本先生に国文科の博士課程に進むことを告げます。
松本先生にとっての後継者は天童君だったようです。
「大丈夫」「大丈夫」と言い合って、励まし合う辞書部のスタッフたちでした。
お見舞いも交代で行こうと計画していたその時にあの感染症がやってきます。
COVID-19と大渡海
感染症については少し前になるので時系列をまとめておきたいと思います。
日本でも感染症が確認されたのは2020年1月です。
松本先生が入院しだした頃には面会の制限が始まった頃と一致します。
ここでタブレットを購入していた事は「グッジョブ!」としか言いようがないですね。
実はタブレットがあれば、リモート通信も出来るので入院には必携です。
2020年1月16日 | 松本先生病気が見つかる |
1月末 | 日本でも感染症が流行しだす |
私自身、家族がこの時期に入院するようなことがあったので、高齢の方でもデジタルに詳しくない方でも、タブレットで通信する事は覚えておいて損はないと思います。
ちょっと本筋から外れた話ですが、皆さんの頭の片隅に…。
いよいよ最終回
次回は最終回になります。
予告だけで涙が溢れそうになりました。
時系列を正確に書いていた事で感染症の事も触れなければならなくなるだろうと思いましたが、最終回に全部ブッコんできましたね。
辛い事が多かった感染症ですが、こういう現実から目をそらすことなく、幸せな着地点になりますように。
次回最終回。
愛のある終わり方でありますように。
BSドラマ概要(各話感想)
各話感想を書いています。
話数をクリックしてください。
サブタイトルは特にありません。
話数 | 概要(公式サイトの説明より) | 初回放送 |
第1話 | 辞書づくりに13年かけるとは | 2024年2月18日 |
第2話 | “恋愛”の語釈をどう考える | 2月25日 |
第3話 | 水木しげるは辞書に収まるか | 3月3日 |
第4話 | 辞書に載せる河童の絵の謎 | 3月10日 |
第5話 | 「からかう」って何? | 3月17日 |
第6話 | 紙の辞書は廃止? | 3月24日 |
第7話 | ブックデザイナー登場 | 3月31日 |
第8話 | 用例採集は100万枚以上! | 4月7日 |
第9話 | 全項目チェック開始 | 4月14日 |
最終話 | ついに「大渡海」刊行 | 4月21日 |
配信
用語集
用語 | 読み方 | 意味 |
舟を編む | ふねをあむ | 「辞書」を「作る」 |
大渡海 | だいとかい | 辞書のタイトル |
玄武書房 | げんぶしょぼう | 出版社の名前 |
月の裏 | つきのうら | 馬締の妻・香具矢の小料理屋 |
からかう | からかう | 山梨の方言「手を尽くす」という意味 |
用例採集 | ようれいさいしゅう | 初めて知った言葉と意味をコレクションしていく(膨大な作業) |
典型的な例 | てんけいてきなれい | 多くの人が納得する例(但し、時代による変遷も) |
俗語表現 | ぞくごひょうげん | 最初は間違った表現をしていたが世間に広まって正しい表現に逆転する |
キャスト変遷
原作は2011年に発表されましたが、様々なメディア展開がされています。
原作、映画、アニメでは主人公は馬締光也ですが、ドラマでは岸辺みどりに変更されています。
赤文字が主役です。
読み方 | 映画 (2013年) |
アニメ (2016年) |
ドラマ (2024年) |
概要 | |
馬締 光也 | まじめ みつや | 松田龍平 | 櫻井孝宏 | 野田洋次郎 | 辞書編集部員→主任 |
林 香具矢 | はやし かぐや | 宮﨑あおい | 坂本真綾 | 美村里江 | 馬締の思い人→妻 |
荒木 公平 | あらき こうへい | 小林薫 | 金尾哲夫 | 岩松了 | 辞書編集部ベテラン |
西岡 正志 | にしおか まさし | オダギリジョー | 神谷浩史 | 向井理 | 宣伝広告 |
佐々木 薫 | ささき かおる | 伊佐山ひろ子 | 榊原良子 | 渡辺真起子 | 契約社員 |
タケ | たけ | 渡辺美佐子 | 谷育子 | 草村礼子 | 香具矢の祖母 |
岸辺 みどり | きしべ みどり | 黒木華 | 日笠陽子 | 池田エライザ(主役) | ファッション誌→辞書編集 |
宮本 慎一郎 | みやもと しんいちろう | 宇野祥平 | 浅沼晋太郎 | 矢本悠馬 | 辞書用紙の開発 |
三好 麗美 | みよし れみ | 池脇千鶴 | 斎藤千和 | 西岡と交際→結婚 | |
松本 朋佑 | まつもと けいすけ | 加藤剛 | 麦人 | 柴田恭兵 | 国語学者 |
BSドラマキャスト
主要キャスト
役名 | 役者 | 概要 |
岸辺みどり | 池田エライザ(幼少期:宮崎莉里沙、矢野朔子) | 主人公:読書モデル→ファッション誌編集部→辞書編集部。 |
