104巻初読の軽い感想と勝手に考察(羽田浩司編)

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17年前の羽田浩司殺害事件の真相が次々と明らかになった104巻

ネタバレしすぎると怒られるのですが、いつも通り、全容が明らかになったわけではありません。
考察しながら、真相がどうなのか、色々考えて行きたいと思います。

RUM=脇田兼則 浅香=若狭留美はこの巻で確定?

この巻までにRUMの正体が脇田兼則である事はほぼ確定していました。
ですが、長年のコナンファンの一人として確定事項がひっくり返る事は多々あり、何処まで本当か更に深奥に何かあるのかと勘繰ってしまいます。
ですが、この巻で「RUM=脇田兼則」は確定事項と言ってよいと思います。
そうでないと17年前の事件の首謀者のRUMの話がかみ合わなくなってしまうからです。

また、もう一人「浅香=若狭留美先生」であると言う事も確定で良いかと思います。
そうでないとこの巻の話が進まないので(笑)

確定事項

RUM=脇田兼則 浅香=若狭留美

アメリカの大富豪で資産家のアマンダ・ヒューズは次期大統領とも言われていた人物です。
このボディガードに付いていたのが「レイチェル・浅香」です。
アマンダのボディガードは浅香だけではありませんでしたが、一番の側近でいつもアマンダのそばにいたのが浅香だったのです。

子供の頃に親を亡くしたレイチェル・浅香。
彼女の父もアマンダのボディガードを務めていたのです。
ですが、アマンダを庇い、命を落としている事がアマンダの口から語られます。
そして、子供時代のレイチェル・浅香は「証人保護プログラム」の中暮らすことになりますが、アマンダのボディガードになる事を希望し、凄腕のボディガードとしてアマンダの側近を任されるまでになったのです。

グレース
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子供の頃に親を亡くして証人保護プログラムに入るというのはジョディ先生と同じですね。
ジョディ先生も「日本の英語教師」で実はFBI捜査官。
若狭留美先生も「日本の教師」で元アメリカ要人のボディガード。
この2人の共通点は「敵」が「黒の組織」である事です。

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アマンダにとって浅香は娘も同然

アマンダ・ヒューズにとって浅香は娘と同然でした。
自分の盾になって死んだ浅香の父に代わって後見を続けてきたのでしょう。
自分の命がRUMに狙われている事を知って浅香をうまく逃がします。
RUMの追撃はそれに留まりません。
羽田浩司の下にも魔の手が忍び寄ります。

羽田浩司は浅香をうまく眠らせて隠れさせます。
浅香にRUMが気付きかけたその瞬間、「烏丸蓮耶」の名前を出してRUMの注意をそらします。
そして、その後の拷問の上でも浅香の事は言わず、殺されてしまいます。
ここで止めをRUMが刺せなかったのもアマンダの遺体が発見され、日本の警察である黒田兵衛が真相に迫っていたからです。
この若かりし黒田兵衛が黒田管理官なんです。

グレース
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格好良く優秀です。

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羽田浩司の人物像

羽田浩司の人物像はあまり出てきませんでした。
赤井ファミリーの次男で羽田家の養子に行った羽田秀吉の義理の兄で17年前の被害者と言う事以外、明らかにされていませんでした。
この104巻で明らかになったのは非常に優秀で聡明な人物であった事。
記憶力が良く、人物認識能力も高かったことが示唆されます。
RUMを観てその外見が「烏丸蓮耶」の代理として演説したその人だと覚えていた事があげられると思います。
また、その明晰な頭脳で烏丸蓮耶が決して表の人間ではない事も見抜きます。
それが故に殺害されてしまったのですが、彼が殺されてまでも守りたかったのは浅香のためだったのです。
将棋に一筋だった青年が浅香に好意を抱いていたのではと思われるシーンがあります。
アマンダのボディガードのことを男も寄り付かないと言った時に自分としては好みの女性であると顔を赤らめるシーンがあるのです。
浅香はボディガードなので意に介さない感じなのですが、のちの行動を考えるとこの時に浅香も羽田浩司に好意を抱いていたと言って良いと思います。
天才的な棋士であったと言って良い羽田浩司は一目ぼれした女性の命を命がけで守ったと言って良いのではないでしょうか?

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ダイイングメッセージによる羽田浩司の明晰さ

RUMが何らかの組織の人間の中枢人物である事や見抜いている羽田浩司はコナンシリーズの中でもトップクラスの頭脳の持ち主である事が伺えます。
名探偵コナンのファンの方の中には推理小説や探偵小説というジャンルが好きな人も多いのではないでしょうか?
こういった小説の中でよく出て来るのがダイイングメッセージです。
被害者が亡くなる直前に真犯人のヒントになるメッセージを残す事を言います。
このダイイングメッセージ、実は難し過ぎてもいけないというセオリーがあります。
それは、瀕死の状態の被害者が難しい暗号やメッセージを死ぬ直前のわずかな時間に書く事は出来ないという現実的な問題があるからです。
もしかしたら真犯人に見つかったらそのダイイングメッセージでさえも消されてしまうかもしれません。
キチンと真犯人に導いてくれる人に渡るとも限りません。
おまけに自分自身は虫の息です。
この中で羽田浩司は「黒の組織=烏丸」であるというヒントを遺したのです。

暗号は「PUT ON MASUCARA」と書かれた手鏡から「CARASUMA」という文字を取り去るという形でした。
この暗号も、ミステリーファンや暗号と気が好きな人達の間ではよく知られた技法ですが、これを死ぬ直前、意識も絶え絶えになっている中で「烏丸蓮耶」が黒の組織に関わっていると言う事を遺したのです。
また、このダイイングメッセージを回収したのは若かりしの黒田管理官です。
これも、黒の組織、浅香を含めた攻防の中ですから、一つ間違えたら黒の組織の手に渡る事も消された可能性もあるのです。
ここで黒田管理官に回収されたのは僅差の出来事だったのです。

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暗号について

暗号は長く解明されていませんでした。
最初はコナンと赤井秀一によって残ったアルファベットから「RUM」「ASACA」という二つの言葉を導き出しますが、のちに工藤優作と赤井秀一によって「CARASUMA」という言葉に辿り着きます。
この導き方もシャーロック・ホームズの「踊る人形」によく似ています。
シャーロック・ホームズの中では暗号を解くときに「E」が一番よく使われている事から、一番多い形が[E]であると言う事で導き出されます。
また、今回の暗号を解くときも「A」が多い事で「日本人の名前ではないか?」という推測からこの「CARASUMA」という名前が出てきたのです。

図解書いておきます。

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ケモメカニカル効果

羽田浩司が手鏡の文字の中の特定の文字を遺すという方法が今回明らかにされました。
これ、ケモメカニカル効果というものです。
実は、名探偵コナンの中では既に紹介されている方法です。
コミック92巻の「17年前と同じ現場」という話です。
ガラスに水の中ではさみを入れると簡単に切れてしまうのです。
この方法を利用して出しっぱなしの水道の下で、手鏡をはさみで切ってダイイングメッセージにしたい文字だけを戻したのです。
そして、あのメッセージが出来たのです。

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