馬締光也 | 野田洋次郎 | 苗字が「まじめ」なので「主任」と呼ばれる |
五十嵐十三 | 堤真一 | 玄武書房の代表取締役社長に就任。死神と呼ばれる? |
西岡正志 | 向井理 | 宣伝部 |
渡瀬凛子 | 伊藤歩 | ファッション誌「VIVIAN」編集長→ウェブ編集長へ |
荒木公平 | 岩松了(43年前:加治将樹) | 馬締を辞書編集部にスカウトした張本人 |
佐々木薫 | 渡辺真起子 | 用例採集などをデータ化する契約社員。息子も辞書オタク??? |
天童充 | 前田旺志郎(8歳時:眞島煌芽) | アルバイトの現役大学生。辞書に対して体育会系のノリ |
松本朋佑 | 柴田恭兵(43年前:細田善彦) | 日本語学者 |
宮本慎一郎 | 矢本悠馬 | 辞書の紙を制作する会社の社員 |
馬締香具矢 | 美村里江 | 馬締の配偶者。みどりの大家。「月の裏」の料理長。 |
秋野蘭太郎 | 勝村政信(子供時代:藤田要) | 明峰文化大学 教授。水木しげるの信奉者。ヲタムちゃん。 |
ハルガスミツバサ | 柄本時生 | 中身が白紙でも売れるブックデザイナー。ヲタムちゃんの友達。 |
松本千鶴子 | 鷲尾真知子 | 松本朋佑の妻 |
中村昇平 | 鈴木伸之 | 岸辺みどりの彼氏 |
みどりの家族 | ||
若葉 | 森口瑤子 | みどりの母 |
慎吾 | 二階堂智 | みどりの父 |
萩原さつき | 金澤美穂(幼少期:安田世理) | みどりの姉 |
その他 | ||
岸辺真帆 | 野呂佳代 | 慎吾の再婚相手、妊娠中。みどりに優しい。 |
ゲスト
話数 | 役名 | 役者 | 概要 |
第1話 | 市川真由子 | 木越明 | みどりのファッション誌編集部時代の同僚。みどりをハブる |
松戸明日菜 | 中村加弥乃 | ||
美浜恵梨香 | 西野凪沙 | ||
第2話 | 男性 | 飛田一樹 | 辞書部アルバイトの天童充のパートナー |
第3話 | タケおばさん | 草村礼子 | 香具矢の祖母。「早雲荘」の大家。故人 |
少年 | 村上秋峨 | 秋野教授の空想シーンの少年。水木しげるを図書館で調べる。 | |
島崎義久 | |||
第4話 | 夏川実 | 肥後克広 | 辞書の挿絵画家。2年前に死去。挿絵の赤ちゃんの頭は天パ。 |
(息子が天パ) | |||
夏川颯太 | 戸塚純貴(幼少期:白鳥廉) | 夏川の息子。イラストレーター | |
学生アルバイト | 澤奈央、六車勇登、北澤響、田村魁成、上川拓郎 | 天童の後輩たち。アルバイトに駆り出される。ノリは体育系。国文科。 | |
客 | 望月寛子、羽野敦子 | みどりの母の美容院の客(回想) | |
客 | 市川理矩、星川祐樹 | 松本、荒木がいたお蕎麦屋さんに来た客 | |
リポーター | 田中宏美 | お蕎麦屋さんでつけられていたテレビに出ていたリポーター。「睡眠負債」という言葉を発する→用例採集へ | |
見習い | 曽根翔斗 | 香具矢の店の見習い | |
第5話 | 小林愛斗 | 阿久津将真 | 「うむん」が何かを調べる少年。人と関わるのが苦手。 |
小林恵美 | 村川絵梨 | 愛斗の母。 | |
萩原杏、萩原桃 | 山本紗々萊、室伏凛香 | みどりの姉のさつきの娘たち | |
女の子 | 木村日鞠 | 愛斗に辞書を取られそうになって泣き出してしまう女の子 | |
第6話 | 小堺、安田 | 師岡広明、古川順 | 辞書の紙を作る現場スタッフ。 |
りょんぴー / 如月涼太郎 | 遠藤健慎 | アイドル、読者モデル時代のみどりが付き合っていると匂わせたと誤解され炎上。(炎上したのはみどり) | |
役員 | 中野剛、世志男、潟山セイキ | 玄武書房の役員、辞書のデジタル化を推し進めようとする | |
女性 | 兼安愛海 | みどりと天童の「ジーションズ」の写真を投稿。 | |
飯田智明 | 安藤広郎 | 八国堂国語辞典の辞書編集者。SNSのフォロワーが10万人を超えている。 | |
中澤実子 | |||
第7話 | 編集長 | 大場泰正 | シニア向け雑誌・悠々楽々の編集長。紙の雑誌にこだわる |
秘書 | 新上貴美 | 五十嵐社長の秘書。 | |
車椅子バスケ | 米田敬、齋藤尚徳、渡部創 | 車椅子バスケをしていた | |
第8話 | 山目満治 | 松田龍平 | 株式会社サイバーブレス システム開発部 チーフエンジニア(名刺の肩書) |
辞書のデジタル化する会社の人。映画版の馬締さんがこの役に! | |||
アナウンサー | 住田洋 | 「令和」という新元号を伝えた時のアナウンサー | |
伊藤海月、長野天音 | |||
最終話 | 医師 | 西野大作 | 松本先生に副作用の症状を説明する |
女子高生 | 安達木乃、山本藍 | みどりとすれ違いざまに「キャパい」と話す二人の女の子 | |
野上絵理、涼凪、源田愛莉那 |